滋賀県在住の檜皮葺(ひわだぶき)・杮葺(こけらぶき)師である岩﨑長藏氏は、永年にわたり、国宝・重要文化財の保存修理に携わるとともに、後進の育成にも努め、我が国の文化財保護に多大な貢献を果たされたことから、このたび令和5年度文化庁長官表彰の被表彰者となることが決定しました。
文化活動に優れた成果を示し、我が国の文化の振興に貢献された方々、または、日本文化の海外発信、国際文化交流に貢献された方々に対し、その功績をたたえ文化庁長官が表彰するものです。
岩﨑(いわさき)長藏(ちょうぞう)氏
長浜市
岩﨑社寺工業株式会社取締役会長
同人は、長浜市石田町で「屋根長(やねちょう)」として社寺建造物の屋根葺業を営む岩﨑家に生まれました。18歳より父の指導のもと檜皮葺・杮葺の技術を習得し、昭和55年には「屋根長」の6代目として代表者を引き継ぎました。
同人は、国宝御上(みかみ)神社本殿や国宝都久夫須麻(つくぶすま)神社本殿、国宝西明寺三重塔などの本県を代表する国宝文化財建造物をはじめとして、滋賀県を中心に国・県・市指定文化財建造物の屋根葺き替え修理を多数行いました。さらに、その活動は滋賀県にとどまらず、京都府や奈良県などの県外でも行い、54年余りの永きにわたり、数多くの文化財建造物の屋根檜皮葺・杮葺の保存修理に携わりました。
また、文化庁の選定保存技術保存団体である公益財団法人全国社寺等屋根工事技術保存会の常務理事等の要職を務めるなど、全国的視点から業界の発展と文化財建造物の保存、若手技能者の育成に努めました。
令和5年12月19日(火)京都市内において開催されます。