滋賀県立総合病院では12月1日に「WATCHMAN」を用いた、経皮的左心耳閉鎖術を、二人の患者さんに実施しました。術後の経過は良好です。
心房細動の患者さんには、脳梗塞を防ぐために血液をサラサラにする「抗凝固薬」を服用してきましたが、この薬は副作用として出血しやすくなるリスクが高まることから、一部の患者さんでは服用を中止せざるを得ない場合もありました。そういった場合に選択肢となるのが、経皮的左心耳閉鎖術(WATCHMAN植込み)です。
左心耳は、左心房にある袋状の部分で、心房細動によって形成される血栓の約9割がここに発生します。左心耳を「WATCHMAN」で塞ぐことで、血栓ができるのを防ぎ、抗凝固薬と同等の効果が得られるため、ほとんどの患者さんが抗凝固薬を中止または減量することができます。
この治療は全身麻酔下で、医師が脚の付け根の静脈に挿入した柔らかい管(カテーテル)を通して、「WATCHMAN」を心臓まで誘導します。手術は1時間ほどで終了して、患者さんは、手術の翌日から歩行が可能であり、2〜4日程度で退院となります
本治療は、一定の基準を満たした施設での実施が認められており、滋賀県内では、現在2施設が認定されています。