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琵琶湖北湖90m湖盆の底層溶存酸素量等の現状について

令和5年9月19日(火)に実施した水質調査において、琵琶湖北湖の第一湖盆(水深約90m)の1地点で、今年初めて底層溶存酸素量(以下「底層DO」という。)が底生生物への影響が見られる目安である2mg/Lを下回りました。また、9月25日(月)の調査では、水深90mの2地点で2mg/Lを下回り、うち1地点で0.5mg/L未満となり、水深80mの1地点でも底層DOが2mg/Lを下回ったことを確認しましたのでお知らせします。

1.調査結果

(1)底層DOについて(表1、図1参照)

調査結果
調査日 令和5年9月19日(火) 令和5年9月25日(月)
調査地点 北湖第一湖盆3地点 北湖第一湖盆10地点
底層DOが2mg/Lを下回った地点 1地点(L点) 3地点 (A,B,I点)
底層溶存酸素量 0.8 mg/L ~ 2.4 mg/L <0.5 mg/L ~ 4.0 mg/L

(2)底層の水質について(図2参照)

  • 底層DOが低下することで影響を受けやすいとされる水質項目には、栄養塩類(窒素、りん)や重金属類(マンガン等)がある。
  • 9月19日時点の水質調査結果では、各項目とも平年並みの数値であり、水質への影響は確認されていない。

(3)湖底の生物について(図3参照)

調査日:令和5年9月21日(木)

調査地点:北湖第一湖盆

琵琶湖環境科学研究センターにおいて、水中ロボット(ROV)による湖底付近の生物調査を実施した結果、イサザやヨコエビの死亡個体が確認された。

2.現状の評価と今後の対応

  • 3月頃から底層DOが徐々に減少し始め、9月19日時点で底生生物への影響が見られる目安である2mg/Lを下回った。(表1)
  • 底層DOが2mg/Lを下回った時期は、昨年度の11月1日より1カ月半程度早かった。(過去3年の2mg/Lを下回った時期:令和2年8月17日、令和3年8月30日、令和4年11月1日)
  • 今津沖中央(C地点)の底層DOは、8月までは過去10年平均値と同等に推移していたが、9月以降は過去10年平均値よりも低い状態で推移している。(図1)
  • 今年は、記録的な猛暑により表層と底層の水温差が大きく、表層と底層の水の混合が起こりにくいこと、また、8月下旬以降に台風等による強風の日が無かったことにより底層DOの低下が進んだと考える。
  • 9月19日時点では、水質は平年並みで推移しており、底層DOの低下による影響は確認されていない。(図2)
  • 一方で、9月21日の水中ロボット(ROV)調査において底生生物のイサザやヨコエビの死亡個体が確認された。(図3)
  • 気象予測によると、今後も冬にかけて平年よりも気温が高い状態が続く可能性が高いとされていることから、引き続き底層DOの低下が進行し、2mg/Lを下回る範囲もさらに広がる可能性がある。
  • 琵琶湖環境科学研究センターでは、既に底層DOの調査頻度を月2回から月4回に増やすとともに、水深80m地点付近も含めた範囲に拡大して調査を実施しており、今後とも貧酸素の水域の広がりを注視するとともに、各関係機関と連携しながら監視に努めていく。
お問い合わせ
琵琶湖環境部 琵琶湖保全再生課 水質・生態系係
電話番号:077-528-3463
FAX番号:077-528-4847
メールアドレス:[email protected]
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