持続可能な社会づくりに向けた環境教育の重要性が高まるなか、「森・里・湖に育まれる漁業と農業が織りなす琵琶湖システム」(通称「琵琶湖システム」)が令和4年7月に「世界農業遺産」に認定されたことを受け、「琵琶湖システム」を通じて、滋賀県の環境や農林水産業、食文化等について学び、考えるための子ども向け学習教材(デジタルブック)を作成しました。
完成した学習教材は、滋賀県立びわ湖フローティングスクールのホームページに公開しています。
来る7月1日「びわ湖の日」に、お子様と一緒に「琵琶湖システム」について学んでみてはいかがでしょうか?
夏休みの自由研究のきっかけ等にも、是非ご活用ください。
1.教材の掲載先
2.学習できる内容
「琵琶湖システム」(「琵琶湖システム」の全体像およびそれを構成する「漁業」、「魚のゆりかご水田」、「環境こだわり農業」、「水源林の保全」、「伝統的な食文化・祭礼」)について
3.対象
小学校第5学年程度を想定していますが、それ以外の方も御利用いただけます。
社会や環境に適応しながら何世代にもわたり継承されてきた独自性のある伝統的な農林水産業と、それに密接に関わって育まれた文化、景観、生物多様性などが相互に関連して一体となった、世界的に重要な伝統的農林水産業を営む地域(農林水産業システム)であり、国連食糧農業機関(FAO)により認定されます。
令和5年6月現在、世界で24か国74地域、うち日本では13地域が認定を受けています。
琵琶湖周辺の水田は、琵琶湖の固有種であるニゴロブナなどの湖魚に絶好の繁殖環境を提供してきました。こうした水田やヨシ帯などに向かってくる湖魚の生態を巧みに利用してきた「エリ漁」は、資源にやさしい伝統的な「待ちの漁法」の代表格です。
また、河川に遡上する湖魚の産卵環境の保全に寄与する多様な主体による森林保全の営みや琵琶湖の環境に配慮した農業など、森、川、水田、湖のつながりは、世界的に貴重なものです。
このような琵琶湖と共生する農林水産業(琵琶湖システム)は、千年以上に渡って受け継がれてきたもので、2019年2月に「日本農業遺産」に認定され、2022年7月に国連食糧農業機関(FAO)の「世界農業遺産」に認定されました。