今年度初めて、文化庁が、食文化に関する学術的な研究と食文化の現場が連携して優れた成果を生み出している事例を収集し、社会に発信する取組を実施されました。そこで、本県で実施してきたニゴロブナの資源回復に関する研究とニゴロブナを原料とした鮒ずし製造技術の普及活動の取組を応募したところ、優良事例と認定され、3月18日(土)に表彰をいただきました(表彰式については下記文化庁HPおよび別添報道発表資料参照)。
https://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/93853701.html
取組名:「琵琶湖産ニゴロブナの資源回復と鮒ずし製造技術の伝承」
(取組の概要)
滋賀県の伝統的な発酵食品である「鮒ずし」は、漬物のように家庭でもその製法が伝承されてきた食文化ですが、原料であるニゴロブナの減少にともない、入手の困難さと価格の高騰により家庭での鮒ずし漬けが衰退し、製造技術も受け継がれなくなりました。
そこで、滋賀県はニゴロブナ資源の効果的な増殖手法を開発するとともに、小型の親魚を取り残す資源管理型漁業を推進し、資源は回復に向かいました。
さらに、回復したニゴロブナ資源が鮒ずしとして利用されるように、家庭向けの製造技術をマニュアル化し、「鮒ずし漬け講習会」を開催して普及に努めました。
現在、この製造技術を活用した鮒ずし漬け講習会が漁業協同組合によって開催されており、食文化の継承に貢献しています。
県は、漁業者の皆さんとともにニゴロブナ資源の適切な管理を進めるとともに、鮒ずしが食文化として継承されるよう、引き続き漁業協同組合等による鮒ずし漬け講習会をサポートします。