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《県立病院の経営形態の検討結果》現在の地方公営企業法の「全部適用」を継続することに決定しました

今年度、病院事業庁において検討を行ってきた「県立病院の経営形態」については、現在の地方公営企業法の全部適用(以下、「全部適用」という。)を継続することとし、現行形態における経営強化の取組を着実に推進することで、「持続可能で県民の期待に応えられる県立病院」を目指していきます。

※「地方公営企業法の全部適用」とは…地方公営企業法第2条第3項の規定により、病院事業に対し、財務規定等のみならず、同法の規定の全部を適用するもの。これにより、事業管理者に対し、人事・予算等に係る権限が付与され、より自律的な経営が可能となることが期待される。

県としての結論

県立病院経営協議会の答申および県民意見も踏まえ、以下の理由により、現状の全部適用を継続することとします。

 

【理由】
(1)現在、総合病院を中心に収益拡大、費用の最適化に向けた取組を進めており、徐々にその成果が現れてきているが、今後、現行形態においてさらなる改善努力の余地があること。

(2)令和7年1月に総合病院と小児保健医療センターの統合を予定しており、まずは、病院統合を契機とした経営強化に最大限注力する必要があること。

ただし、今後とも、県立病院として県民が望む医療を安定的に提供していくためには、経営の立て直しが不可欠であり、引き続き、病院事業庁長のもと「医療の充実」と「経営の安定化」に向けて、以下の取組を職員一丸となって進めます。

【経営強化の取組】

(1)医療の充実に向けた取組

・医療従事者の安定確保
→ 診療機能や施設・設備の充実による病院の魅力向上、研修機能の強化等
・総合病院における診療機能の高度化
→ DPC特定病院群(2群)への移行に向けた取組、病院統合による小児医療や救急医療提供体制の強化等
・政策医療・不採算医療の安定的な提供
→ 収支の安定化、県の政策課題への対応強化(小児医療、精神医療、新興感染症等)

(2)経営の安定化に向けた取組

・病院統合による経営の効率化
→ より効率的・効果的な組織・体制への見直し、施設利用や人員配置の最適化
・事務職員の専門性向上
→ 一般事務から医療事務への段階的移行、外部人材の積極的な登用等
・収支改善
→ 診療報酬の拡大、地域医療機関との連携強化、診療材料や医薬品の調達コストの適正化

(3)推進方策

・経営強化に向けた目標の明確化と職員一丸となって取り組む環境づくり、推進体制の確保
・柔軟性が高い組織づくり、職員の意識改革を推進するための制度・処遇の検討
・経営強化の取組に対する外部のチェック機能の強化

なお、現行形態におけるこうした取組による効果が現れない場合は、経営形態のあり方について再度検討する必要があると考えます。
このため、今後の資金残高の状況にも留意しつつ、令和7年1月の病院統合後の1年目の決算が確定する令和8年度に取組状況と成果を見極め、必要な場合は、改めて経営形態の見直しについて検討を行うこととします。

検討の背景

平成18年度に病院事業を全部適用に移行してから15年以上経過しますが、経営は長年厳しい状況が続いており、資金残高も減少傾向にあります。また、医療を取り巻く環境の変化やコロナなどの想定外の事態への迅速・柔軟な対応が課題となる中、県立病院の医療機能や持続可能性を高めていくためには、経営形態を含めた最適な経営のあり方について検討が必要であると判断し、外部有識者で構成する県立病院経営協議会にも意見を聞きながら、検討を進めてきました。

検討の経過

[令和4年]
5月26日 第1回経営協議会(諮問、専門部会の設置)
6月2日 第1回専門部会
6月29日 第2回専門部会
9月5日 第2回経営協議会
9月21日 第3回専門部会
11月14日 第4回専門部会
11月21日~12月4日県民への意見募集(意見件数92件)
11月25日 関係団体説明会(7団体)
12月16日 第3回経営協議会(答申案の審議)、答申

お問い合わせ
病院事業庁 経営管理課
電話番号:077-582-5852