福井県立大学、琵琶湖博物館のグループにより2022年6月に県内1河川において外来付着珪藻である「ミズワタクチビルケイソウ」の生息が確認され、2022年12月に日本珪藻学会誌 Diatomに論文(短報)としてオンライン出版されました。本外来種は、これまで主に関東や九州の河川の中上流域の一部で河床全面を被覆するよう繁茂し、アユの漁場への定着性を低下させることが指摘されています。
県内の確認河川では一部の水域で2-4cm程度のコブ状に盛り上がった群落として確認されましたが、6月以降水温の上昇とともに衰退し、群落を形成するほどには繁茂していません。このため直ちに河川生態系に深刻な事態をまねく状況にあるとは考えていませんが、他県の事例から考えて、2月頃から再び増加し始める可能性があります。このことから本県でのミズワタクチビルケイソウの生息域拡大防止のため、河川漁協を通じて遊漁者等の皆様には、次のとおり河川に入る前および移動する際における釣り道具の消毒等をお願いすることとします。また当該河川漁協には消毒方法の指導などを実施することとしています。併せて、水産試験場では本外来種の確認河川での生息状況のモニタリングを実施します。