※特殊報とは
県内に今まで発生が確認されていなかった病害や害虫を初めて発見した場合や、病害虫が今までの発生とは違う特異的な発生をする現象が認められた場合に発表されます。
このウイルスは「ネギアザミウマ」という昆虫が媒介して、植物に感染します。ヒトには感染しませんので、感染した作物を食べても健康に影響はありません。
令和3年7月に、県内の露地栽培のネギで、葉に紡錘形で白色~淡黄色の条斑を示す株が見つかり、ウイルス検定の結果、IYSV(アイリス黄斑ウイルス)によるネギえそ条斑病と判明しました。
また、同年7月に、県内の施設栽培のトルコギキョウで、葉に褐色の輪紋症状を示す株が見つかり、ウイルス検定の結果、IYSVによるトルコギキョウえそ輪紋病と判明しました。
本県では本ウイルスによる病害の発生確認は初めてであるため、病害虫発生予察特殊報第1号として発表し、媒介虫の防除などの対策を呼びかけています。
1. ネギえそ条斑病葉身に不明瞭な退緑斑が発生し、その後、紡錘形で白色~淡黄色のえそ条斑を生じる。
隣接した病斑は癒合し、葉が萎凋枯死することがある。
2. トルコギキョウえそ輪紋病株の中位~上位葉にえそ斑点やえそ輪紋、茎のえそ条斑を生じる。発病程度が激しくなると、葉が変形、枯死する。
本病は、ネギアザミウマによって媒介され、感染した植物から周囲の植物に感染が広がり、周囲の健全な植物に被害を及ぼす可能性が懸念されます。
1)媒介虫であるネギアザミウマを防除する。
2)施設栽培では、施設開口部を防虫ネットで被覆する。特に、ネギアザミウマが認識できない赤色ネットの侵入抑制効果が高い。
3)発病株は伝染源となるため、見つけ次第抜き取り、適切に処分する。
4)ほ場内外の雑草や収穫残渣は、ウイルスの感染源やアザミウマの増殖源となるため、除草や残渣の持ち出しを徹底する。