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「ビワコツボカムリ」の種名が103年ぶりに 国際動物命名規約に基づき再記載されました!

 103年前に学名が付けられた「ビワコツボカムリ」は、標本が指定されていなかったため、国際動物命名規約に基づく記載がされていませんでしたが、標本の指定により103年ぶりに再記載されました。

 また、中国で本種の記録があり、区別ができない状態が続いていましたが、この度、本種と中国の個体の間に別種に相当する違いが見出されました。

 加えて、過去の転記ミスにより「ビワツボカムリ」という和名で呼ばれていたものを、103年前のオリジナルの「ビワコツボカムリ」に戻すことを提唱しましたのでお知らせします。本論文は日本動物分類学会(英文国際誌Species Diversity)に掲載されました。

ビワコツボカムリ
ビワコツボカムリ (撮影:琵琶湖環境科学研究センター 一瀬 諭)

■ポイント

・古代湖である琵琶湖のみに生息するビワコツボカムリDifflugia biwae Kawamura, 1918(有殻アメーバ類,原生生物)は、標本が指定され、国際動物命名規約に基づき再記載されました。

・1981年10月以降は生きた個体がみつかっていないことから、本種の標本が失われる可能性がありました。今回、国立科学博物館、滋賀県立琵琶湖博物館に標本を収蔵し、正式に標本が指定されたことにより、この標本と比較することで、種の判別が可能となりました。

・過去の転記ミスにより、「ビワツボカムリ」と呼ばれていましたが、川村多実二博士が103年前に付したオリジナルの学名の「ビワコツボカムリ」に戻すことを提唱しました。

・中国のいくつかの湖で本種の記録がありましたが、殻の形態計測に基づいた統計的解析により、別種に相当する違いを見出しました(鹿児島大学坂巻祥孝准教授)。

■「ビワコツボカムリ」について

・単細胞生物である原生生物で殻をもつアメーバの一種。

・殻は、長さが0.24 mm~0.38 mmと大きく、細長い一本の突起を持ち、開口部が漏斗状に広がり、その縁が少し波打っています。

・国内では琵琶湖以外ではみつかっておらず、琵琶湖の固有種と考えられています。

・県のこれまでの調査では、1960年代の8月には、本種が琵琶湖のプランクトンの優占種(一番数が多い種)となっていたものの、琵琶湖の底質環境の変化などにより、1970年代から次第に個体数が減少し、1981年10月9日に生きた個体が見つかったのを最後に、それ以降は生きた個体は見つかっていません。

お問い合わせ
滋賀県庁 琵琶湖環境科学研究センター 環境監視部門生物圏係
電話番号:077-526-4288
FAX番号:077-526-4803
メールアドレス:de51400@pref.shiga.lg.jp