琵琶湖北湖の底層溶存酸素(底層DO)について、12月7日(月)の水質調査で、今津沖の第一湖盆の水深70m地点および比良沖の第二湖盆において、底生生物への影響が懸念される「2mg/L」を下回ったことを確認しました。
また、長期間にわたって無酸素状態が継続する、第一湖盆の今津沖中央(C点:水深90m地点)の底層(湖底から1m上)において、栄養塩類(全りん)や金属の底質からの溶出が確認され、そのうち砒素※について、平成21年度の観測開始以降2度目の検出(0.015mg/L)をしたのでお知らせします。(※環境基準値は、人が利用する公共用水域において0.01mg/Lが設定されている。)
琵琶湖の湖底において、貧酸素の範囲が第一湖盆の水深70m地点付近および第二湖盆まで拡大したことは、今まで観測したことがなく、今後の底生生物への影響も懸念されます。
なお、現在底引き網の漁業者は水深60m付近で操業されており、現時点で北湖湖底における貧酸素およびこれに伴う水質悪化による水産物への影響はありません。
調査日:令和2年12月7日(月)
調査機関:琵琶湖環境科学研究センター
調査地点:第一湖盆水深70m~90m地点および第二湖盆
底層DOが2mg/Lを下回った地点:5地点
《第一湖盆》
水深90m地点(C点、L点):<0.5 mg/L
水深80m地点(H点):<0.5 mg/L
水深70m地点(R点):1.6 mg/L
《第二湖盆》
水深75m地点(Ie-1点):1.8 mg/L
※別紙1の調査結果一覧の「琵琶湖環境科学研究センター総合解析部門」、「水産試験場」および「京都大学生態学研究センター」のデータについては、参考値です。
※第二湖盆の調査について、京都大学生態学研究センターに協力いただいております。
調査日:令和2年11月24日(火)
調査機関:琵琶湖環境科学研究センター
※これまでの最高値0.705mg/L(昭和60年10月2日)
※前回の砒素の検出0.005mg/L(平成21年6月15日)
調査日:令和2年11月16日(月)
調査機関:水産試験場
調査日:令和2年12月3日(木)
調査機関:琵琶湖環境科学研究センター
〇深い水域の湖底に生息する水産資源はイサザとスジエビのみ。
〇水産試験場の調査結果では、問題となっている水深70mより深い水域にはイサザとスジエビは少ない(図6)。
〇さらに今年のイサザの資源レベルは高く(図7)、貧酸素によるイサザの資源量(琵琶湖にいる量)への影響は限定的。
〇現在底引き網の漁業者は水深60m付近で操業しており、問題となっている深い水域では操業していない。
→ 現時点で貧酸素や砒素の漁業への影響はない