イネの穂の汁を吸い、斑点米発生の原因となる斑点米カメムシ類について、8月初旬(8月3日~5日)に県内31地点の水稲ほ場で調査を実施したところ、県内全域で平均生息数※が平年に比べて多く、特にクモヘリカメムシで平年比6倍、ホソハリカメムシで約2倍となりました。
向こう1か月の気象予報では、気温は高く、晴れの日が多いと予想されており、斑点米カメムシ類の発生や活動に好適であると考えられます。特にこれから穂が出てくる中生・晩生品種への加害が懸念されることから、別添のとおり病害虫発生予察注意報第3号を発表しました。
斑点米カメムシ類は、畦畔などのイネ科雑草に生息して増殖していますが、イネの出穂後、本田に侵入して穂(籾(もみ))の汁を吸います。吸汁された籾内の玄米は、斑点米(はんてんまい)となり、品質低下の原因となります。特に大型の斑点米カメムシ類であるクモヘリカメムシやホソハリカメムシは吸汁能力が高いため、斑点米を多く作り被害を大きくします。
県では、農業者に対して、これから出穂期を迎える中生・晩生品種において、以下により斑点米カメムシ類の防除の徹底を呼びかけています。
(1)水田内にヒエなどのイネ科雑草が生えていると、斑点米カメムシ類が集まってくるので、早急に除去する。
(2)防除適期に薬剤防除を実施する。なお薬剤の散布にあたっては、ラベルを確認し農薬使用基準を遵守する。
※「生息数」は、調査ほ場で捕虫網(直径36cm)を50回振って得られた個体数、「平年」は、平成24~31年の8年間の平均個体数。