厚生労働省では、毎年11月11日を「介護の日」と設定し、その前後2週間を「福祉人材確保重点実施期間」と定め、地方公共団体や関係団体等と一体になって、介護に関する国民の理解促進や福祉人材の確保に関する取組を実施することとされています。
滋賀県では、介護のしごとの魅力やリアルなところを発信する「しがけあ」プロジェクトを展開しています。「しがけあ」特設サイトをぜひご覧ください。
なお、令和6年11月2日(土)には、介護のしごとをもっと身近に感じていただくためのイベント「第4回しがけあフェスタ」をビバシティ彦根にて開催し、「滋賀県版!介護のしごと『新3K宣言』」を発表しました。滋賀県内の介護の現場で働く方のリアルな思いを元に、新3Kとして、「感謝」「協力」「感動」を宣言しました。
また、社会福祉法人滋賀県社会福祉協議会を都道府県福祉人材センターとして指定し、無料職業紹介を中心とした社会福祉事業等従事者の確保、育成および定着に関する事業を実施しています。 介護・福祉分野への就労に興味・関心のある方はぜひご活用ください。
「しがけあ」特設サイトでは、県内で介護のしごとに携わる方々から投稿いただいた、「働いていてうれしかったこと」や「感動した出来事」などの介護にまつわるストーリーをマンガで紹介しています。ここでは、「しがけあ」特設サイトで紹介しきれなかった投稿を、もう少しだけ紹介します。
今の世の中ほどコロナに理解のなかった頃の話。施設でコロナが発生するということは、全てが悪という世の中でした。SNSや非難の電話の嵐。向かいの道路では連日カメラを向けた報道陣。職員の誰もが疲弊していました。
いったいこのままどうなっていくのだろうと緊張と不安と挫折の日々。本当に細い糸で何とかつながっているような、すでに切れてしまった糸を、何とか離すまいと、必死につかみ続けたような日々でした。
世の中から見捨てられたと思わずにはいられなかった状況を救ってくれたのは、地域や家族、同業者からの温かいエールでした。SNSでも徐々に応援する声が増えていきました。
当時、施設を擁護する声を上げることは、とても勇気のいる行為だったと思います。
「見てください。こんな投稿ありますよ」と職員が涙ながらに持ってくるSNSの応援メッセージ。日々届く地域や家族からの手紙。そして同業者からの寄せ書きや差し入れ。
涙を流さない職員は誰一人いませんでした。今でもその手紙や寄せ書きは、施設の宝物です。本当に人の優しさを知ることができた、そして壮絶な経験でした。
その方は98歳という高齢で食事以外は自分の部屋で過ごしておられました。
部屋に居ても寝てばかりということでは無く、あんまり構って欲しくないから部屋に戻る感じでした。たばこが好き(なんと煙管たばこです)で吸いたい時は職員を呼ばれます。たばこ盆(煙管やたばこなどがまとめてある物)持ちをして、ご本人が歩行器で歩かれる横をたばこを吸う場所まで付いていきます。あまり喋らない方で話しかけても「そやな」と返事がある程度。
ずっと行きたかった一泊旅行に行くことになり、その方も誘ってみると「こんな歳になってるけど行けるんか」と喜んでくださいました。温泉がありますよと伝えましたが、「温泉には入らん、一人で入れん」と言われてましたが。
当日、「夕食のごちそうの前に温泉入ろう!」って言うと、「ほな、入ろか」と仕方なしな返事。宿の温泉は浴槽に入る時に手すりはあるものの、浴槽の中に浸かろうしたら職員の手伝いが必要です。私がお手伝いさせていただき、抱えながら浴槽に浸かったところ「あ~もう死んでもええな!!」と急に大きな声で繰り返し言われて。「死んだらあかんがな!」と思わず私も大きな声で言った後に2人で笑いまくりました。この表情の変化にびっくり!
素敵な時間を共有できた旅行でした。
非日常をつくることも介護職の仕事です。幸せや楽しみ作りができるということもこの仕事の楽しさのひとつです。ちょっとした瞬間や一言に、やっていてよかったと思える、利用者も職員も一緒に笑いあえる、介護はそんな仕事です。
たなかさん:とあるヘルパーさんは、利用者様の何気ない一言が日々の仕事の糧になってます、と話されていました。
とあるヘルパーさん:
ありきたりやけど、利用者さんがヘルパーのサービスでほんまに喜んでくれてはるなー、と感じる時は私も良かったと思うし嬉しい。サービスももちろんやけど、その中での会話が結構大きいと感じる。
デイに行ってる高齢者でも、よほどおしゃべりな方じゃない限り、沢山の人がいてもコミニケーションはそんなにとらないのかも知れへんね。
私らは1対1やから自然と対話もするし、周りの目もないから結構深い話される(良い面も悪い面も)。大概の人は孤独は嫌やと思う。でも、高齢になったら友達や兄弟に会いたくても出掛けにくいし、耳が遠くて電話でもなかなかスムーズに対話できないし…。
そこに1週間に1回でもヘルパーが来て、掃除や調理やお風呂介助しながら世間話するのって結構喜ばれてる気がする。
だから「ありがとう」や「また来てや」と言ってくださるのが、本気で言っくれてはると感じた時に「ヘルパーやっててよかった」と思います。