令和元年5月、県内の市民農園のナスで、ノミハムシ類の成虫による葉の食害が確認されました。その虫を採集し、農林水産省神戸植物防疫所に同定を依頼したところ、5月24日にタバコノミハムシであることが同定されました。
本県では、これまでにタバコノミハムシの発生を確認していませんでしたので、令和元年度病害虫発生予察特殊報第1号として発表しました。
なお、特殊報とは、県内に今まで発生が確認されていなかった病害虫を発見した場合や、ある害虫が今までの発生とは違う特異的な発生をする現象が認められた場合に発表しています。
成虫は体長1.5~2.5mm、長楕円形でやや扁平であり、体色は、やや光沢のある赤褐色で、上翅には不明瞭な黒斑を持ちます。アメリカ合衆国を原産とする外来種で、寄主植物としてタバコ、ナス、トマト、ばれいしょ、ほおずき等のナス科作物が報告されています。成虫は、葉の片側の表皮を残して葉肉を食害したり、葉を貫通して食害します。このため、表皮を残して広く食害された痕や、直径1~2mm程度の多数の小さな白い点状の食害痕が見られます。
令和元年5月現在、主な寄主植物であるナスにおいて本種に登録のある農薬はありません。本種が寄生しているナスの栽培終了時には、近隣のナス科作物へ本種が移動しないように作物残渣を速やかに処分してください。