平成29年11月に、東近江地域の施設栽培のミニトマトで、葉に黄化症状を示す株が見つかりました。滋賀県病害虫防除所において遺伝子診断した結果、ToCV (トマト退緑ウイルス)によるトマト黄化病と判明しました。本病は国内では平成20年に栃木県で最初に発見され、これまでに15都県で発生が確認されています。
本病は、タバココナジラミ(バイオタイプBとQ)およびオンシツコナジラミによって媒介され、感染した植物から周囲の植物に感染が広がり、周囲の健全な植物に被害を及ぼす可能性が懸念されます。
なお、特殊報とは、県内に今まで発生が確認されていなかった病害虫を発見した場合や、病害虫が今までとは違う特異的な発生をする現象が認められた場合に発表しています。
→平成29年度病害虫発生予察特殊報第2号(トマト黄化病)
発病の初期は、葉の一部の葉脈間が退緑・黄化します。症状が進むと葉脈に沿った部分を残して葉全体が黄化し、葉巻症状やえそ症状が現れます。黄化症状は中~下位葉に現れることが多いです。発病株では生育が抑制され、収量の減少傾向が見られます。