文字サイズ

県指定文化財大滝神社本殿保存修理工事現場の見学会が開催されます!

大滝神社本殿修理前背面の屋根
大滝神社本殿修理前の屋根の状況

 多賀町富之尾の大滝神社本殿では現在屋根檜皮葺の葺き替え工事を実施しています。そこで県民の皆様に文化財建造物への理解を深めていただくことを目的に、保存修理工事現場の見学会を実施いたします。今回の見学会は、修理技術者による解説と屋根職人による伝統技法の施工の様子を、工事用足場から間近にご覧いただきます。

見学会の概要、申込方法等

1.名称

県指定有形文化財大滝神社本殿保存修理現場見学会

2.会場

滋賀県犬上郡多賀町富之尾大瀧神社境内

3.公開日時

令和6年(2024年)12月7日(土)

11:00~、13:00~、14:30~(各回30分程度)

4.内容

工事用足場から間近に建物と檜皮葺の施工を見学していただくとともに、修理技術者による建物についての説明や、屋根職人による伝統技法の体験を予定しています。

5.参加費

無料

6.参加方法

○事前申込【11月18日(月)9:00~受付開始】

電話にて下記の点をお伝えください。

・大滝神社本殿現場見学会参加の旨

・参加する方全員分の氏名、住所、連絡先(連絡のつきやすい電話番号)

・参加希望回

※先着順(各回20名程度)

7.申込先

 多賀町立文化財センター(平日9:00~17:00)

 電話: 0749-48-0348

8.当日集合場所

大滝神社本殿横の広場※自家用車は大瀧神社参拝駐車場にお停めください。

留意事項

・修理現場の見学ルートには、階段・傾斜面がありますので、動きやすい服装・履物でご来場ください。

・見学時には、現場で用意するヘルメットの着用をお願いいたします。

・修理現場内では、係員の指示に従ってください。

・工事現場内での見学のため、安全上の理由により、見学をお断りすることがございます。

◆荒天等により当日に中止する場合がありますので、ご了承願います。

大滝神社本殿について

大滝神社本殿修理前正面から
大滝神社本殿修理前の写真

建築年代:寛永15年(1638年)

構造形式:一間社流造、檜皮葺

指定年:昭和48年(1973年)6月27日

概要:

 大瀧神社は神社の創立は明らかではありませんが、高龗神(たかおかみのかみ)、闇龗神(くらおかみのかみ)をまつり、「湿雨を司り水脈を主宰し、農作物の生茂繁殖の道を幇助し給う神」として信仰され、多賀大社の奥宮あるいは末社と考えられてきました。

 現在の本殿は寛永15年(1638年)に徳川家光公の多賀大社大造替の一環として建てられました。(現在も大瀧神社、胡宮神社、千代神社の本殿が現存しています。)一間社流造の本殿としては規模が大きく、木割が太く、背が高い点や木鼻や蟇股等の彫刻等、時代の特徴をよく表しています。

今回の工事概要について

 修理前の状況は前回修理から40年以上が経過し、屋根檜皮葺全体に腐朽、破損が生じており、塗装の剥落が生じていました。

 今回の修理事業では屋根檜皮葺の全面葺替とこれら破損個所の修理、また、耐震診断の結果に基づき耐震補強を行います。

檜皮葺について

 檜皮(ひわだ)葺とは、日本に古くから伝わる屋根葺の技法で、ヒノキの樹皮=檜皮を用いた屋根のことです。まず樹齢 80~100 年以上のヒノキの立木から檜皮を採取し、それを屋根に合わせて長さや幅を整えた後、等間隔に少しずつずらして小舞と呼ばれる屋根の下地に竹製の釘を打ち固定していきます。大滝神社本殿では、厚さ約 1.5mm、長さ約 75cm、幅は約 15cmの檜皮を1.2cmずつずらして重ねていく仕様となっています。
檜皮葺の屋根を葺く作業は地道で手間と技術を要しますが、瓦屋根と比べてやわらかい曲線を造り出すことができ、社寺建築の美しい屋根の形を造るために重要な伝統技法です。また、檜皮葺の技術は文化財を継承するうえで必要不可欠であることから、選定保存技術として伝承者育成が行われているほか、令和2年 12 月にはユネスコ無形文化遺産「伝統建築工匠の技:木造建造物を受け継ぐための伝統技術」の一つとして登録されました。

檜皮葺施工の様子
檜皮葺の施工の様子
お問い合わせ
文化スポーツ部 文化財保護課 建造物第一係
電話番号:077-528-4683
メールアドレス:[email protected]