滋賀県には約1300の城跡があり、安土城や彦根城といった巨大城郭から、小規模な城館や砦まで、バラエティに富んでいます。また、武士以外にも僧侶や百姓など、様々な人々が城を築いており、城は、滋賀の歴史や文化の特徴を色濃く反映した、滋賀ならではの歴史・文化遺産です。滋賀の城は、滋賀の魅力を伝える地域の宝として全国の人々から関心を寄せられており、多種多様な滋賀の城の魅力を広く発信していくことが求められています。
近江源氏佐々木氏は源頼朝の挙兵に参加し、源平合戦で活躍しました。その戦功により、近江の守護に任ぜられ、以後、織田信長によって近江を追われるまで400年近く、近江守護職を務めました。また、佐々木氏は鎌倉時代以降、六角氏や京極氏など多くの家に分かれ、近江各所を拠点として勢力を誇りました。近江各所に散った佐々木一族がそれぞれの拠点に城郭を築いた結果、滋賀県内には佐々木氏ゆかりの城跡が数多く残されています。
この連続講座では、滋賀の城の魅力を広く県内外に発信することを目的に、県内に残された佐々木氏ゆかりの城跡を探訪します。佐々木氏ゆかりの城跡をめぐり、近江の中世・戦国の痕跡をたどります。