事務局から資料1に基づき説明。
質疑応答
(部会長)
資料6ページに断面図があるが、全体的に理解していただくために説明を願いたい。
(事務局)
資料6ページは、地質状況の図である。右上の出っ張り、緑の部分が埋まっている廃棄物で、下の青い層が古琵琶湖層の粘土で、黄色の部分が砂になっている。上流から下流へ(北西から南東へ)の断面で、何層かの地下水がある。浸透水とは、廃棄物の中に溜まっている水を浸透水と言っている。地下水層は、何層かに分かれており、Ks1、Ks2と表している。廃棄物と地下水が不透水層で隔てられているように見えるが、アール・ディ社が深掘りをして、粘土層を掘ってしまっている部分があって、廃棄物と砂層が接している部分があり、廃棄物に溜まった水が地下水に流れ出ていて、下流地下水で先ほど説明した物質が検出される要因になっていると思われる。
(部会長)
今回、ボーリングするのは、どのぐらいの深さか。
(事務局)
廃棄物の一番深いところで20mぐらいあるが、一次対策ではもう少し上流で地表面から5mぐらい掘りたいと考えている。そこは地表面から地山まで15~16mぐらいあり、浸透水水位は地山から5mぐらいである。水位を測りながら安全なところまでしか掘らないということで進めていきたい。7ページに地下水位コンター図を示したが、北西に地下水は流れている。
(委員)
指標のひとつである硫化水素の発生源は、石膏ボードだと思っていたが、今回調査で、そのようなものは見つからなかったのか。
(事務局)
今回ボーリング調査では、見つかっていないが、硫化水素の原因の一つは石膏ボードと考える。
(委員)
再度発生することも考えられるので、一次対策で、ドラム缶の撤去だけではなく、そのようなものも積極的に対応すべきではないか。
(事務局)
現状では硫化水素濃度は下がっており、メタンガス濃度が上がっている。状態は変わってきているが、掘削時に注意していく。
(委員)
前回の硫化水素の濃度はどれぐらいか。地下水の帯水層の厚さはどれぐらいか。地下水の流れの速度はどれぐらいか。処理水は下水に投入しているのか、公共水域に放流しているのか。
(事務局)
硫化水素の濃度は、86.54ppm。帯水層は、7ページの水色の粘土層の下の黄色い部分で、5mぐらい。流速の正確なデータはなく、今後調べていく。処理水は下水に投入している。
(委員)
硫化水素のピーク値は、どのくらいか。
(事務局)
11年前は22,000ppmであった。今回とは違う井戸であった。
(部会長)
そのときは、外へ硫化水素が噴出し、臭っていたのか。
(事務局)
警報器が感知する状態であった。
(委員)
地下水の汚染がさらに進む恐れがあるということで、対策を講じるということだが、前の委員会の頃から2~3年の間で汚染が拡散しているというデータがあるのか。
(事務局)
一番下の調査地点ナンバー3でシス-1,2-ジクロロエチレンが0.005mg/l出ている。塩化ビニールモノマーが0.0025mg/l、1,4-ジオキサンが0.04mg/l出ている状況である。砒素、水銀は土壌との関連があるので、もう少し調査が必要と考えている。
(委員)
今回の対策でどの程度、浸透水の水位が下がると想定しているのか。
(事務局)
浸透水の水位については、日100tレベルであまり下がるとは思えず、現状維持程度。
(委員)
井戸のどの深さで吸い上げるかは決まっているのか。
(事務局)
今の3本以外で効果的なところを検討する。
(部会長)
透水係数は調べているのか。
(事務局)
砂層で10の-3乗ぐらい。粘土層は10の-7乗から-9乗ぐらい。単位はcm/secである。
(委員)
処分場は、運んできたものを次から次へと積み重ねてきたと思われるので、横には、まったく違う有害物質が入っていると考えられる。今見つかったものに対する対策をまずしましょう、次に違うものが見つかったら次にまた対策をしましょうということになるのか。全体的な考え方はどうか。
(事務局)
基本的には30mメッシュでボーリング調査によるコア分析で全体把握しているが、表層に非常に濃いものがあった部分、証言によるドラム缶を埋めたところをまず実施したい。
引き続き全体の対策をたて、残る部分を次の段階で実施したい。
(委員)
廃棄物を規則正しく埋めていけば対策出来るが、空いたところに適当に埋め込んでいたとすれば、あちこちに有害物質があることが懸念される。ドラム缶に入っているものは、有害性が高いということが基本にあるのか。
(事務局)
かなりの数のドラム缶が調査で見つかっているが、タールや砥石などで、今までは緊急性のあるものは結果としては見つかっていない。しかし、搬入状況からみると、VOCが入ったドラム缶が搬入された記録があり、これが焼却炉で焼かれずに埋め立てられた可能性がある。
(部会長)
30mメッシュでおかしなものが見つかれば、10mメッシュでやるということか。
(事務局)
30mメッシュで全体を把握するというのは、全国的にも密な調査である。見つかったところは周りに広がっている可能性があるので、10mメッシュでこれからやる。
(委員)
ボーリング調査と並行し、電磁探査もするのか。
(事務局)
これからの検討になるが、電気探査を縦横で行いたいと考えている。加えて場内の浸透水、地下水の分析等を含め全体的な把握を行う。
(委員)
ボーリングは、当たりはずれがあるので、面で捕まえられる探査方法を併用しないと。
38ページのモニタリング項目で水量と水位の関係をきちんとしたほうがよい。
(事務局)
浸透水の水位は定期的に測っており、あまり変動はないと考えているが、雨が降って一時的にあがるような変動はわからないので、委員からの助言で常時監視をするよう準備を進めている。
(委員)
掘削したものの行き先は。
(事務局)
出すものは16ページの表1にあるようなものであり、これらは中間処理能力のある処理施設へ搬出するが、有害性のないものについては、二次対策がかなりの掘削になると考えられるので、これらと併せて分別し効率的に処理する。
(部会長)
処理計画は委託先等、具体的に書く必要はないのか。
(事務局)
そこまではいらない。
(部会長)
順番に、ご意見をお伺いしたい。
(委員)
今、放射能の問題もあり、このような汚染廃棄物や土壌がどのように処理されるか心配だ。
(委員)
38ページのモニタリングだが、周辺河川、水路のモニタリングをやったほうがよい。何が入っているかわからないドラム缶の処理をどこでやるのか、周辺の環境調査も含めやったほうがよい。
(事務局)
粘土層の下の地下水が問題であり、表面水に影響はない。したがって、下流の川での調査は計画していない。ただ、処分場直下の池の調査は継続する。
持ち出したものの処理は、中間処理を加え、埋め立て基準に合致させたうえで埋め立てる。
(委員)
周辺の7自治会からの意見はあったか。
(事務局)
資料の24ページにあるが、何度も話をし、住民が不安に感じている項目を盛り込んで協定を締結している。生活環境に支障が出ないようにやってください等の意見を反映させた。
(委員)
ボーリング調査だけでは全体が把握しづらい。面的調査も含め、新しい調査技術もあるので、効果的かつ正確に進められたい。
(委員)
土は場外へ、以外は場内に仮置きするのか。
(事務局)
一次対策で仮置きしたものについては、二次対策で大型の選別機を導入したりして、二次対策で出るものと併せ、効率的に処理を行う。掘り出した廃棄物は埋め戻せないので持ち出して適正に処理する。
(委員)
この問題が発生してから、10年ぐらい経つが、周辺の方の体に影響が出たとかいうことはないのか。周りに田んぼや畑があるなら、土壌、水、小学生が遊んだりする川での影響はどうか。
(事務局)
下流では地下水を利用しないということを栗東市と共同で広報している。下流の池で調査しているが、影響は出ていない。周辺での健康被害の情報もない。
(委員)
一次対策で汚い浸透水を取ろうということなら、浸透水を出来るだけ集め、そこから汲み上げると洗浄効率も高まり、処理能力いっぱいまで水を上げることが出来るし良いのではないかと思う。後の対策工事の負荷を下げることにもなり、二次対策工事の事前対策にもなる。
(事務局)
どこで水を汲み上げるかは、まだ検討中であり、ご意見を参考にさせていただきたい。
(委員)
実際は、提案された計画でやっていかざるを得ないかと考えるが、同様の事例を経験した他の自治体の解決の方法も参考に、より良い対策を講じられたい。豊島のように全量持ち出しはできないであろうが、住んでいる人たちにはそれが理想的だ。より良い方法を検討できればと考える。
(委員)
10年以上経っているが、現在は、上にシートとかをかぶせてあるのか。
(事務局)
掘り返したところは、シートをかぶせてある。
中心部分の覆土が薄く十分でない部分があり、対策が急がれるところである。最終的にはしっかりと覆土をしていく。
(委員)
地下のドラム缶は10~20年前に埋められており、腐食している可能性がある。中身が拡散しないよう回収してほしい。
(事務局)
ドラム缶から液状廃棄物が漏れ出した場合の緊急対応も業者と検討する。
(部会長)
今日の意見をまとめて、意見書案を作成するが、後ほど意見があれば9日までに事務局に連絡願いたい。欠席委員にも書面で伺う。