平成21年3月30日(月曜日)
厚生会館別館4階大会議室
占部委員、大塚委員、遠藤委員、笠原委員、川地委員、木下委員(代理細川氏)、高坂委員、坂本委員、中村委員、松井委員、諸富委員、和田委員(順不同)
西嶋琵琶湖環境部長
議題1 第2次滋賀県廃棄物処理計画の進捗状況について
○質疑応答
(和田委員)
リサイクル率が95.9%とか92.7%とか高い市町について説明願いたい。マイカップ自販機について説明願いたい。スカイパトロールの年4回は目視だけなのか。航空時間はどれぐらいで、どれくらいの対象を見ているのか。
(事務局)
高率のリサイクル率については、可燃ごみを燃料化するRDF化施設であるリバースセンターが旧湖東町にあり、構成する市町については可燃ごみを燃料化していることから、高くなっている。マイカップ自販機については、紙コップではなく自分が普段使っているコップを置けば、後で10円が返ってくるという装置。スカイパトロールは、県の防災ヘリを使って年3回、県警のヘリを使って1回実施。目視とあわせて写真撮影を行っている。いろんな角度から撮り、その後の現場の状況変化を年次的にとらえられるように保存している。航空時間はヘリの燃料との関係があり60分から90分。回っている件数は、時間内で全県の写真を撮ると言うことであり、重要な案件を中心に1フライト当たり15程度に絞って年間の推移をみているところである。
(坂本委員)
市町別のリサイクル率は10%から90%までばらつきがある。市町によって分別の仕方もばらばらであることから、分別の仕方によっても数字にばらつきがあるのか。
(事務局)
県内の分別の状況であるが、容器包装リサイクル法に基づいて具体的な分別は進んでいる。無色ガラス、茶色ガラス、その他ガラス、ペットボトル、紙類、プラステック製容器包装、白色トレイ、スチールアルミ、紙パック、段ボールといったところ。紙類やプラステック製容器包装は分別しているところとしていないところに分かれるが、それ以外は26市町すべてやっている。大枠でいくと区分が大きく異なる状況ではない。こうしたもの以外のごみを燃やすかRDF化するかで、これだけの差がでている。
(川地委員)
県内ではごみ処理の有料化がどれだけ進んでいるのか。下水道汚泥の資源化率が100%となっているが、実際に全て有効利用されているのか、どこかに積まれているのか。
(事務局)
有料化については、大津市が大型ごみはすでに有料化されており、一般ごみは審議会に諮問中、草津市、守山市、彦根市などでも検討が進められている。また、湖北広域行政事務センターで、ゴミ袋1リットル1円レベルでの有料化が昨年の10月からスタートしている。県内ほぼ一円で取組が進められている。
(事務局)
スラグの利用状況は、発生量以上にリサイクルに使われている状況であり、コンクリートの材料の中に混ぜて、縁石などの製品が作られている。また、下水道管の埋め戻し材に19年度使った。20年度は舗装の下の路盤材として、再生砕石に混ぜて使っている。
(川地委員)
正味の100%ですか。
(事務局)
そのとおりですが、現実的には、ストックがゼロということではない。昨年の4月には湖南の浄化センターには約8千トンあったが、今現在では5千トンとなっており、ストックも徐々に減っている状況。
(占部部会長)
下水道汚泥はほとんどスラグとして利用されていると理解してよいか。
(事務局)
スラグや汚泥そのものをセメント化している面もある。
(笠原委員)
資料1の一般廃棄物の平成22年度の目標値は47万トンで産業廃棄物の平成22年度の目標は403万トンとなっている。一方でパンフレット3頁、4頁の予測値は一般廃棄物で22年度48万トン、産業廃棄物で22年度414万トンとなっており、予測値はこうだが目標としては目標値を採用するという考え方なのか。
(事務局)
パンフレットの予測値は減量の取組を講じなかったとしたときの数値であり、一般廃棄物の48万トンは、策定当時の原単位のトレンドから積算、産業廃棄物も業種ごとの排出量のトレンドを積算すると414万トンとなる。施策を進めることにより資料1の目標値の設定となるもの。
(占部部会長)
パンフレットには注意書きがあったほうがよい。今後注意していただきたい。
(遠藤委員)
19年度の速報値、20年度は違った数値がでてくるのでは。景気が悪化しており、廃棄物の量が不況に背中を押されて目標が達成されやすい状況にある。廃棄物にとっては非常に歓迎される社会状況。急に回復した場合は、この目標値にはならないのではないかと予測される。大津市の一般廃棄物の中で有料化がかなり進んでおり、ごみ処理業者さんが一般家庭を回って、お宅はごみが多いので有償でとらさせていただきましょうかという交渉がある。いくらか値段交渉をはじめるとかなり高いが。何をいれてもよいので1ヶ月これだけ払ってくださいというような話しがある。何をいれてもよいとのこと。そういう現状で今も行われている。指導されたらどうか。
また、周囲を見回すと不況で売り家が出ている。古家を何とかしたいが、不況でお金がないので、買った人もつぶすことができない。そういう現状がいっぱいある。状況がよくなると、一斉に古家がつぶれて、産業廃棄物となって出てくる。そういう面でもかなり数字が違ってくるのではないかと思う。
有料化について、ごみの業者さんとの連携というか、せっかく一般の家庭が一生懸命分別しても、方やお金を出せば何でもいれてもよいという何でもありという状況では、一般の家庭に申し訳ないという感じだが、そのへんのところはどうか。
(事務局)
一般廃棄物の所管の各市で、そのような事象を把握し認知しているのかどうか、了解した取組であるのかどうかという話しであり、そのようなご質問があれば、まずは各市で指示を仰いで対応して下さいと申し上げているところである。
(遠藤委員)
実は家庭用ごみとして長年だしていた。ある日突然収集に残されて行ってしまった。残っていると市役所に連絡したが、「わかりました。次の日に収集に行きます」という返事だったが、すかさずごみの業者が来られ、大津市とごみの業者の関係を疑問視した。いくらと聞いたら、これこれでかなり勉強します。そのかわり何を入れてもらってもよいとのことだった。これが町の中で行われている現状。このようなことも把握していただいたほうがよいと思った。
(事務局)
ただいまの件については、大津市の委託業者、許可業者ではなく、便利屋さんとしてまちを回っている業者ではないかと思う。県では詳細はつかんでいないので、大津市に伝えて、対応について答えさせていただきたい。
(森川委員)
資料2の12番で生ゴミ資源化への支援で2市で採択されたとあり、23番で4施設が整備されたとあるが、具体的にはどのような数字で整備されているのか、次回に報告願いたい。
(事務局)
次回に報告する。
(笠原委員)
産廃の19年度の総排出量4,043千トンの半分以上が汚泥だが、脱水後の汚泥が5分の1ぐらいになっている。産廃として最終的に処分しないといけないのは、脱水後のものか。
(事務局)
産廃としては脱水後の状態で、ほとんどが事業所内で脱水される。
(笠原委員)
食品リサイクル法ができて、米国では食べ残しを持って帰るのが当たり前になっているが、日本では根付いていない。コンビニでは弁当なんか期限がくればほかしている。それがまた収入につながっているという構造があるが、食品に対するリサイクルは、非常に無駄が、つくるのにいろいろな食材やエネルギーを使い、またそれを廃棄するのにエネルギーを使うという状況であるが、そのへんの取り組みは何かされているのか。
(事務局)
食品リサイクル法については、経済産業省等の所管。食料品製造業からでてくる産廃や一般家庭から出てくる生ごみはつかんでいるが、飲食店から出てくる生ごみ、コンビニの残飯とかについては食品リサイクル法で有効利用が設定されている。今回の集計結果は、一般廃棄物でいうと、市町が処理しなければならない部分をまとめたものであり、事業場からリサイクルにまわったものは、カウントされていない。排出量が減ってきているのは、食品リサイクル法なり、家電リサイクル法といったリサイクル関連法令によって、リサイクルが進捗した効果もあると考えている。
(松井委員)
パンフレットで、そもそも資源循環型社会にしなければならない理由が書かれていないのでは。例えば、P1の策定にあたってのところで、気温上昇による異常気象という言葉は載っているが、地球上で気温上昇しようが異常気象になろうが構わないことで、それが我々の生活に影響するからそれが問題になる。現時点で既に気温上昇とかで影響がでている方がおられる、あるいはほっておけばいくつかの国がなくなるとか、それを防ぐために循環型にしなければいけないという、もっと高次の視点から書かれていることが重要ではないか。
(事務局)
一番根本になるのは環境総合計画であり、現在策定の途中であり、この審議会の企画部会で議論いただいているが、その中で、そういった基盤的な部分をおさえている。その上に廃棄物とか水とか、いろんな部分がのっている。
廃棄物については、国も循環型社会推進基本計画を昨年まとめたところであり、次期の計画をつくるときには、そういった視点をおさえたうえで策定していきたい。
(松井委員)
行政は、法律とか計画ができた段階で、それが目的になってしまって、本来の目的をみないで、施策をつくったりしている。そうなってうまくいく場合もあるが、一般廃棄物に関してはそれだけですまない面のほうが多いのではないか。計画はこうだからこうですよということではなく、これだけの被害を起こしているから、あるいは影響が将来、現在含めて起こるから、こうなんだという説明をどこかにいれておかないと、国がこう言っているからつくりましたことでは、なかなか一般住民の方に理解がえられないのではという気がする。
(事務局)
そういうご意見を踏まえてパンフレットは考えさせていただきたい。
(中村委員)
資料1のリサイクル率で湖東の4町は高い率。リバースセンターが発足した当時見学に行ったが、その直後、ダイオキシン問題がクローズアップしていて、燃料には向かないということも検討されていた。燃料に使った場合に、焼却施設としてはダイオキシン対策を図られているところに使われているのかどうか。
(事務局)
聞いているところでは、自動車工場のボイラーの燃料として使われていた。現状は製紙工場にかわっていると聞いている。ダイオキシンについては燃やす「モノ」ではなく、「燃やし方」が問題であり、高温で燃やし、即座に冷却すれば大気中への拡散については問題ないと理解している。
(占部部会長)
「リサイクルねっとしが」をインターネットでみているが、取引事例がでていないようだが、これを活用するのも必要。できて間もないが。
(事務局)
廃棄物の特性かと思うが、匿名性を求められており、現実にはすでにマッチングされ資源として使われているが、排出事業者から名前を出さないでくれという案件があり、何件か把握している。今後の運営の中で匿名性でも出せるようにしていきたい。
(占部部会長)
件数だけでもあげていればいいのでは。
(占部部会長)
不況の中で影響があるのではないかということだが、短期的には資源化でまわってきたものが値段が安くなって資源化率が下がっていくこともあろうか思われるが、長期的に見るとこれまでの社会を見直しするというのが、現在の経済不況の持つもうひとつの意味。産業構造とかライフスタイルそのものを新しい形に変えていかなければならないということで、短期、長期をみながら、目の前のことに惑わされずに新しい社会の仕組みを目指していく。初めての経験で対応が難しいが、行政の役割も大きくなるので、行政の意識の問題として頭の中に入れて検討いただきたい。
(遠藤委員)
資源循環社会を目指してということで、目標を達成すればすばらしい世の中になる。ごみがすべて何かに生まれ変わってということで、理想ですばらしい世の中になると思うが、産廃業者の「物がない」との悲鳴が上がっている。それで生活している業者、従業員、会社の社長がかなりおられる。いずれ仕事がなくなり廃業、倒産となるかもしれない。それも認識しておいたほうがよいのでは。
議題2 RD最終処分場問題の経過と概要について
○質疑応答
(諸富委員)
原位置での浄化では理解がえられないというのは、汚染の心配があるということか。A-2案の全量撤去案が対策委員会では進められたが撤回されたことの経緯は。
(事務局)
有害物、何が埋めてあるかわからないという不安が大きいということ。有害物を出してほしいというのが周辺自治会の気持ちであり、原位置浄化策を支持していただけなかった理由。A-2案は240億円かかるが、県はあくまで代執行でやりたい。代執行でやるには、効果的で合理的な対策でないと、国からの支援が得られない。45億円金をかけることにより、外への生活環境保全上の支障は取り除ける自信は持っているが、そういうもの以外で240億円、400億円かかるものに県としては手が出せない。対策委員会では8人がA-2案を支持し、7人が原位置浄化策を支持していただき、数としては8対7だが、対策委員会の答申としてはA-2案という形になっている。最近では粘土層修復案が住民のひとつの大きな声になっている。これは50億円ほどでできるということもあり、今後、中立的な第三者に意見をいただいて中身を詰めていきたい。
(諸富委員)
代執行ということで、本来原因者が自らするものを県が行うということだが、本来は原因者に請求するものであるが、破綻されて請求できない。費用負担は最終的にどうなるのか。
(事務局)
最終的には県の負担になる可能性が強い。県が行ううちの45%については産廃特措法で支援がいただける。県は55%以上を県が負担することになる。ただ排出事業者も約12000社承知しているので、排出事業者にも確認をし、引き続き役員等についても調査をしていく中で、少しでもお金が入るようにしていきたい。
(諸富委員)
粘土層修復案が住民に支持されている理由は。
(事務局)
対策委員会の中では約90億円かかるということだが、金がかかるのは困ると言うことで、55億円案、それから栗東市の調査委員会でも粘土層修復案というものを支持される委員もいたことから、そういうことで住民も支持されているのではないかと思われる。
(諸富委員)
原案としてはD案か。
(事務局)
「よりよい原位置浄化策」ということで、県が土地までとってしまうということで責任を果たすという意味での「よりよい原位置浄化策」について、現在、周辺自治会に同意をもらっているということ。
(占部部会長)
今後の対応で中立的な第三者とあるが、どういうイメージで考えているのか。絵に描いた餅ではなく、人選含めて慎重に対応するべきと思われるが。
(事務局)
県が過去に対策委員会をつくった。こういう委員会では住民から反発される。自治会と十分話しした上で中立的第三者を決めていかないと、県だけが決めて強引にやっていくのはなかなかできない。どのような話しをするのかも含めて住民、自治会と話し合いをした上で、中立的第三者をどういうものにしていこうかと、そこから議論をしていく必要があると思っている。
(占部部会長)
そういうスタンスで慎重にお願いしたい。
議題3クリーンセンター滋賀について
○質疑応答
(川地委員)
受入廃棄物の中に有機汚泥が多く、そこに廃石膏ボードがある。先程のRDの硫化水素の問題も廃石膏ボードが原因ではないかと思っているが、ここの処分場ではそのようなことが起きない手当をしているのか。
(事務局)
石膏ボードと有機汚泥が触れると硫化水素が発生するということで、法律が改正されて、石膏ボードは管理型に限られた。管理型でも混ぜて処分すると発生するので、区域を分けて埋め立てるとともに、その間には廃プラ等のものを置き、ひっつくことのないようにやっている。排水処理施設も設けており、水がたまることなくしており、発生しないように対応している。
(事務局)
補足だが、石膏ボードはそれ自体にのりがついていて、のり自体が有機物のもとになるので、水につかっていると硫化水素が発生する。ですから管理型処分場に埋めなければならないことになった。こちらの処分場では水につけない状態、準好気性処分場ということで、硫化水素の発生については問題なく安全である。
(占部部会長)
モニタリングはされているか。
(事務局)
臭気濃度測定の項目の中に入っており、やっている。
(諸富委員)
公社形態でやっているのは独立採算でやっているということであるが、競争力を高めるためにということだが、民間の処分業者との競争があって、全般的に受入実績が低下傾向にあって、収入が減少していくという懸念がある。収入や受入状況などもう少し長期的な先の見通しは。
(事務局)
経営見通しについては、1年前に説明したが、先程の産業廃棄物の動向にもあったように、最終処分量が思っていた以上に急激に減少しており、当初は100万トン規模で15年間で埋め立てるということで、年間6万7千トンを埋め立てる規模のものであったが、県で発生した量が10万3千トンまで落ちてきており、廃棄物ごとに行き先を推計すると、2万トンぐらいが上限ではないかということで、開業する前から経営的には成り立たないという状況であり、施設の建設に伴う借金の元利償還金等について県から出捐金として支援している。経営的な経費は約4億数千万円かかるが、これを処分料金収入で賄えないかと営業にがんばっていただいている。価格については、高い方が収入が多いが、近畿の場合はフェニックス、あるいは三重におおきな民間の最終処分場があり、そのへんとの兼ね合いで、ある程度こちらにいれてメリットがあるという動きがでるような価格設定が必要であるが、20年度の価格では営業実績からみると入りづらいというのがあったので、実績を勘案しながら21年度の単価を設定させていただいた。管理を要する残土は廃棄物ではなく、量を見込むのは難しいが、こういうものを適正に処理するという方針のもとに、これらを入れながら維持管理費をなんとかペイしたいと考えている。
(占部部会長)
厳しい状況ではあるが経営努力も必要。
議題4産業廃棄物の適正処理の推進に関する要綱について
○質疑応答
(川地委員)
県内に立入りの対象になる業者なり施設はどれだけあるのか。
(事務局)
施設数ですと4月から大津市がなくなるが、三百数十の施設に対して全て立ち入ると考えている。
(諸富委員)
要綱をさだめられた契機というのは、RDの問題もあって、そこで何らかの対応の反省があってか。
(事務局)
当然RD問題も踏まえて、それと全国的な社会問題として産業廃棄物の適正処理が言われているが、今まで内規という形で一定やっているが、県としてこういう形でやりますよということで示したことがなかったので、県の姿勢を明確にするため今回策定したものである。
(占部部会長)
滋賀県が率先してやるということなので、期待している。
○質疑応答
(和田委員)
リサイクル率が95.9%とか92.7%とか高い市町について説明願いたい。マイカップ自販機について説明願いたい。スカイパトロールの年4回は目視だけなのか。航空時間はどれぐらいで、どれくらいの対象を見ているのか。
(事務局)
高率のリサイクル率については、可燃ごみを燃料化するRDF化施設であるリバースセンターが旧湖東町にあり、構成する市町については可燃ごみを燃料化していることから、高くなっている。マイカップ自販機については、紙コップではなく自分が普段使っているコップを置けば、後で10円が返ってくるという装置。スカイパトロールは、県の防災ヘリを使って年3回、県警のヘリを使って1回実施。目視とあわせて写真撮影を行っている。いろんな角度から撮り、その後の現場の状況変化を年次的にとらえられるように保存している。航空時間はヘリの燃料との関係があり60分から90分。回っている件数は、時間内で全県の写真を撮ると言うことであり、重要な案件を中心に1フライト当たり15程度に絞って年間の推移をみているところである。
(坂本委員)
市町別のリサイクル率は10%から90%までばらつきがある。市町によって分別の仕方もばらばらであることから、分別の仕方によっても数字にばらつきがあるのか。
(事務局)
県内の分別の状況であるが、容器包装リサイクル法に基づいて具体的な分別は進んでいる。無色ガラス、茶色ガラス、その他ガラス、ペットボトル、紙類、プラステック製容器包装、白色トレイ、スチールアルミ、紙パック、段ボールといったところ。紙類やプラステック製容器包装は分別しているところとしていないところに分かれるが、それ以外は26市町すべてやっている。大枠でいくと区分が大きく異なる状況ではない。こうしたもの以外のごみを燃やすかRDF化するかで、これだけの差がでている。
(川地委員)
県内ではごみ処理の有料化がどれだけ進んでいるのか。下水道汚泥の資源化率が100%となっているが、実際に全て有効利用されているのか、どこかに積まれているのか。
(事務局)
有料化については、大津市が大型ごみはすでに有料化されており、一般ごみは審議会に諮問中、草津市、守山市、彦根市などでも検討が進められている。また、湖北広域行政事務センターで、ゴミ袋1リットル1円レベルでの有料化が昨年の10月からスタートしている。県内ほぼ一円で取組が進められている。
(事務局)
スラグの利用状況は、発生量以上にリサイクルに使われている状況であり、コンクリートの材料の中に混ぜて、縁石などの製品が作られている。また、下水道管の埋め戻し材に19年度使った。20年度は舗装の下の路盤材として、再生砕石に混ぜて使っている。
(川地委員)
正味の100%ですか。
(事務局)
そのとおりですが、現実的には、ストックがゼロということではない。昨年の4月には湖南の浄化センターには約8千トンあったが、今現在では5千トンとなっており、ストックも徐々に減っている状況。
(占部部会長)
下水道汚泥はほとんどスラグとして利用されていると理解してよいか。
(事務局)
スラグや汚泥そのものをセメント化している面もある。
(笠原委員)
資料1の一般廃棄物の平成22年度の目標値は47万トンで産業廃棄物の平成22年度の目標は403万トンとなっている。一方でパンフレット3頁、4頁の予測値は一般廃棄物で22年度48万トン、産業廃棄物で22年度414万トンとなっており、予測値はこうだが目標としては目標値を採用するという考え方なのか。
(事務局)
パンフレットの予測値は減量の取組を講じなかったとしたときの数値であり、一般廃棄物の48万トンは、策定当時の原単位のトレンドから積算、産業廃棄物も業種ごとの排出量のトレンドを積算すると414万トンとなる。施策を進めることにより資料1の目標値の設定となるもの。
(占部部会長)
パンフレットには注意書きがあったほうがよい。今後注意していただきたい。
(遠藤委員)
19年度の速報値、20年度は違った数値がでてくるのでは。景気が悪化しており、廃棄物の量が不況に背中を押されて目標が達成されやすい状況にある。廃棄物にとっては非常に歓迎される社会状況。急に回復した場合は、この目標値にはならないのではないかと予測される。大津市の一般廃棄物の中で有料化がかなり進んでおり、ごみ処理業者さんが一般家庭を回って、お宅はごみが多いので有償でとらさせていただきましょうかという交渉がある。いくらか値段交渉をはじめるとかなり高いが。何をいれてもよいので1ヶ月これだけ払ってくださいというような話しがある。何をいれてもよいとのこと。そういう現状で今も行われている。指導されたらどうか。
また、周囲を見回すと不況で売り家が出ている。古家を何とかしたいが、不況でお金がないので、買った人もつぶすことができない。そういう現状がいっぱいある。状況がよくなると、一斉に古家がつぶれて、産業廃棄物となって出てくる。そういう面でもかなり数字が違ってくるのではないかと思う。
有料化について、ごみの業者さんとの連携というか、せっかく一般の家庭が一生懸命分別しても、方やお金を出せば何でもいれてもよいという何でもありという状況では、一般の家庭に申し訳ないという感じだが、そのへんのところはどうか。
(事務局)
一般廃棄物の所管の各市で、そのような事象を把握し認知しているのかどうか、了解した取組であるのかどうかという話しであり、そのようなご質問があれば、まずは各市で指示を仰いで対応して下さいと申し上げているところである。
(遠藤委員)
実は家庭用ごみとして長年だしていた。ある日突然収集に残されて行ってしまった。残っていると市役所に連絡したが、「わかりました。次の日に収集に行きます」という返事だったが、すかさずごみの業者が来られ、大津市とごみの業者の関係を疑問視した。いくらと聞いたら、これこれでかなり勉強します。そのかわり何を入れてもらってもよいとのことだった。これが町の中で行われている現状。このようなことも把握していただいたほうがよいと思った。
(事務局)
ただいまの件については、大津市の委託業者、許可業者ではなく、便利屋さんとしてまちを回っている業者ではないかと思う。県では詳細はつかんでいないので、大津市に伝えて、対応について答えさせていただきたい。
(森川委員)
資料2の12番で生ゴミ資源化への支援で2市で採択されたとあり、23番で4施設が整備されたとあるが、具体的にはどのような数字で整備されているのか、次回に報告願いたい。
(事務局)
次回に報告する。
(笠原委員)
産廃の19年度の総排出量4,043千トンの半分以上が汚泥だが、脱水後の汚泥が5分の1ぐらいになっている。産廃として最終的に処分しないといけないのは、脱水後のものか。
(事務局)
産廃としては脱水後の状態で、ほとんどが事業所内で脱水される。
(笠原委員)
食品リサイクル法ができて、米国では食べ残しを持って帰るのが当たり前になっているが、日本では根付いていない。コンビニでは弁当なんか期限がくればほかしている。それがまた収入につながっているという構造があるが、食品に対するリサイクルは、非常に無駄が、つくるのにいろいろな食材やエネルギーを使い、またそれを廃棄するのにエネルギーを使うという状況であるが、そのへんの取り組みは何かされているのか。
(事務局)
食品リサイクル法については、経済産業省等の所管。食料品製造業からでてくる産廃や一般家庭から出てくる生ごみはつかんでいるが、飲食店から出てくる生ごみ、コンビニの残飯とかについては食品リサイクル法で有効利用が設定されている。今回の集計結果は、一般廃棄物でいうと、市町が処理しなければならない部分をまとめたものであり、事業場からリサイクルにまわったものは、カウントされていない。排出量が減ってきているのは、食品リサイクル法なり、家電リサイクル法といったリサイクル関連法令によって、リサイクルが進捗した効果もあると考えている。
(松井委員)
パンフレットで、そもそも資源循環型社会にしなければならない理由が書かれていないのでは。例えば、P1の策定にあたってのところで、気温上昇による異常気象という言葉は載っているが、地球上で気温上昇しようが異常気象になろうが構わないことで、それが我々の生活に影響するからそれが問題になる。現時点で既に気温上昇とかで影響がでている方がおられる、あるいはほっておけばいくつかの国がなくなるとか、それを防ぐために循環型にしなければいけないという、もっと高次の視点から書かれていることが重要ではないか。
(事務局)
一番根本になるのは環境総合計画であり、現在策定の途中であり、この審議会の企画部会で議論いただいているが、その中で、そういった基盤的な部分をおさえている。その上に廃棄物とか水とか、いろんな部分がのっている。
廃棄物については、国も循環型社会推進基本計画を昨年まとめたところであり、次期の計画をつくるときには、そういった視点をおさえたうえで策定していきたい。
(松井委員)
行政は、法律とか計画ができた段階で、それが目的になってしまって、本来の目的をみないで、施策をつくったりしている。そうなってうまくいく場合もあるが、一般廃棄物に関してはそれだけですまない面のほうが多いのではないか。計画はこうだからこうですよということではなく、これだけの被害を起こしているから、あるいは影響が将来、現在含めて起こるから、こうなんだという説明をどこかにいれておかないと、国がこう言っているからつくりましたことでは、なかなか一般住民の方に理解がえられないのではという気がする。
(事務局)
そういうご意見を踏まえてパンフレットは考えさせていただきたい。
(中村委員)
資料1のリサイクル率で湖東の4町は高い率。リバースセンターが発足した当時見学に行ったが、その直後、ダイオキシン問題がクローズアップしていて、燃料には向かないということも検討されていた。燃料に使った場合に、焼却施設としてはダイオキシン対策を図られているところに使われているのかどうか。
(事務局)
聞いているところでは、自動車工場のボイラーの燃料として使われていた。現状は製紙工場にかわっていると聞いている。ダイオキシンについては燃やす「モノ」ではなく、「燃やし方」が問題であり、高温で燃やし、即座に冷却すれば大気中への拡散については問題ないと理解している。
(占部部会長)
「リサイクルねっとしが」をインターネットでみているが、取引事例がでていないようだが、これを活用するのも必要。できて間もないが。
(事務局)
廃棄物の特性かと思うが、匿名性を求められており、現実にはすでにマッチングされ資源として使われているが、排出事業者から名前を出さないでくれという案件があり、何件か把握している。今後の運営の中で匿名性でも出せるようにしていきたい。
(占部部会長)
件数だけでもあげていればいいのでは。
(占部部会長)
不況の中で影響があるのではないかということだが、短期的には資源化でまわってきたものが値段が安くなって資源化率が下がっていくこともあろうか思われるが、長期的に見るとこれまでの社会を見直しするというのが、現在の経済不況の持つもうひとつの意味。産業構造とかライフスタイルそのものを新しい形に変えていかなければならないということで、短期、長期をみながら、目の前のことに惑わされずに新しい社会の仕組みを目指していく。初めての経験で対応が難しいが、行政の役割も大きくなるので、行政の意識の問題として頭の中に入れて検討いただきたい。
(遠藤委員)
資源循環社会を目指してということで、目標を達成すればすばらしい世の中になる。ごみがすべて何かに生まれ変わってということで、理想ですばらしい世の中になると思うが、産廃業者の「物がない」との悲鳴が上がっている。それで生活している業者、従業員、会社の社長がかなりおられる。いずれ仕事がなくなり廃業、倒産となるかもしれない。それも認識しておいたほうがよいのでは。
○質疑応答
(諸富委員)
原位置での浄化では理解がえられないというのは、汚染の心配があるということか。A-2案の全量撤去案が対策委員会では進められたが撤回されたことの経緯は。
(事務局)
有害物、何が埋めてあるかわからないという不安が大きいということ。有害物を出してほしいというのが周辺自治会の気持ちであり、原位置浄化策を支持していただけなかった理由。A-2案は240億円かかるが、県はあくまで代執行でやりたい。代執行でやるには、効果的で合理的な対策でないと、国からの支援が得られない。45億円金をかけることにより、外への生活環境保全上の支障は取り除ける自信は持っているが、そういうもの以外で240億円、400億円かかるものに県としては手が出せない。対策委員会では8人がA-2案を支持し、7人が原位置浄化策を支持していただき、数としては8対7だが、対策委員会の答申としてはA-2案という形になっている。最近では粘土層修復案が住民のひとつの大きな声になっている。これは50億円ほどでできるということもあり、今後、中立的な第三者に意見をいただいて中身を詰めていきたい。
(諸富委員)
代執行ということで、本来原因者が自らするものを県が行うということだが、本来は原因者に請求するものであるが、破綻されて請求できない。費用負担は最終的にどうなるのか。
(事務局)
最終的には県の負担になる可能性が強い。県が行ううちの45%については産廃特措法で支援がいただける。県は55%以上を県が負担することになる。ただ排出事業者も約12000社承知しているので、排出事業者にも確認をし、引き続き役員等についても調査をしていく中で、少しでもお金が入るようにしていきたい。
(諸富委員)
粘土層修復案が住民に支持されている理由は。
(事務局)
対策委員会の中では約90億円かかるということだが、金がかかるのは困ると言うことで、55億円案、それから栗東市の調査委員会でも粘土層修復案というものを支持される委員もいたことから、そういうことで住民も支持されているのではないかと思われる。
(諸富委員)
原案としてはD案か。
(事務局)
「よりよい原位置浄化策」ということで、県が土地までとってしまうということで責任を果たすという意味での「よりよい原位置浄化策」について、現在、周辺自治会に同意をもらっているということ。
(占部部会長)
今後の対応で中立的な第三者とあるが、どういうイメージで考えているのか。絵に描いた餅ではなく、人選含めて慎重に対応するべきと思われるが。
(事務局)
県が過去に対策委員会をつくった。こういう委員会では住民から反発される。自治会と十分話しした上で中立的第三者を決めていかないと、県だけが決めて強引にやっていくのはなかなかできない。どのような話しをするのかも含めて住民、自治会と話し合いをした上で、中立的第三者をどういうものにしていこうかと、そこから議論をしていく必要があると思っている。
(占部部会長)
そういうスタンスで慎重にお願いしたい。
○質疑応答
(川地委員)
受入廃棄物の中に有機汚泥が多く、そこに廃石膏ボードがある。先程のRDの硫化水素の問題も廃石膏ボードが原因ではないかと思っているが、ここの処分場ではそのようなことが起きない手当をしているのか。
(事務局)
石膏ボードと有機汚泥が触れると硫化水素が発生するということで、法律が改正されて、石膏ボードは管理型に限られた。管理型でも混ぜて処分すると発生するので、区域を分けて埋め立てるとともに、その間には廃プラ等のものを置き、ひっつくことのないようにやっている。排水処理施設も設けており、水がたまることなくしており、発生しないように対応している。
(事務局)
補足だが、石膏ボードはそれ自体にのりがついていて、のり自体が有機物のもとになるので、水につかっていると硫化水素が発生する。ですから管理型処分場に埋めなければならないことになった。こちらの処分場では水につけない状態、準好気性処分場ということで、硫化水素の発生については問題なく安全である。
(占部部会長)
モニタリングはされているか。
(事務局)
臭気濃度測定の項目の中に入っており、やっている。
(諸富委員)
公社形態でやっているのは独立採算でやっているということであるが、競争力を高めるためにということだが、民間の処分業者との競争があって、全般的に受入実績が低下傾向にあって、収入が減少していくという懸念がある。収入や受入状況などもう少し長期的な先の見通しは。
(事務局)
経営見通しについては、1年前に説明したが、先程の産業廃棄物の動向にもあったように、最終処分量が思っていた以上に急激に減少しており、当初は100万トン規模で15年間で埋め立てるということで、年間6万7千トンを埋め立てる規模のものであったが、県で発生した量が10万3千トンまで落ちてきており、廃棄物ごとに行き先を推計すると、2万トンぐらいが上限ではないかということで、開業する前から経営的には成り立たないという状況であり、施設の建設に伴う借金の元利償還金等について県から出捐金として支援している。経営的な経費は約4億数千万円かかるが、これを処分料金収入で賄えないかと営業にがんばっていただいている。価格については、高い方が収入が多いが、近畿の場合はフェニックス、あるいは三重におおきな民間の最終処分場があり、そのへんとの兼ね合いで、ある程度こちらにいれてメリットがあるという動きがでるような価格設定が必要であるが、20年度の価格では営業実績からみると入りづらいというのがあったので、実績を勘案しながら21年度の単価を設定させていただいた。管理を要する残土は廃棄物ではなく、量を見込むのは難しいが、こういうものを適正に処理するという方針のもとに、これらを入れながら維持管理費をなんとかペイしたいと考えている。
(占部部会長)
厳しい状況ではあるが経営努力も必要。
○質疑応答
(川地委員)
県内に立入りの対象になる業者なり施設はどれだけあるのか。
(事務局)
施設数ですと4月から大津市がなくなるが、三百数十の施設に対して全て立ち入ると考えている。
(諸富委員)
要綱をさだめられた契機というのは、RDの問題もあって、そこで何らかの対応の反省があってか。
(事務局)
当然RD問題も踏まえて、それと全国的な社会問題として産業廃棄物の適正処理が言われているが、今まで内規という形で一定やっているが、県としてこういう形でやりますよということで示したことがなかったので、県の姿勢を明確にするため今回策定したものである。
(占部部会長)
滋賀県が率先してやるということなので、期待している。