平成20年3月27日(木曜日)
海東委員、笠原委員、川地委員、北村委員、坂本委員、中村委員、布村委員(代理中村氏)、山田委員
山仲琵琶湖環境部長
質疑応答
(海東委員)
平成19年度は石油やくず鉄も高騰しており資源化が加速している。 3月末には19年度第3四半期の推計値までは出ている。そういうものを元にしないといけない。大きい変化があるのに18年の数値だけを掌握しているということについてはどうかと思う。 22年度の目標数値にもう達していたりするものが中にはないか。
(事務局)
資源化率は一般廃棄物は約2割、産業廃棄物は約9割といった状況である。このデータの把握であるが、昨年の3月末までの状況をこの1年間に業者から数万におよぶデータを入手し、それを入力して分析する作業を伴うものであり1年間かかってしまう。全国的に見てもこの滋賀県のシステムは最も早い。さらにもう少し早くというのは手だてがないと いった状況である。
( 川地委員)
そのような事情であるが、速報値のレベルでなくても19年度についてはどんな具合であるか、前年度と比べてどうなのかといった程度は触れられてもいいかもしれない。数値としてはこれしかやむを得ないと思う。 一般廃棄物については、だいたいこの目標値というのは5カ年計画で作った数値か。一般廃棄物の方はだいたいどうなんでしょう。どこで見れば一番いいのか。計画どおりなのか。資源化率がちょっと悪いのか。 あと3年〜4年で何とかこの目標に向かっていくのか。産業廃棄物については18年度でだいたい達成したというようなことになっている。そういう風にご理解いただきたい。
(北村委員)
一般廃棄物の関係だが、可燃ごみの中にバイオごみが入っている。刈草や剪定枝、食生活の残渣とかをコンポスト化すると可燃ごみの量をかなり減らせる。また、農業の分野でも進められると思うが市町単独では進みにくい。たとえば地域や県内のエリア毎にそういった施設を、県と市町が出してそこで発生するバイオ性のものをすべてコンポスト化するというようなことはできないか。滋賀県の全地域が協力できたら変わるかなと思う。
(事務局)
昨年度一般廃棄物の減量化に取り組んだ。一つは堆肥化できそうな焦点を生ごみに絞ってこの問題をどうしていくのかということ。もう一つは事業系の一般廃棄物をどう減らしていくかが大きい課題と考えている。昨年度、生ごみと事業系の一廃に絞って問題意識を持っておられるおよそ15市町の方々にお集まりいただき、どういう形で有効活用、減量化を進めていくのか検討をさせていただいた。まもなく報告書ができる予定である。一般廃棄物は市町の責任であり、県としては各市町で減量化や有効活用をやっていただきたい思いの中で検討会をさせていただいた。
(山田委員)
汚泥が増加しているという話だが、下水道は汚泥が出ないような方向という動きもあると思うがそのあたりはいかがか。
(山田委員)
汚泥を脱水したのを溶融して減量化するという話を聞きます。下水道ではやっておられる処理センターもありますね。
(事務局)
溶融施設が整備されている。下水道の部局の職員から説明させていただく。
(下水道課)
滋賀県の下水道の汚泥処理方式は、主として濃縮、脱水して溶融処理 を行うことで、生成したスラグを建設資材として再利用している。最終生成物としては、極めて減量化をして使える形にしていると言えると思う。
(山田委員)
その溶融したものがあまり使われていないということを聞いた。使われているということであれば結構です。
(下水道課)
状況によって使われたり使われなくなったりしている。一年前まで使われない状況があったので、下水道事業の中でも重要課題として昨年一年間は色んな製品開発をしながら発生量以上の利用を図ってきた状況である。
(笠原委員)
産業廃棄物は一般廃棄物と違い、市町村単位ということではなくて、 他の県から搬入して処理しているといったデータはあるのか。
(川地委員)
他府県から持ってこられるもの、という意味でしょうか。
(笠原委員)
ここでいっているこの統計値のどこが入っているかということを教えていただきたい。
(事務局)
資料1のデータは県内で発生した産業廃棄物を全て整理したものです。
(中村委員)
クリーンセンター滋賀では他府県からの廃棄物も受入られるのか。
(事務局)
地元との約束や、公共関与で滋賀県の廃棄物は滋賀県でという観点もあり、滋賀県で発生した産業廃棄物を受け入れるという施設である。
(中村委員)
産業廃棄物は、企業のゼロエミッションの進捗によってかなり減っているが、この施設の整備に約10年近くのブランクがあった。この間他府県へ産業廃棄物が持ち込まれているということも事実だと思う。年間2万トンという数字には今まで他府県へ持って行っているものを 呼び戻すことが必要だと思うが、営業努力はどのようにされているのか、
(事務局)
2万トンとの予測については、長年滋賀県には管理型の最終処分場がなかったので、その間処理するため他の府県へ流れている状況が長年続いていた。処理ルートができている中で、県内で発生した廃棄物が県外で中間処理できるところへ出ていって処理された後そこで最終処分されているというものは戻しづらいが、県から出て直接県外の最終処分場に 埋め立てられているというものであれば、近くにあるこの施設に埋め立てていただける可能性が強いのではないか、そういうものを主な受け入れ廃棄物と見込んで2万トンというような試算をさせていただいている。
(中村委員)
かなり運用面で厳しい面があると感じる。他府県へ持って行く場合には遠い距離を運ぶため経費がかかると思うが、反面、他府県で定着しているものがこのクリーンセンターで処分するとかえって高くなるというようなことはないか。
(事務局)
価格については、環境事業公社の理事会で単価が定められている。近隣の公共関与の処分場等を勘案して設定したものである。産業廃棄物は排出者責任が問われるので、不適正処理されていると出したところの責任が問われる。クリーンセンター滋賀は責任を持って対応する。何重もの安全性をみていることから、排出事業者の安全性、地元の安全性というセールスポイントで廃棄物を受け入れさせていただくことで進めている。
(中村委員)
地道な呼び戻しでお願いしたい。
(海東委員)
細かいことやお金に関することは議会などできちっとなさっていると思うが、近年処理施設等の維持管理経費もかなり競争などが入れられるようになったり、色々見直すことによって目論んでいた維持費よりもかなり圧縮できる実績がある。今までとは違う立場の方に経営も含め一度洗い直してもらう作業も入れるといいのではないか。たとえば公認会計士の入った監査に変わったとたんにものすごく変わった。また、CMといって施工側のコンサルではなく発注者側の権利を守るためのコンサルに業務委託して洗い直すということもある。県民の尊い税金であり驚くような金額なのでぜひとも洗い直しをお願いしたい。
(事務局)
当初から運営経費あるいは建設にかかる経費は最小限に効率的にということでやってきているが、受け入れ廃棄物がかなり少ないということが明らかになってから管理運営経費についても一層見直しをおこない必要最小限の経費で行っているが、なお一層効率的な運営に努めて参りたいと考えている。
(海東委員)
環境審議会へ意見を求めるということあるが、どういうポジションでの意見になるのか。
(事務局)
産廃特措法を適用すると国からの支援がある。その産廃特措法の中で、県の環境審議会にきちっと意見を聞きなさいということとなっている。そういうことなのでご意見を承りたいと考えている。
(海東委員)
それはいつ頃どのような形で諮られるのか。
(事務局)
対策委員会から報告書をいただいたところである。まず、県の実施計画を策定していく必要がある。作業的には3ヶ月ほど見ており、住民さんへの説明、環境審議会への説明、それから、全県的な同意を得るための説明、それから環境省等との協議という作業を今後行っていく。基本的には住民のみなさんのご意見も聞いたうえでこの審議会にかけるのがベストかと思っている。実施計画は6月ぐらいまでにはまとめたいと思っている。
(海東委員)
A案かB案かどちらがいいという意見ではない。住民さんと話がまとまったうえで審議会にかけられると考えていいのか。
(事務局)
廃棄物処理法に基づき事業者に対して措置命令をかけて行なう。その事業者に対する措置命令は、必要な限度において措置を命ずることができることになっている。それは効果的で効率的な対応策、または経済的なものでないといけない。経済的でもなくて合理的でもないものについては措置命令としてかけられないので、そのことをしっかりつかんだうえで実施計画をまとめていく必要がある。住民さんの意見を聞いた後かどうかということについてはもう少し検 討したい。私ども説明責任をしっかりと果たしたうえで、実施計画をとりまとめていきたいと思っている。
(海東委員)
確認をしておきたいが、住民の意見を聞きつつも住民の意見に沿わないかたちで財政的な問題などが背景にあって、県の実施案がまとめられ、ここに諮られて、同意を求められるということがおこりうるか。
(事務局)
財政的な問題ということではなくて、生活環境保全上の支障を除去するためには、何が合理的で何が効果的かを、そういう視点の中でしっかり考えた上での実施計画案だと考えている。撤去する必要があれば撤去しないといけない。たとえば他府県で行われている議論だが、撤去しないとその生活環境保全上支障があるということであれば撤去しなければならない。
対策委員会の中での発言ですが、全量撤去が一番いいだろうというのがお金もあって、工事中に周辺のみなさんも別に迷惑がかからないのであれば、それは全量撤去がいいだろうと。しかし、そういうことではなくて、工事期間中いろいろ支障も考えもって、効果的で合理的な対応策を検討するんだろうというような意見もある。
その中で経済的な理由をもってこういう対策にしましたと言う説明にはならないと思っている。
(海東委員)
ここが認めたことにより公の認証を得たという大変重い決定をする会になるのか。
(事務局)
もちろん、県民同意を得ていく必要もあるし、環境省の審査会でも審査をされる。それから県議会への説明、そういうハードルを越えたうえで実施計画を作れると、そのように思っていただきたい。
(海東委員)
役割分担を明確に確認いただきたい。この会議で個別事案について賛否をするようなことが本来の任務なのか、それとも県全体で具体の廃棄物行政について意見を申し上げたり譲歩したりするのが役目なのか、さらに、廃棄物部会であるので、フィルターの一つとして通さなければならないのでここで一応合意を得たということが何らかの効力を持って動くということが本来の機能なのかどうか、という確認をしていただきたい。
専門の委員会があって、学識の経験の精通をした方や、当事者が決められているのだから、そこらについてはどうかなと思う。たとえば武田先生は解決に関わって来られた方なので大変適任な先生で委員長だと思うが、そのことを前提として委員構成をしていないとするならば、少し荷が重いのではないかも思うので一度確認ご検討をお願いしたい。
(川地委員)
ご意見ということで、考えておいていただきたい。対策委員会なり専門部会というのはきちんとした調査もされて案を提示されている。それでも絞りきれない。最終的には県で色んなことを考えながら、実施計画を提案されるのでしょうが、逆戻りはないようにしないといけないという感じがする。そういう意味では委員会なり他の集団、市民といった方々に、そういうものを審議して、我々はそれに対して参考意見というか、あるいは要望をその場でこちらの方から伝えていくことでいいのじゃな いのかと思う。それから県サイドでどのように進められるのかを考えていただいたらいいかと思う。今経過が報告されたということにしておきたいと思う。
(海東委員)
先ほどの件は、プロセスはそれで良かったのかという確認、個別事案に入るのかという確認をしたかったので、はっきりした形で何を問うのかということを明確にして諮っていただきたいということである。
RD問題も大きな問題だが、私どもの地域も今いわゆる県の担当の方が確認をされたり、申請を受けて行われた行為であるのに、産業廃棄物などが不法に持ち込まれて解決が完遂されていないという事案がある。ご存じの通りと思うが、地元の不法投棄パトロールで見つけて連絡をして、疑わしい場合は、まずすぐ止めてから立会者と施工業者と地元や警察が立ち会って、関係者で安全確認するまでは仮処分で止められるとかいうものが検討されてないのかということを提案した。
今回の事案は、持ち込まれているのでだめなのではとうちからも通報したのに、個人の土地に仮置きをされているので大丈夫だという判断をされて、数日間に多量に持ち込まれるという事案があり、それを撤去せよという県の命令で一部撤去されたが、その後見守るという状況になっている。10年ほど前、宅造地の盛土のあんこに廃棄物が持ち込まれた時も、当時の県の担当が現場立ち会いをされ、うちの職員も行っててそのことを証言しているが、事案としては時効になったので地権者の問題となっている。転売された善意の第三者の地権者が穴を掘ったら変なものが出てきた。今まで置かれていて周辺の宅造地に家を買って住まわれている方々が大変不愉快な思いをされて解決の目処がたたないということがある。
過去あったことを始末するということの議論や、具体的な手続きを明確化すること、これから起こったものや現在起こっているものを未然に止める方法論を是非とも強く打ち出して実行していただきたい。我々も現場ですることはしないといけないとは思っているが、命令で撤去させようとしてもその会社は倒産してしまってどうにもならないので、回りを諮りながら進めているということは良くわかるし、努力にも感謝するが、山間部、農山村、北部、西部はたくさん持ち込まれていて、こういった深刻な事案が出ず必要なところまで対応が届かないのでより大きな被害が残ってしまうということがある。
いままでの大きな問題や日々おこっている小さな問題も含めて、新たな果敢な何かを是非ご検討いただき滋賀県を守っていただきたいと思う。
(川地委員)
要望として受け止めておいていただければと思います。