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令和5年3月20日県政経営会議の概要

  1. 開催日時:令和5年3月20日(火曜日)8時45分~9時57分
  2. 開催場所:災害対策本部室 危機管理センター
  3. 出席者:知事・江島副知事・大杉副知事・知事公室長・総合企画部長・総務部長・文化スポーツ部長(代)・琵琶湖環境部長・健康医療福祉部長・商工観光労働部長(代)・農政水産部長・土木交通部長・会計管理者・東京本部長・企業庁長(代)・病院事業庁長・議会事務局長・教育長・監査委員事務局長・警察本部長(代)
  4. 議事概要:下記のとおり

論議事項

1. 滋賀地域交通ビジョン骨子(案)について

<門間土木交通部長>
・資料に基づき説明

<質疑・意見等>
(市川健康医療福祉部長)
 冒頭に土木交通部長から話があったように様々な切り口があって大変だっていうことを聞いており、その中で福祉政策について、特に特別乗車券の交付とかこういったものはまさに福祉政策だと思うが、バリアフリーやユニバーサルデザインというのは、どんな政策にも当てはまることだと思うので、福祉政策という切り口で考えてしまうと、範囲が狭いんじゃないかというイメージを持っている。できれば、どんな政策の中でもバリアフリーやユニバーサルデザインの視点を入れていただきたいと、総括的な話ですが思った。
(門間土木交通部長)
 まさに「交通」というのは、通院や通学、買い物、観光といったいろんな目的や需要を包含していることから、交通を考えるにあたっては、その先の目的を考えないといけない。そういう中で、重要になってくるのは、通院・通所といった福祉、通学・通勤であり、通学であれば教育委員会との関係、福祉であれば病院の移動の関係で、連携が非常に重要と考えている。
 また先ほどご指摘いただいたバリアフリーについて、懇話会の委員にも障がい者団体の方に入っていただき、特に意見をいただいているところ。例えば資料の40ページをあえてバリアフリーと福祉政策に切り分けており、いただいたご意見を意識しながら考えていきたい。いずれにしても交通だけではなく、何を目的にするかっていうところから考えていかないといけないと思う。
(宇野農政水産部長)
 来年度中に策定ということだが、資料に記載のパターンAからCのどれかに絞るとか優先順位付けについても検討されるのか。
(門間土木交通部長)
 スケジュールについては、まずはたたき台ということで考えているが、県民との対話を4月から半年ぐらいかけてやっていきながら作っていきたいと考えている。これをもとにパブコメをして、来年中ぐらいにビジョンを決めていきたい。
 県政幹事会においても、ビジョンと言いながら未来の姿が出てないというご指摘もいただいたが、これは、どういう交通をどれだけ確保するかを考えるにあたり、市町との関係が重要となってくるものと思っている。今回のビジョンを作ったあと、アクションプランとして、各市町が作る地域交通地域公共交通計画の中でそれぞれ決めていくものであり、あくまでもこの資料は、基本方針という形で考えている。
(宇野農政水産部長)
 そうすると、交通税の議論についても、このパターンでいったらどれだけ税率を設定するとか、そういうことをリンクして検討するのか。
(門間土木交通部長)
 ここで示すのはあくまでも地域住民の方々が必要と思うサービスレベルを実現するにはどのぐらいの費用がかかるかという試算をしているものであり、交通税の議論とはまた別だと考えているが、この点は、今後進めながら、議論していくのかなと個人的には思う。
(知事)
 大事なことなので少し意見するが、私がよくインタビューで答えているのは、地域分類をし、パターン分けをし、目指す姿を実現するための道筋を描こうとしている。
 そこが交通税とリンクするのかと聞かれれば、当然リンクすると答えている。それは交通税だけではなく、利用者の負担や、事業者の努力、国の補助金等も含まれる。しかし、理想と現状のギャップを考えたときの足らざる部分の財源を調達するのに交通税という手段は当然リンクするという意味で答えている。
 したがって、今の農政水産部長の質問にストレートに答えるとすれば、緩やかにリンクしていくとなる。
(藤田防災危機管理監)
 交通ビジョンの前提として平時を考えておられると思うが、昨年の冬の積雪期のような状態で必要な交通を確保するためにどうしたらいいか、というような災害時の検討もあればいいかなと思う。
(門間土木交通部長)
 今回はあくまでも全体の交通の取り巻く状況を考えているが、将来考慮すべき環境の変化という形で人口減少や技術発展とかそういったものを織り込みながら公共交通に対する影響というのを見ていかないといけない。
 したがって、災害時については、今回のビジョンとは別に検討していくべきものと考えている。
(東総合企画部長)
 滋賀県の地域交通として、誰もが行きたいときに行きたいところに移動ができるということで、バスの運行本数とかそういう話が多いが、冒頭の、ポイントのところで、地域公共交通の未来予測でシガリズムやCO2ネットゼロといった要素も記載していくと書いている。こういったことを具体的にどう考えているのか。
 先ほど自家用車の利用を前提としつつという説明があった一方で、地域公共交通を維持していくには利用者の努力も必要と先ほど知事から発言もあったが、ビジョンの中でどのように取り組んでいくのか。
(門間土木交通部長)
 今回、県域指標と地域指標を挙げている。県域指標については、先ほど申し上げたように通勤・通学・通院・福祉といったものがあるが、例えばシガリズムを考えていくときには、観光であったり、各市町にアンケートする中で必要になってくるものであったり、そういったものについては、地域指標の中で位置づけていく。その上で、必要なサービスレベルを確保していくべきかものと考えている。
 利用者の努力や事業者の努力をどうしていくかという部分は、まだ書けていないので、私の個人的なイメージを申し上げる。例えば、パターンAの地域のところで見ると、実は投資に対するリターンも大きかったりする。そこで、そのリターンを内部留保的なイメージで県域全体に還元していくことによって、他の地域を良くすることもできる。また、公共交通は、お金を出す段階や、色々な政策を動かしていく段階で、運行本数の調整やダイヤの調整といったことに対して、ある程度、県が口を出した方が全体最適を図れるのではないかと思っている。県として、全体を見て、最適化を図ることで、交通の水準が確保されているという安心につながっていけばとも思う。
(東総合企画部長)
 CO2ネットゼロも考えると、積極的に自家用車両から公共交通への切り替えるといった方向性を打ち出していくとか、考えがあれば教えてほしい。
(門間土木交通部長)
 当然自動車から公共交通に切り替えれば、非常にCO2の削減に資することもあり、そういった点で、どういう政策が行われればCO2が削減できるかといった視点を考えながら進めていきたい。
(大杉副知事)
 資料40ページにカーシェアリングや互助輸送があるが、先日参加したイベントのセッションの一つに国交省と厚労省の担当が対談したセッションがあり、色々とやってみたいニーズはあるが、どこまで許可や登録が必要で、どこから必要ないのかということを、国交省として通知を出しているが、理解が追いついておらず、活用が進まないという話題になったと聞いた。そういう意味では、交通事業者の努力のみでは運行継続は困難とあるところを、もう少し掘り下げてもいいのではないか。許可登録の必要な範囲とそうでない範囲をもう少し明確に伝えることで利用を促すなど。また、「誰でも」と言うときに「平均値で万人に」ということも必要だと思うが、福祉のニーズと子育てのニーズとか、その時、その方ならではのニーズの掛け合わせも必要ではないかと感じた。今後、何か反映できる機会があればご検討いただきたい。
(門間土木交通部長)
 交通手段にはいろいろあるが、例えば鉄道は定時で大量輸送であるというのが特徴で、またコミュニティバスとかデマンドタクシーといったいろんな交通がある中で各地域の特性に応じたものであるべきと思っている。その中で、御指摘いただいたシェアリングや互助輸送というのは、例えば福祉とか企業の交通手段を変えていく取り組みを活用しながら公共交通に生かしていくといった取り組みがなされつつある。そういった動きも踏まえ、地域と交通のベストミックスで進めていかないといけないと考えている。
 カーシェアは、今後有望な公共交通を支える交通になってくるのではないかというふうに考えている。また、福祉の技術については、おっしゃる通り、難しいところもあるが非常に重要と考えている。
(江島副知事)
 事前レクの際に聞かせてもらい、こういった画期的なデータを出してもらえて嬉しく思う。ここからがスタートだと思うので、これから色々な議論をしていくことになると思う。先ほど総合企画部長がおっしゃったようにCO2ネットゼロとの関係、公共交通を整備することで、当然CO2の削減効果もあるので、検討してもいいという気がしたのと、あと、市町とこれから話し合い、その意見を聞いていきたいという思いの中で、鉄道や私鉄について、今は、バスを活用するイメージだから、そこと連動してきて、バスが15分~20分間隔で運行していても鉄道が動いてなかったら意味ないので、当然関連してくる話だと思う。それをどこまでJRに要望していくのか、各交通施設に要望していくのか、市町と話すときには、多分その辺が出てくるかなと思うので、難しい話になるかと思う。少なくとも、例えば、JRの本数に間に合わせる便数にするとなってくると、15分に1本じゃなくてもう少し長い間隔になるかもしれないし、パターンが変わってくると思うので、まずそのあたりを十分議論いただけたらと思う。
(門間土木交通部長)
 CO2については、先ほど申し上げた色々な政策ごとに、どれだけ効果があるか削減効果というのも含めて考えていきたいと考えている。
 市町との関係について、まちづくりと重要な関係にあると思う。いかに拠点を定めて、公共交通を合わせていくか、またそれが鉄道の利用や鉄道の維持にも繋がっていくので、県としても支援していく姿勢が必要かなと思う。
 また、今回具体的な数値を示したっていうのは、他の市町や県でもやっていない、ある意味チャレンジングな取り組みだと考えており、今後とも皆様のご意見を賜りながら進めていきたい。
(知事)
 これまでは、ビジョンを作っても例えば国に頼むとか、事業者に頼むとかっていうのがこれまでの交通ビジョンだったし、ビジョンを作っても予算で何とかなるだろうっていうことだったけど、今回は、本体の部分を自分たちでも負担して最後、合意形成がどうなるかっていうことがあるとしても、やるかやらないかっていうところまで決めるビジョンの作り方っていうのは初めてなので、だから難しいと思うが、よくここまでチャレンジングにまとめてくれたというのはまず感想として持っている。
だから、またやろう。そして何度もやろう。毎月でもいい。
 二つある。一つは、現状の掘り下げと目指す姿について、現状を掘り下げること、目指す姿を広く高く持つことはもうちょっと必要かなと思う。県政経営幹事会議の中でイメージが湧かないとか、どこの誰に対して言ってるか分からないみたいな意見があったので、現状の掘り下げと、目指す姿を広く高く持つことが必要。
 二つ目は、大杉副知事や江島副知事も関連した意見だが、12次方程式ぐらいの方程式だから。例えば、官と民、民と事業者というパラメータもあり、利用者と事業者や、防災危機管理監もおっしゃった平時と異常時そして日常と非日常、さらには都市部と山間部など、1次2次3次交通のあり方をどうするのか。そしてニーズが時々様々違うということもあるので、テーブルの上に並べてみて、どう組み合わせるのか、どういうことをすればみんなが今よりも良くなるなと感じることができるのかさらに議論を深めていきたいと思う。いずれにしろ、交通は手段で、目的をどう確かに作るのか滋賀の生活の中から見いだしていくのかということもあると思うので、さらに議論ができればと思う。

協議事項

1. 大阪・関西万博滋賀県基本計画(最終案)について

<松田総合企画部次長>
・資料に基づき説明

<質疑・意見等>
(知事)
 これは、基本計画の最終案としておくのがいいのか。今後、万博の理事会等出ても何がどうなるかわからんというところがまだあって、今後ずっと変わっていけるように例えば1.0や2.0っていう形で何かバージョンアップさせられるような余地を僕らなりに残しておいた方がいいような気もするがどうか。
(東総合企画部長)
 基本計画という形で今回作らせていただいて、また具体的な実施プランを、これに基づいて作っていくことになる。その形をまたお示ししていくことになるので、議論なり、共有を図っていく形にしていきたい。
(知事)
 そういうことで整理できるならいいが、ここからもう先で何も変えられないっていうことにすると動かしにくいところはないのか。
(東総合企画部長)
 この計画は大きな枠組みを示すもので、今後具体的なところを作り込んでいきたい。

 

その他情報共有

1. 滋賀県庁のパーパスについて意見交換

<河瀬総務部長>
・資料に基づき説明

<質疑・意見等>
(河瀬総務部長)
 行政経営方針を今年作ってきたが、特に「人作り」を大事にしていこうとしている。昨今非常に気になるのは職員の皆さんが仕事にやりがいを感じているか否かというところ。とりわけ、若手職員の皆さん20代
30代の職員が仕事にやりがいを感じていないという現状がある。まさに、滋賀県職員として何を目指しているのか、何を目的にしていくのか、我々の存在価値は何なのかというところを共有していくことが、パーパスの議論にも当然繋がっていくだろうなというふうに考えている。さらには業務見直しあるいは人材確保っていうところにも繋がっていくだろうと思うのでまず私からそういう点を強調させていただきたい。
 もちろん県庁全体のパーパスということになるわけだが、さらにそれぞれの部局職場単位、そういったところでもそれぞれのパーパスとは何なのかということを更に議論していっていただくということにも繋がっていけばいいのではないかと思っている。

(宇野農政水産部長)
 人事課にいたときに組織目標や、今の自己申告書のチャレンジ計画、人事評価制度の初めの方を担当していたが、そのときの議論で、組織目標は単年度だが、県庁の任務はそもそも何なのか。部制条例は所掌事務の列挙しかできてないので、そもそも各部が何を目指しているのかを条例に書くべきじゃないかという議論をしていた記憶がある。今の組織目標も単年度の目標だが、憲法にも地方自治法にも、全て公共団体の目的が書いていたと思うが、それを滋賀県なりに咀嚼して、県民に示す意味では、条例に位置づけるのが一つの到達点かなという感想。
(中嶋公室長)
 農政水産部長がおっしゃったように、パーパスとは、単年の目標ではなく、その前提として各職場、全職員で、関係する市町、県民の求めているものを共通認識とできるものなのかなというふうに思う。ちょっとどういう観点から考えたらいいのかなと個人的な感想から言うと、私自身がやってきた仕事の中では、色々な方の思いを受け止めて少しでも何か寄り添った形にしていくということをずっと大事に仕事をしてきたつもり。県庁のパーパスとしてどう整理していくのか検討する必要があるかと思うが、県民や、地域で頑張っておられる方や、困っておられる方も含めて、そういった方の思いを受け止めて形にしていくということはイメージとしてあるのではないか。ざっくりですが参考になればと思う。
(高木琵琶湖環境部長)
 琵琶湖環境部は、非常に守備範囲が広く、森林から下水道、環境、自然保護まであり、常に一体感の醸成を気にしており、森川里湖の健全な繋がりと言っているが、どれぐらいの職員の腹に落ちてるかというのも疑問なところがある。民間企業の場合と違って企業価値の向上というよりも、どちらかという私はこの一体感の醸成、職員のよりどころみたいな意味合いになるのかなと考えている。この資料にもあるが、基本構想など色んなキャッチフレーズが乱立しているので、全てをわかりやすく整理して示すということと、先ほどの総務部長がおっしゃったように職員が作り上げる過程が大事で、こういったキャッチフレーズは、自分たちが考えたものでないとなかなか職員に落ちていかないと思うので、パーパスは、議論の過程を大事にした方がよいと思う。
(市川健康医療福祉部長)
 資料の5ページと同じようなことを考えていたが、健康医療福祉部では6年前に計画全ての基本理念を「県民一人一人が輝ける健やかな滋賀の実現」に合わせてきた。今のパーパスの議論の中でいうと、やっぱり分かりやすくないと、今の私が言った基本理念もなかなかわかりにくいと思うが、やっぱり県民の皆さんにわかりやすいし、県職員の人もなるほどと思うような言葉で過去にさかのぼってどんな言葉があったかなと思い出してみると、「Mother Lake 預かっているのは滋賀県」とか、放送電波にも流れたと思うが、こういうのは非常にわかりやすいし、親しみやすいと思う。そういう意味では、「みんなでつくる健康しが」っていうのはどの部局にも共通する。これは皆さんで考えていくことなので、そういう意味では、やっぱりわかりやすい言葉で、みんながなるほどなっていう言葉ができるといいなというふうに思う。
(門間土木交通部長)
 当部でも組織目標での大目標として、「安全安心の確保と、地域の社会、経済活動の維持を支えていく」ということを思っており、それを共有しているからこそ、土木事務所も災害前には文句も言わず黙々と集まって、真摯に対応していただいていると思っている。
 一般論なので参考にならないかもしれないが、企業と公務員との違いとして、民間の場合、使えない職員をクビにできたりするが、公務員の場合働けないからとか言ってクビにすることはできない。知事もおっしゃっている「誰1人取り残さない」という視点は企業とは違うんだなとは思っている。こういうものを決めていくときに、職員1人よがりになってはいけない。県民が何を求めているかということも本当は、聞きながらやっていかないといけないんじゃないかみたいな事を言われていたが、一方で、ミッションとかビジョンというのはまさにそうすべきである。そこをどう考えたらいいのかなと。まさにパーパスっていうのは、自分たちの行動原理であったりするもので、だから、必ずしもパーパスにならなくてもいいのかなと個人的には思う。
(辻本会計管理者)
 視点が違うかもしれないが、パーパスを存在意義という言葉の意味で考えたときに、例えば空気のようにあってその存在が当たり前みたいなものがいつかなくなる。例えば夫婦間であればパートナーが亡くなるとか、そうなったときに存在意義が分かるし、ありがたみを感じるということがある。そうであるならば、滋賀県庁という組織や存在がなくなったときに、社会にとってどんな存在意義、ありがたみがあったのかを逆から考えてみる、想像してみると、自ずと見えてくるのかなというふうにも思った。ただそれでは、あまりにも抽象的な話で、非常にわかりにくく、立場によって、価値観も違うから見え方も違うし、わかりにくいとも思う。県庁の存在意義として私が具体的に思うのは、例えば、これは前に知事がおっしゃったことだが、行政はいろんな大きな広い範囲の仕事をしているので、各部局が何をミッションにするかということは当然あるわけだが、分野を越えてそれを繋ぐような仕事。NHK朝ドラでやってる「コンネクト」みたいな仕事、あれは中小企業(町工場)を繋ぐっていうことだが、社会を繋ぐ、そういうのが滋賀県庁のパーパスになっていくのかなと。県庁・行政を空気に例えたとしても、滋賀県に住んで良かったなと感じてもらえるように、滋賀県と京都の空気の味は違わないといけないとかそんなことをいろいろと考えている。

(藤田防災危機管理監)
 防災は年度当初に地域防災危機管理監や、庁内の危機管理員を集めて年頭の会議をする際に必ずお話させてもらうのは、平成21年に出た副知事の依命通達による防災危機管理体制の基本方針。「災害や危機から人の生命身体および財産を守り、安全に暮らすことのできる地域社会を実現することは全ての県民の願いであり、基本となる重要な使命の一つである。危機事案発生時においては災害から県民の生命、身体および財産を守るという県が果たすべき役割を、職員一人一人が十分に認識し、県庁職員が一丸となって取り組むように行う」ということを年度当初に改めてお願いしている。例えばこれは、これまで全庁で取り組んできたコロナ感染症対策で、今の職員みんなが体感しいるのではないかと思う、一つの共感できるところではないかなと思っている。
(西村企業庁長)
 最初に、このパーパスという問いかけをいただいた時に、パッと思いつくのは、「県民の皆さんの幸せ」というのが一番ではないか。
 ところが、今年1月に県議会へ当初予算案の説明を行った時、ある会派の議員から「工業用水に関して、企業庁は受水企業のことしか考えていないのか」とおっしゃられた。確かに直接のサービスの対象は受水企業だが、将来サービスを受給する、あるいは、サービスを提供するかもしれない企業はお客さんではないのかという問いかけをいただいた。確かに、おっしゃる通り、全ての企業が対象で、我々としては、サービスを提供できるように実施していくべきというふうにお答えをしたつもりだが、なかなかそういうふうに今まで受け取ってもらっていなかったというところが、我々の反省点としてあるなというふうに思った次第。
 今回のパーパスで、「県民の皆さんの幸せ」というふうに、まず先ほど申し上げたが、そうすると、「県民の皆さんだけでいいのか」というところにまずぶち当たり、例えば、県外の方、日本全国の方、世界中の方、人類全体とかになってくると、なかなか的が絞れない、非常に難しい議論だなということがわかった。
 それから、これは人のことだけでもいいのかと。例えば、自然環境の保全であるとか、あるいは、社会全体の調和であるとか、人だけではない別の視点も当然大事なことなので、それを包含し、まとめて言うとどうなるのかなということを考えると、非常に難しく感じ、今のところ、私には答えがないというのが現状である。
(箕浦議会事務局長)
 県庁のパーパスを考えても、まだ答えは何も浮かんでいないが、職員の集合体ではないのかなと。県庁の存在そのものの意義っていうことを考えるとその職員の集合体である。あるいは、個々の職員の存在がパーパスに繋がってくるのかなと。もちろんお客様は県民で、そこに健康しがとかいうふうなお話とかもいただいているが、職員の集合体と考えるのであれば、パーパスっていうのは職員の誇りやプライドにも繋がってくるのかなと。なので、職員の存在意義というか、プライドというものが職員個々の信念に繋がっていく、あるいは県庁としての信念に繋がっていくっていうふうなことにもなるのかなと。答えとしてはどんなイメージを持っているっていうものはまだ何も考えはないが、県庁にもパーパスは、あった方がいいのかなというふうに個人的に思った。
(富家東京本部長)
 我々全員が法律と条例に基づいて、採用された一番最初に服務の宣誓をしており、
 職員全員が既に同じ共通認識の上に立っている状態にあると思う。常に意識しているかどうかは別にして。ただ固い文書であるし、インパクトがあるかと言うと、そんなにないのかなと思うので、そういった言い方を工夫していくという考え方はあると思う。資料にもあったようにミッションとかビジョンとかバリューとか既に色々とあるので、広め方や上から下に伝えていく方法は、丁寧にというか説明を十分にしながら意見を求めた方が良いんだろうなと思う。
(福永教育長)
 企業は、それぞれの分野で存在意義を持ちながら、社会のために何を自分たちでしていくのかって考えてやってると思う。県庁にもそれぞれの部局があり、それぞれ例えば資料でいえばある意味福祉っていうのは幸せということなので、健康と幸せのために仕事をしている。我々教育委員会は、子どもたち、大人も含めて、生きる力を育てるっていうことだと思う。教育は教える、育てるっていう二つの言葉から成り立っていて、従来は教えるのが中心だったが、私は育てることがこれからの時代の中心になると思う。
 その中で一番大切なのは、未来が見えない中での生きる力だと思う。多分、県庁の職員もなかなか将来に夢が見えないとか、目標がないとかいう話も出ていたが、やっぱり未来が見えてこないので、そこが今の時代は難しいのではないかなと思う。我々が生きてきた時代は、なんとなくこういう目標に向かってみんなでやっていこうねっていうのがあったが、今の若者の時代は、何をやって生きていけばいいのかっていうのがあると思う。ある意味、それを考えるのがこれからの世代の人たちなのではないかなとも思う。それを考えるってどういうことなのかなっていうことなので、改めて、若手の職員も自分たちが何に向かって、何を目指して、何を日々考えながら仕事をしていけばいいのかっていうことを考えてもらうことが大切だなと思う。ここにおられる皆さんもそれぞれの分野でそれをしっかりと聞いていただければと思う。
 そういう意味で、組織目標のときには、個々の事業もあるが、自分たちの組織として大きく何を目指すのかということを、部長次長あるいは課長がお話されればいいのかな。
(東総合企画部長)
 今まで県でもいろいろな組織目標や取り組みをやってきたが、そういったものとの整理を考えていく必要があるのかもしれない。また、職員を巻き込んで議論していくという意味では、資料にも案を書いていただいているので、いろいろな場面で議論を進めていく必要があると考えている。
 それから県庁全体のパーパスを作るというのと、それぞれの組織ごとに何か持った方がいいのかというふうな観点もあるかと思うので、そういったことも含めて議論を進めていく必要があると感じた。
(大杉副知事)
 退職される先輩方とは短い間ではあったが、その背中や横顔から県庁での仕事の仕方をすごく勉強させていただいた。それぞれ個性豊かなお仕事の仕方だったと思うが、その中にやっぱり何か違う。滋賀っぽさや滋賀の癖というのがあって、そういうアプローチや見方・考え方が非常に大事だと感じた。目標というと、どうしても何をというところに目が行きがちだが、もう少しそのアプローチ、どのようにしてというところに目を向けてもいいと思う。そうすると分野を超えて繋がりやすい。例えば教育課程の議論でも教科ごとの話をしてしまうと拡散してしまうが、どのように学ぶかというアプローチを考えていくと非常に共通の狙いが持ちやすい。滋賀ならではの視点や考え方など、滋賀の視点で世界を捉えたり、滋賀の技で何か社会を変えたりと、そういうアプローチを大事にしてもいいと思った。
 先ほどの万博の目標のテーマの英語について、「Mother Lake」に、例えば冠詞をつけるのかつけないのかとか、この英語だけ見たときに滋賀ということが出てこないが、滋賀に関して何も予備知識がない方が見たときに、これでピンとくるのかなど、考えてもいいと思った。
(江島副知事)
 大きく三つぐらい見方があるかなと思って聞いていた。
 一つ目に将来を見据えた普遍性がいるんじゃないかということ。二つ目に県民に対するものと職員に対するものの両方を規定するものが望ましいということ。三つ目が滋賀県らしさ。匂いとか味とかが感じられるような滋賀県らしさがあるといいなと思って聞いていたので、これから来年に向けて検討するときに、今の議論が参考になるかなと思って聞いていた。東京本部長がおっしゃったように、服務宣誓をしているが、これからは、これを宣誓で言うという感じで考えていくのかなという気がする。
(知事)
 私達は何のためにいるのか、四六時中考えている。でも皆さんから限られた時間でしたが、それぞれの方のお話を聞いていて、やっぱりこの議論してよかったと思った。今いただいた話の中に大事なエッセンスが入っていると思って、すごくいい議論の出発ができたと思っている。
 さっき、琵琶湖環境部長が職員間の一体感を醸成するために何か琵琶湖環境部で考えてると言ってくださったが、だから県庁でも考えないといけないのではと思う。県民の皆さんの思いとか、職員のみなさんの思いとか、あとさっき企業庁長が言ってくださった県民の幸せって今の県民だけでいいのかとか、旅行者とか。外国人の方から、私達は県民ですかと言われたことがある。職員と一緒にと言うが私達は職員ですかって。職員名簿にみんなの名前が載っているのかということを考えると、何か私達が言っていることが全ての人に届いてない言葉になっているのではないかっていうのを思い始めて、だから年末年始考えて、皆さんにちょっと投げかけてみた。
 だからさっきの資料で言う5ページのところでね。確かに組織目標はあるけど、全部局を連ねる組織目標は僕らで言えば何かなということとか。
 ビジョンとバリューの基本構想と行政経営方針はあるが、それをするために私達は何をするということは全部局共通で言えるかな。そういうのをみんなで一緒に考えたらどういうことになるだろうかというように、何か知事が言ったとか本に書いてあったというのではなく、時間がかかるけど、みんなで考える過程はすごく大事だと思うので、時間かかってでも考えてみる、もしくは考えるために議論をしてみるというのもいいんじゃないかなというふうに思う。
 確かに服務宣誓はしているので、公務員としてそれは大事なんですけど。例えばその次に何か言うならどういうことがあるのか、ということを一緒に考えてみたいと思う。毎週、毎月とまでは言えませんが、またやりましょう。

2. その他

(門間土木交通部長)
 大戸川ダムの付替道路の大津信楽線の整備をしていたところでございますが、3月25日に開通することとなった。今まで平野から牧の方までのすでに2キロ開通していたが、牧から信楽まで8キロが今回開通し、計10キロが完成することとなった。

お問い合わせ
滋賀県総合企画部企画調整課
電話番号:077-528-3311
FAX番号:077-528-4830
メールアドレス:[email protected]
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