<総合企画部次長>
・資料に基づき説明
<質疑・意見等>
(農政水産部長)
今まで、なぜ滋賀県でこれだけ寄附金額が少なかったのか。返礼品で誘引することを潔しとしないという精神や、頑張っている市町の競争相手にならないようにという方針など、ある意味良い格好をしてきた。それをここで方針転換することを上手に説明しないといけない。我々も市町から聞かれたときにバラバラの返答はできない。
(総合企画部長)
寄付額を募ることもさることながら、現状、6万円しか物産振興に使えていないので、県内の物産を広く知ってもらう役割も必要だと思う。
(農政水産部長)
この説明であれば、市町が頑張っていることで十分だということになる。あえて県が乗り出していくことをどう積極的に説明していくか。
(知事)
関連すると、県が乗り出すことで全体の相場はどうなるのか。全体として、県も増え、市町も増え、もって物産PRにつながるというエビデンスであれば、農政水産部長の今の発言にも説明がつくし、市町も協力的になるのではないか。
(総合企画部長)
未来のことなので予想はつかないが、神戸牛のケースでいえば、県も市町も寄附金額は伸びた。おっしゃるように、県がサイトを設けて、県全体の物産としてPRすることで全体の物産振興につながれば、各市町の物産振興につながることになるのかもしれない。将来の予想を上手く書けるのかわからないが。
(知事)
資料中に、そういったことを今後検証することを書いてはどうか。もしくは、言えばいいのではないか。今年度はコロナの影響で異常値になるかもしれないが。
(総合企画部長)
市町がどの程度の影響を受けるのか検証していきたい。
(総務部長)
今話題になった地域資源認定の件について、議会でも答弁した。農政水産部長がおっしゃったように、県が今まで入らなかった、ある意味で県が市町を配慮した形となっていた。今回、県が乗り出すことについて、資料の返礼品の多様化の所に少し書いているが、「返礼品の選定にあたっては、県内各市町の地場産品を組み合わせることを検討する。」とある。県内各市町の返礼品の単品とかち合うとまた問題になるが、組み合わせることが一つの解決策になるのではないかと個人的に考えている。市町と連携できる方法を模索していただききたい。
(総合企画部長)
市町に対しても、今回の議論を踏まえた県の方針についてお示ししたい。また、市町から返礼品について提案があれば、それも受け付けたい。
(土木交通部長)
なぜ今なのかが疑問。物産振興というと、そもそもこれがふるさと納税の趣旨なので今更感がある。このあたりをどう説明するのか。市町に配慮したけれども他府県を見て、県が積極的に乗り出しても他市町に影響しないという実績を見て判断したという説明になろうかと思うが、そうするとなぜ最初からトライしなかったのかという疑問もある。単純に組み合わせではなく、県だけのものを使うことを考えていく必要がある。この場合には、地場産品で経済的価値のものではなく、付加価値のあるものを組み合わせていくべきではないか。例えば、マラソンの出走権やビワイチの特別なものを返礼品にすることがあるのではないか。
(商工観光労働部長)
返礼品の件については、一昨年に庁内で議論した際に、当時行革担当管理監として歳入確保も担当していたことから、中途半端なことはしない方がいいのではないかと発言したが、結果としてこういうことになっている。その際の議論として、市町への配慮の話もあったが、それよりも大きいのは、滋賀はモノで釣るのではなく、ストーリーやプロジェクトに共感してもらって寄附を募るというスタンスであったと記憶している。そこは、一定、そのスタンスで頑張るということで納得したつもりだった。この2年間を見てみると、メニューとして16あるが、使途がHPに載っているだけで、個別のプロジェクトごとの発信については、当部を含めてできていない。各プロジェクトへの共感を得て寄附を募るという最初の理念が掛け声倒れになっているということに反省があるのではないか。今回、寄附の使い道を入れ替えて載せるだけでは意味がない。各プロジェクトの所管部局からプロジェクトのPRや寄附の募集をしていくことが、今までの滋賀のスタンスを変えないのであれば、これを併せてやっていく必要がある。市町への配慮に関しては、各県単位の伸び率と各市町単位の伸び率について、他府県の過去の実績から分析すれば、市町の伸び率に影響しないという結果が出ると思う。(総合企画部長)
先日の佐口議員の一般質問に係る答弁協議の中で、特定の使途を指定して寄附された方に対しては、企画調整課から2年間その使途に関する情報をお送りしているが、これだけではなく、各部局からその使途に関連する情報を併せてフォローアップしていくような取組を検討した。このことについても、また相談させていただきたい。
(文化スポーツ部長)
私は、この件は中途半端だと思っている。返礼品を充実して滋賀の魅力を発信するというスタンスに転換するのであれば、もっと大きく打ち出すべき。返礼品を充実すると、寄附者は使途メニューを見ないのではないか。寄附メニューの見せ方を工夫すべきではないか。
(総合企画部長)
この件について、さとふる等のHPを見ていただければよく分かるが、寄付先は、商品から検索するというのが現実である。ただ、それで寄附額を増やしている自治体がいるというのもある。間口を拡げるためには一定仕方がないと思うが、県としては、プロジェクトへの共感をもってもらうというスタンスが重要だと思うが、これを入口にすると寄附を集めるのが難しいという面もある。両立させていくことを検討していきたい。
(知事)
寄附の使途メニュー16種類はいつ決めたのか。少額のため廃止と説明されたが、少額でも寄附されていることに対する部や寄附者の思いはないのか。
(総合企画部長)
メニューが沢山あると寄附者に対して分かりにくいため、一定の整理を行った。メニューが多いと、寄付者の目に留まりにくくなるので、過去の寄附実績を参考に所管部局と調整の上、この16種類としたが、この数にこだわりがあるわけではない。
(企画調整課長)
特段16種類にこだわりがあるわけではないが、現状パンフレットの納まりも良いので、これ以上増やすのはどうかと思っている。
(知事)
これは協議事項なのか。
(総合企画部長)
協議事項ではあるが、今回の議論を踏まえ、引き続き協議していきたい。
(会計管理者)
プロジェクトやストーリーに共感してという説明があったが、先ほど土木交通部長から説明のあったように、例えば、ここでしか手に入らないビワイチの商品をビワイチの返礼品とするなど、使途メニューと返礼品を関連させるという方法もあるのではないか。
(総合企画部長)
この件も内部で検討したが結論は出ていない。近江牛の振興という寄付メニューに対して返礼品を近江牛にするとかが考えられるが、こうすると近江牛に寄附が集中するという懸念がある。
(商工観光労働部長)
寄附メニューにあった付加価値のある返礼品、観光振興であれば、ビワイチや琵琶湖花火大会のプレミアムシート、マラソンの出走権といったプレミアム感のある返礼品を使途メニューにリンクさせるような緩い形での連携でいいのではないか。いずれにしても返礼品については、これから業者を含めて選定だと思うので、県庁の各部局をあげて、プレミアム感の出る返礼品を探せばいいのではないか。
(知事)
私もその意見に賛成。例えば、鈴木健吾が走ったコースを走れるとか、さっきの花火のプレミアムシートもいいと思う。何か、滋賀ならでは感があった方がいい。
(総合企画部長)
メニューを示す際に、関連する返礼品も一緒に示せるといいと思う。
(知事)
ビワイチを戻すのはどうか。せっかく今まで県で育ててきたのだから。1年間の実績が少なかったら廃止するのか。
(企画調整課長)
ビワイチについては、令和元年度の寄附件数が1件、令和2年度は2件と少なかった。寄附メニューについては、実績を考慮し一定の入れ替えが必要と思っている。部局に対しては、廃止したい旨を伝えた上で調整している。
(総合企画部長)
たくさん大事な意見いただいたので、引き続き協議させていただきたい。ただし、大まかな話として、県が今まで2,000円としてきた返礼品額の増額について一歩踏み出すことについては、この場で了承いただきたい。その上で、今回意見をいただいた、検証の件、市町の件、寄附メニューの件については、7月までまだ時間はあるので、引き続き協議させていただきたい。
(知事)
大きな方向性については、これで承知する。
<琵琶湖環境部長>
・資料に基づき説明
<質疑等>
(農政水産部長)
方針の名前は、「滋賀県産木材の利用方針」としているが、資料の変更案を見ると、滋賀県産材かどうかはともかくとして、木造か内装の木質化があり、その中で県産材が使えるときは使おうというように読める。必ずしも県産材に結び付かないところに手を拡げているように見えるが、いかがか。
(琵琶湖環境部長)
思いとしては、県産材の利用。県産材を使っていただきたいことが主眼ではあるが、県産材製品が出るタイミングと必要とする企業の量の兼ね合いがあり、必ずしも常に県産材だけでできるとは限らない。そういう時に、県産材でできないからやめるということにしてしまうと元も子もないので、他府県の木も使ってもらう。こういった形で考えられるように、県産材の使用を基本としながら、柔軟に考えられるようにしたい。
(土木交通部長)
資料に「県産材の高価格」と書いている。これは、気にする人は気にするし、意味が分かりにくい。他県と比べてなのか、他の工法と比べてなのか。先ほどの議論の中にもあったが、県産材だから判断基準を緩めるということがあろうかと思うが、この資料の内容では実際の意思決定と合わないのではないか。追加の意見として、低層については原則木材という方針がなかなか担保されていない件について議会でも指摘されていた。今後、実効性を高めていくに当たり、構想段階から関与していくのはいいが、庁内合意について、予算上の担保も早い段階から総務部と調整するべきである。予算見積要求の段階で財政課からダメだと言われると、担当課の作業も無駄になり、みんなが不幸になる。また、原則木造化と書いている責任は琵琶湖環境部にあると思うので、これを各担当課に説明責任を任せることがないように、琵琶湖環境部から各担当課に積極的な意味での調整をするべき。
(琵琶湖環境部長)
予算上の担保については、よく総務部と相談して進め方を調整したい。木造化を外れた場合の説明責任については、当部で各担当課へ責任をもって説明したい。
(琵琶湖環境部)
他県の一般材と比べれば県産材は割高になっている。他の流通材と違い、県産材は特注品に近い取り扱いのため、他と比べれば割高になっている。
(土木交通部長)
木造化の判断は、県産材の場合とそうでない場合で基準が変わるのか。
(農政水産部長)
むしろ、そこは基準が違わないと、目標が達せられないのではないか。
(琵琶湖環境部)
今、おっしゃられたように基準はきっちりと決めてはいない。滋賀県産木材は、製材量も少なく、他県と調整しながら製造しているという現状なので、そのあたりをもう少し調整しないといけない。
(知事)
そういった事情があるから何となく中途半端な書き方になってしまっている。農政水産部長や土木交通部長が言うのは、資料1の上のフロー図の「低層建築物原則木造化」というのを県産材から始めないといけないのではないかという問題提起であり、私もそう思う。そこからYesかNoか、それならばという議論からスタートしないといけない。そこに供給量の話が入ってきて中途半端な書き方になってしまっている。
(琵琶湖環境部長)
そこは、県産材の実情もあるが、一方で、知事のおっしゃるとおりだと思うので、書き方を少し工夫したい。
(総合企画部長)
この話に関連して2つある。1つは、県産材とした場合に、多賀町の公民館の例でいえば、県産材は量も少なく受注製造のため、材料調達だけで1年かかり、次の年に業者へ発注された。工業製品で造る建物と建て方が全然違うという話を聞いた。県産材で作る建物を一つ決めてそこに注力していかないと、全体の木造建築物を全て審査していたら全てがダメになるのではないか。もう1つは、例えば、何かシステムを作る際は、情報政策課所管の審査会にかけることがルールとなっている。同じように、特定の建築物について、関係課で集まって県産材で作ると決めるような場を設けるという方法もありだと思う。
(琵琶湖環境部長)
今の意見も参考にし、どういった方法が、部としてやりたいことに沿うのかよく検討したい。
(会計管理者)
県の契約の条例の検討を進めている。その中で地域経済の活性化の一つとして県産材の活用を挙げている。一方で、適正な積算も契約上重要なことなので、このことも条例に書き込む方向で調整を進めている。この両方が成り立つように、検討を進めていただきたい。
(琵琶湖環境部長)
両方の観点が重要なので、両立できるように検討したい。
(西嶋副知事)
大変興味深い議論だった。この中には、コスト、サプライサイド(供給)、インセンティブの3つの問題があると思う。かつては、文化の屋根事業として、事業費の1%を県の予算で上乗せして、ワンポイントに、例えば屋根をつくるとかモニュメントを作るとか、そういった文化的価値を付加するための時代があった。今では、森林づくり県民税というのもあり、やはり、各部ともにそういった予算がないと中々踏み切れない部分があるのかなと思う。文化の屋根1%事業もどこかのタイミングで終了したが、そこそこ長く続いたと記憶している。もちろん、同じことをやって、という訳ではないが、何かインセンティブ的な部分を考えていかないと、こういった議論も中々進まないのではないか。県産材は、価格も高く、調達が難しいとなると、議論が進めにくいので、こういったポイントも議論するべき。
(総合企画部長)
この件も協議事項ですが、引き続き協議をお願いしたい。
(知事)
引き続きのコロナ対応、そして、先日はびわ湖毎日マラソンお疲れ様でした。文化スポーツ部中心に御対応いただき、警察本部にも沿道警備にあたっていただきました。残念ながら、来年度からは滋賀県での開催はできなくなるが、予算案の中にも入れている、レガシーのある大会を、公道を走る公式レースとして再構築したいということを申し上げている。この点についての御検討、御協力をお願いしたい。