滋賀県国土強靭化地域計画(改定)の骨子案について論議を行った。
<土木交通部長>
・資料に基づき説明
<質疑等>
(農政水産部長)
エリア区分については市町の計画を基にしていると聞いているが、例えば、世界農業遺産にあげているシステムの中で一番大事にしている「魚のゆりかご水田」の該当箇所が「活用」のエリアに入っている。県が目指していることと食い違いが起こらないか懸念する。このエリア区分は変わらないのか。
(土木交通部長)
エリア区分は細かい部分までは想定していない。「魚のゆりかご水田」で活用している所をつぶすようなことを考えていない。個別に上がってきた時に、具体に残す部分を市町と検討していきたい。
(農政水産部長)
県のメッセージとして出てしまうのではないか。
(土木交通部長)
例えば、この区域全体の大きな方針の中で守らないといけないものは、当然除外することになる。具体案の中で調整していきたい。
(知事)
農政水産部長は具体的にどこのエリアを心配しているのか。
(農政水産部長)
栗見出在家。愛知川の河口の西南側、新海浜教育キャンプ場と寄須ノ浜の間の部分である。
(総合企画部長)
ここは愛知川の南側にあり、湖岸提と湖岸道路が少し離れているところか。
(農政水産部長)
そこがまさに「魚のゆりかご水田」の場所になる。
(知事)
様々な主体と連携し、「魚のゆりかご水田」を含めて活用することになるのか。
(農政水産部長)
そうは読めないのではないか。農地を農地として活用し、さらに一歩進んだ活用をすることになるのではないか。
(土木交通部長)
一概に全ての農地をつぶすことは考えていない。その区域全体の方針はそうであるが、例えば、農地で魚と触れ合うこと、それは活用することになる。
(農政水産部長)
それは、活用になるのか。
(総合企画部長)
この栗見出在家とも関係するが、ここと南湖東岸の烏丸半島から南の赤い部分のエリアは、他の今もすでに建物が建っていて赤い活用エリアとされたところと違い、現在まったく建物などがないところ。現状と違う形での活用を考えているのか。活用の仕方にもいろいろあると思うが、特に南湖東岸のこのエリアは、陸側は田園が広がり三上山が見え、湖側は湖を隔てて比叡山が見えるという、滋賀県の原風景がある。個別に出てきたことを許可する許可しないということはあるが、それ以前に、ここは残す、ここは活かすなどメリハリをつけることを先にしておくことが必要なのではないか。変えることが県のメッセージとして出てしまうことを懸念する。
(土木交通部長)
開発イコール乱開発、何でも勝手に出来ると捉えられるとそうではない。例えば、ホテルを建て活用するにあたっても、中には緑地部分も作るなどの具体的な計画を、地区ごとに事業化する時に地区計画の規制をかけながらしっかり検討していきたい。ビジョンの方向性を出した後、検討会議の延長で市町と相談し、守るものは守っていくということを話したい。これをもって全ての開発を承諾するものではない。
(総合企画部長)
そのような意図が分かるようには出来ないか。
また、市町に都市計画が移ってしまっているが、琵琶湖に関わることであるので、県全体として、ここはということを、考えるべきではないか。
(土木交通部長)
分かりやすく書きたい。都市計画の規制では県を通さないと出来ないので、しっかり調整していきたい。
(知事)
農政水産部長が懸念されていた「魚のゆりかご水田」のことなど、都市計画の制度の中の大まかなくくりがある中で、このビジョンの原案が示すメッセージをどう捉えるのかは重要な指摘であると思う。
(農政水産部長)
個別の許認可は従来通りとしておいてよいのか。全体としてこのエリアはこういう活用をするというときに、これは法律が違うから従来通りです、とならないか。
(土木交通部長)
農地で説明すると、従来、農振農用区域は耕作をしていなくても、原則、都市的利用は出来ないことになる。今後の方針は、農振農用区域の中でも、大事に耕作しておられるところは残す。
(農政水産部長)
それは従来通りではないか。
(土木交通部長)
具体の中で議論していきたい。
(農政水産部長)
湖辺エリアは、放棄水田や放棄農地があるエリアではなく、耕作しやすい、いい場所でありその心配はない。従来通り、ここは良い農地なので、赤いエリアであっても実際ダメですよと言い続けたのでは、このビジョンを作る意味が没却するのではないか。だからこそ、メリハリがいるのではないか。
(知事)
これを出す時点で、もう少し県の考えが伝わるようなメッセージを書くことは出来ないのか。
(土木交通部長)
この地区ではこのことは排除すべき、というようなことか。意見を聞きながら注意すべき事項は書き込んでいきたい。
(総合企画部長)
今受けるメッセージは、ここは開発する、ここは残す、ただし、土地利用規制はあいかわらずある。というふうにしか読めない。その間に、メリハリをつけるというようなことをかけないか。
(土木交通部長)
注意事項のようなものを書きたい。1ページの活用エリアのイメージにあるが、湖岸から200mの範囲全部を開発しているわけではなく、水田を残してあり、開発した部分も木を植えている。全てに家が建ち、マンションが建つわけではない。誤解のないように書きたい。
(総合企画部長)
土地利用だけに頼っているというのも不安な部分がある。調整をお願いしたい。
(文化スポーツ部長)
エリア区分に「保全、利用、活用」とあるが、利用者の負担の話は別のステージでするのか。利用にあたっては、個別に検討されるのか。
(土木交通部長)
個別に何をするかという段階で、利用者の負担を検討することになる。例えば、利用者がジェットスキーをする場合の入場料をいただくことなどが考えられる。
常任委員会で案を提出することと並行して、再度意見照会をしたい。
(知事)
その上で、パブリックコメントをするのか。
(土木交通部長)
12月16日の常任委員会にかけ、引き続きパブリックコメントを実施し、2月中旬にはまとめたい。
(知事)
積極的に、いろいろな人から意見を聞くべき。例えば、様々な民間事業主体が考えられる。
<教育長>
・資料に基づき説明
<質疑等>
(商工観光労働部長)
文化財の活用は、文化財を守っていくためにも重要だと考える。滋賀にはすばらしい文化財があり、「活用」において観光は切っても切り離せないものだと考えているが、残念ながら一部の文化財を所有する人、学識経験者に、観光、あるいは文化財の活用に対する認識を持っていただけていない。観光サイドとしては、いい活用事例を作り、文化財を活用して、いろんな方に見てもらうことで理解を深め、文化財を守る財源の確保にもつなげたい。好事例を作りPR出来るようにしていきたい。
(教育長)
活用については、様々な意見がある。活用しすぎるとリスクがあるのではないかという意見もある。一方では、多種多様な形で発信することにより価値が高まるという意見もある。バランスをとりながら検討したい。
(知事公室長)
以前、国の自民党PTで積極的に文化財の活用を進めるという議論がされていた。そういう議論を踏まえ、国の文化財の保護の制度は変わってきているのか。
(商工観光労働部長)
文化庁にも文化資源活用課が出来た。
(教育長)
文化財の活用は、観光客が文化財の施設に入ってきて、地域のこれまでの取組を無視してもらうことではない。教育に文化財を取り入れること、子どもたちが体験することに文化財を活用する。活用することにより、物がなくなってしまっては意味があったことなのかということにつながる。
首里城は文化財ではないが、首里城跡の史跡をどう活用するかは重要な視点であると考える。琵琶湖と同じで守る・活かすということが、文化財にも言える。
(商工観光労働部長)
日本遺産のように、もともとあるものを活用し、認知度を高めることも「活用」になる。「活用」の言葉の意味を狭くとらえるのではなく幅広く活用をしていこうということではないか。
(知事)
資料03の滋賀県文化財保存活用大綱(原案)の20ページのイメージ図のとおりではないか。活用しながら保存していく。
(教育長)
そのとおりである。好循環を生み出すことである。
(知事)
国において法律改正をしたので、現在与党でさらに議論されているとは承知していない。
(教育長)
滋賀の文化財保存活用大綱であるので、文化財の継承と地域社会の活性化につながる滋賀ならではの文化財活用は何なのか検討したい。地域で地域計画も作られるので、県としてリードしていきたい。
(総合企画部長)
これは大綱だが、具体的に施策の進捗をどのように見ていくのか。推進のための計画があるのか。
(教育長)
都道府県で大綱を設け、市町が個別に地域計画を作り、市町ごとに文化財の活用に取り組んでもらう。4市が策定を進めている。
(総合企画部長)
市町が地域計画を作ることを支援していくのか。
(教育長)
市町が計画を作ると、直接国に対して文化財の指定や登録について言えるようになる。登録文化財を指定文化財に近づけられる。手続きも変わってくることになる。
(知事)
防火対策の面で項目を設けているのか。
(教育長)
以前は、防災としていたものを、防火、防犯、盗難など細かく書いている。
(総合企画部長)
では、このとおり進めていただきたい。
(知事)
・パブリックコメントの時期が毎年、年末年始のこの時期に集中する。計画の作り方、時期などについて工夫・改善してほしい。年明けの2月議会で報告等していくためのスケジュールからこの時期に集中することになるのだろうが、工夫できることはある。総合企画部長でこの時期パブリックコメントを行っているものを集めてほしい。こうした計画やビジョンのパブリックコメントを行っているということを説明した上で、意見をいただく呼びかけもしたい。
・公文書は、原則公開となるものであり、公文書の作り方、残し方について今一度点検をしてほしい。同じ案件に関するもので、他の都道府県で残っている公文書と本県で残っている公文書が異なる事例があったようである。きちんと残すことをお願いしたい。
・時間外勤務の状況を、毎月確認している。以前に定員のリバランスについて言及したが、こうした状況にもとづいて定員のリバランスを行いたい。来年度に向けて専門資格者は難しいところであるが、部局内のリバランスはもとより、部局間のリバランスを意識し、組織づくりや定員改正を行いたい。減らすべきところは減らし、増やすところは増やしていく。限られた資源をどう振り分けるかは重要な課題だと考えている。