広報誌「滋賀プラスワン」2023年夏号掲載
Wanjo Sanyutei
1982年生、大津市出身。滋賀県初の江戸落語家。落語協会所属の二ツ目。
滑稽噺、人情噺、怪談噺、芝居噺など古典から自作まで幅広いネタをもち、滋賀にまつわる落語も数多く口演。
12年ぶりの「抜擢」で15人を抜いて2024年3月の「真打」昇進が決まった三遊亭わん丈さんは、初の滋賀出身の江戸落語家です。破竹の勢いで活躍するわん丈さんに、落語の魅力と、琵琶湖や滋賀への想いを語っていただきました。
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落語家を志したのは27歳。それまでは落語を見たこともなくて、初めてライブで江戸落語を見たのがきっかけでした。
実は、大学で始めたバンド活動が高じて、歌手になりたいという夢を追っていました。でも、うまくいかなくて。それでも芸能に携わりたくて、ラジオの仕事の足がかりとして落語家に…と考えていました。そんな想いで見た落語に感動して、「この芸がしたい!」の一心で、落語の世界に飛び込んだんです!
僕が感じる落語の魅力は、あったかさです。特に古典落語は、モノが豊かじゃなかったが故に、人の心がものすごく豊かで助け合ってる。落語は疲れた心を癒やしてくれるんです。
6年前からSDGs活動の一環として、生ごみや海洋ごみを題材にした落語を始めました。
琵琶湖は今すごくきれいですけど、35年前は汚かったんですよ。僕も同級生と一緒にごみ拾いをしたり、外来魚の駆除をしました。みんなでがんばれば水はきれいになる。その感覚を子どもたちに伝えたいんです。
落語は映像がないから、本を読む感じに近いんですよ。そうした落語の魅力も知ってほしくて、毎年、大津での落語会に親子を無料で招待しています。
三遊亭わん丈さんのインタビューの完全版は、web滋賀プラスワンで掲載しています。ぜひご覧ください。
滋賀ゆかりの古典落語を発掘して、「近江八景」や「お多賀さん」をやっています。滋賀出身の僕だからこその熱量を込めて、滋賀の魅力を落語で伝えていきたいです。
そして、滋賀でも落語を気軽に見てもらえるような環境をつくっていきたいと考えています。滋賀のためにがんばります!
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