映画『線は、僕を描く』は、滋賀で数多くの場面が撮影されました。近江神宮を舞台にした映画『ちはやふる』シリーズに続いて、今作でもロケ地として滋賀を選んだ小泉徳宏監督と主演の横浜流星さん、清原果耶さんに印象に残るロケ地と撮影のエピソードを語っていただきました。
******
横浜 一番印象に残っているのは、多賀大社で撮影した冒頭の揮毫会のシーンです。とても大がかりで、大勢のエキストラの方が来てくださって。三浦友和さん演じる湖山先生が群衆の前で水墨画を描く姿を見た時、主人公の霜介と一緒に自分も湖山先生に心をつかまれたんです。
小泉 多賀大社での撮影では、大勢の地元の方が集まってくださったおかげで、熱気のあるいいシーンが撮れました。本当に感謝しています。
横浜 おみくじとお守りも買いました。映画を見た方に、ぜひ行ってほしい。いつか水墨画で多賀大社を描いてみたいです。
清原 私は、湖山先生の家として登場する五個荘の外村繁邸とその周辺の町並みに心ひかれました。千瑛の部屋もすごく好き。背景の美術セットまでじっくり見ていただきたいです。
小泉 五個荘はそこだけ時が止まったようで、町並みを含めた昔ながらの風景が残っているところがとてもいいです。
清原 湖山先生の家の台所のシーンを撮った油日神社は土地の力が強かった…。役者としてロケ地からもらっているものが確実にあって、今回滋賀ではパワースポットのような“地の力”を様々な場所で感じました。
小泉 江口洋介さんと横浜流星くんが牧場や漁港を巡るシーンを滋賀県畜産技術振興センターや堀切港などで撮影した際、地元の農家の方や漁港の方に即興で芝居をしていただいたのが、すごくいい味が出ていて。映画のいいスパイスになって、特に印象に残っています。
横浜 1カ月間滞在していて、滋賀県はすごく空気が澄んでいて、身も心もリフレッシュできました。最後に近江牛も食べることができて、おいしかった。
清原 本当に滋賀は食べ物がおいしかったです。
小泉 滋賀にはいろんな表情があって、琵琶湖や彦根城を写すと滋賀県の絵になるし、そうしたランドマークを外すと「日本のどこか」「日本の原風景」という絵がすぐに創り出せる。地元の方の「協力したい!」という気持ちも伝わってきて、映画の撮影にとても向いています。ぜひ「映画の都」を目指してほしいです。多大なご協力をありがとうございました!
******
2020年「本屋大賞」3位、2019年TBS「王様のブランチ」BOOK大賞を受賞した青春芸術小説『線は、僕を描く』(砥上裕將著/講談社文庫)を実写映画化。
大学生の青山霜介はアルバイト先の絵画展設営現場で運命の出会いを果たす。白と黒だけで表現された【水墨画】が霜介の前に色鮮やかに拡がる。巨匠・篠田湖山に声をかけられ【水墨画】を学び始める霜介。初めての【水墨画】に戸惑いながらもその世界に魅了されていく。
1 多賀大社(多賀町)
多賀大社では、3日間かけ映画の冒頭など多数のシーンが撮影されました。延べ300名のエキストラの方々にも朝早くからご参加いただきました。
2 東近江市 五個荘近江商人屋敷 外村繁邸(東近江市)
霜介と千瑛が筆を取り成長していくシーンや、小道具で作り込まれた湖山の部屋のシーンなどが撮影されました。
3 弘誓寺(東近江市)
4 JR甲西駅(湖南市)
5 滋賀県畜産技術振興センター(日野町)
6 甲賀市役所(甲賀市)
7 草津川跡地公園 de愛ひろば(草津市)
8 成安造形大学(大津市)
******