琵琶湖の水産資源を未来にわたって持続的に利用するためには、『どの種類の魚が、どこで、どんな方法で、どれだけ獲れているか』といった漁獲情報の把握が欠かせません。そこで、滋賀県では全国に先駆け、漁業許可等を所有する全ての漁業者がスマートフォン等で漁獲情報を報告できるシステム「湖(うみ)レコ」を開発しました。琵琶湖からスマート水産業を推進します。
漁獲情報の報告について、現在、本県では紙媒体で行われていますが、漁業者にとって大きな負担となっているだけでなく、集計や報告内容のデータ化にも時間を要しています。漁業者の負担の軽減を図りつつ、漁獲報告の履行と資源評価などに必要なデータ収集を一元的に可能とするシステムが必要とされてきました。
全国的にみても水産資源が長期的な減少傾向にある中、適切な水産資源の管理を行い、資源水準を維持、回復させていくことが重要です。そのため、資源管理は、中長期的に漁獲できる量を増やし、漁業者の所得を向上させるために実施するものであり、漁業者の責務として令和2年に施行された改正漁業法により知事許可漁業等における資源管理の状況等の報告(漁獲情報の報告)が義務化されました。
漁獲できる量が増大すれば、生鮮、加工など需要に応じた生産を行うことが可能となり、その結果、長期的な価格の安定、水産業の成長化に寄与すると考えています。
今後、水産試験場などの研究機関による資源調査と合わせて、漁獲情報を迅速に収集することにより、資源水準(資源が多いか少ないか)と漁獲の強さ(獲りすぎか否か)を評価し、目標とする資源水準に向けて資源管理型漁業を実践します。
これからの資源管理は漁獲を抑える、我慢するだけではなく、資源に余裕のある魚種は、積極的に漁獲し、漁家所得に変えていくことにも重点を置きます。
今回のシステム開発は、漁獲量だけではなく、操業場所や操業の規模も同時に収集できることから、精度の高い資源評価が迅速に可能となるものとして期待できます。漁業者が減少するなか、これまで取り組んできた環境保全や稚魚の放流などに加え、資源管理の強化を図り、少数でも精鋭な儲かる水産業の実現を目指します。
湖レコは、漁獲量等の報告が義務づけられている滋賀県知事の漁業許可所有者または第2種共同漁業権者(小型定置網、ヤナ)およびその行使者が利用できる漁業者専用のシステムです。該当する方には本システムのログインIDとパスワード、利用ガイドを漁業許可申請者等の住所に直接通知しております。
該当される方で、通知を紛失されている等の理由でログインできない場合は、水産課まで御連絡ください。
取得する目的は下記のとおりです。
取得した利用者情報については、以下の場合を除き、外部に送信することはありません。
以下の場合を除き、同意を得ないで取得した情報を第三者に提供することはありません。
漁業者は、琵琶湖のことを「うみ」と言います。漁業者が操業を通じて、水産業から見た今の琵琶湖を記録(record)し、未来につなげたいと思いを込めました。
本システムは、水産庁「漁獲情報デジタル化推進事業」の支援を受け開発しました。