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外来魚駆除対策事業

外来魚問題

滋賀県において有害外来魚として駆除対策の対象としている外来魚

滋賀県では、1985年度(昭和60年度)から外来魚対策を実施しています。現在、駆除対策の対象としている魚種は、オオクチバス、コクチバス、ブルーギル、チャネルキャットフィッシュの4種となっています。

  • オオクチバス

北米原産の外来魚で、全長40~60cm程に成長します。ブラックバスの1種で、名前のとおり口が大きく、上アゴの後端が目の後縁より後方に位置しています。肉食性で、甲殻類や魚類を捕食します。滋賀県では1974年(昭和49年)に彦根市沿岸で初めて確認され、1979年(昭和54年)には琵琶湖全域に拡大し、1983年(昭和58年)頃に大繁殖しました。

バス
  • ブルーギル

北米原産の外来魚で、大きいもので全長25cm程度まで成長します。名前のとおりエラの後端が青く、群れをなして行動し、甲殻類、稚魚、魚の卵等を捕食します。琵琶湖では、1965年(昭和40年)〜1975年(昭和50年)にかけて散見され始め、1993年(平成5年)に南湖を中心に大繁殖しました。その後、生息域を拡大させ、現在では琵琶湖全域に生息しています。

ギル

北米原産の外来魚で、全長30~50cm程に成長します。ブラックバスの1種で、名前のとおりオオクチバスに比べて口が小さく、上アゴの後端が眼球の中心より前方に位置しています。肉食性で、甲殻類の他、魚類を特に好んで捕食します。オオクチバスよりも低水温に強く、流水域にも生息できることから、河川上流の分布拡大が心配されます。1995年(平成7年)に琵琶湖沿岸のマキノ町地先で確認されました。琵琶湖での繁殖は確認されていませんが、密放流と思われる個体が琵琶湖以外の河川やダムで確認されています。

コクチ
  • チャネルキャットフィッシュ

北米原産の外来魚で、全長は50cm前後。大きいものは、100cmを超えます。琵琶湖では、平成13年に長浜市沖で初めて確認されました。湖や池、河川下流域に生息し、比較的深い水底で生活しています。魚類だけでなく、甲殻類、貝類、水生昆虫などを捕食します。琵琶湖内での繁殖は確認されていませんが、洗堰よりも下流の瀬田川では多数採捕されていることから、琵琶湖への侵入と繁殖が懸念されています。

チャネルキャットフィッシュH26
整理表

琵琶湖に生息する外来魚の生息量について

令和4年度当初推定生息量

水産試験場では、琵琶湖における外来魚生息量の推定を行っています。
外来魚生息量は、これまでの継続的な駆除対策により、平成19年には2,132トンであったものが、多少の増減はあったものの概ね順調に減少し、近年は横ばいで推移しています。
令和4年度当初の440トンのうち206トンがオオクチバス、234トンがブルーギルと推定されています。オオクチバスの生息量はブルーギルに比べて減少幅が小さいことから、魚食性の強いオオクチバスの対策を継続して積極的に講じていきます。さらに、ブルーギルについても、生息量は減少しているものの在来魚の卵・仔魚の捕食や餌の競合といった影響が非常に大きいことから、引き続き捕獲駆除を実施していきます。

密放流およびリリースの禁止

外来生物法(特定外来生物による生態系等の被害の防止に関する法律)によってオオクチバス、コクチバス、ブルーギル、チャネルキャットフィッシュ等の放流(キャッチ・アンド・リリースを除く)・飼育・生きたままでの運搬は禁止されています。これに違反すると、個人の場合3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、法人の場合1億円以下の罰金が科せられます。また、滋賀県内全域で、釣り上げたブルーギルやオオクチバス、コクチバスのリリース(再放流)は「滋賀県琵琶湖のレジャー利用の適正化に関する条例」で禁止されています。湖岸の釣りスポットとなっている公園などに外来魚回収ボックスや回収いけすを設置していますのでご利用下さいい。

看板

近年、琵琶湖やその周辺でプレコ、ジルテラピア、ロングノーズ・ガーといった外来魚が立て続けに捕獲されています。これらは観賞魚として飼われていたものが処分に困った末に放流されたものと思われますが、この場合でも、当然ながら処罰の対象となります。個人の都合による安易な判断が、取り返しのつかない重大な結果を招くことになりますので、外来魚の県内水域への放流は絶対に行わないでください。

外来魚問題に対する県の方針

外来魚が琵琶湖で大繁殖した時期に、春季に沿岸帯で産卵するニゴロブナ、ホンモロコ、スジエビ等の在来種が加速度的に減少しています。これは、外来魚の生息域とこれら在来種の産卵場が重なり、孵化した在来種の仔稚魚等が強い食害を受けたためだと考えられます。一方、アユやビワマス等の秋季に河川で産卵する魚種は外来魚の影響が少ないと考えられます。
このように、外来魚は重要な水産資源を食害する他、琵琶湖の生態系に歪みを生じさせるため害魚として捉え、徹底して駆除を進めます。

有害外来魚ゼロ作戦事業

外来魚駆除促進対策

漁業者の皆さんは、エリ(写真)や刺網などを利用して外来魚の捕獲・駆除を行っています。県は事業を実施する滋賀県漁業協同組合連合会に対して経費を補助しています。

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瀬田川ではチャネルキャットフィッシュの捕獲数が急増しています。漁業者の皆さんは、延縄などによるチャネルキャットフィッシュの捕獲・駆除を実施しています。県は事業を実施する滋賀県漁業協同組合連合会に対して経費を補助しています。

捕獲されたチャネルキャットフィッシュ

外来魚回収処理事業

外来魚駆除促進対策事業や外来魚繁殖抑制対策事業で捕獲した外来魚を集荷し、魚粉等の原料としています。これら事業に要する経費を滋賀県漁業協同組合連合会に対して補助しています。

外来魚産卵期集中捕獲事業

近年、ホンモロコやニゴロブナ等の在来魚が増加の兆しを見せています。昭和50年代のオオクチバスは当時豊富に生息していたフナ稚魚を大量に食害して一気に大繁殖しました。その歴史を繰り返さないため、電気ショッカーボート(写真)により産卵期のオオクチバス親魚を集中的に捕獲し、その効果を検証しています。

ショッカー

外来魚の駆除量について

  • 水産課事業での駆除量

平成14年度から外来魚駆除の取り組みを強化しており、外来魚の駆除量は平成19年度には543トンありましたが、最近は90トン程度となっています。

駆除量グラフ
お問い合わせ
滋賀県農政水産部水産課 
電話番号:077-528-3870
FAX番号:077-528-4885
メールアドレス:[email protected]
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