ホンモロコは、琵琶湖固有種であり、春季には湖岸のヤナギの根、水草などに産卵します。この時期の湖岸には、ホンモロコを狙った釣り竿が並びます。しかし、最近では、資源の減少によりこのような風景はあまり見られなくなっています。ふ化した稚魚は、沿岸域で生活し、冬季には沖合の深層で群泳するようになります。
ホンモロコは生まれて半年で全長10cmほどになり、翌春には産卵します。ホンモロコを対象とした漁業は、冬から早春には沖曳網、春から秋には刺網で行われています。
漁獲量は、平成6年ごろまで200〜400トンでほぼ安定していましたが、外来魚の影響や産卵繁殖場の減少などに加え、琵琶湖の水位操作による卵の干出が要因となって、平成7年以降急激に減少しました。滋賀県ではこれらの原因への対処とともに、稚魚を放流し、資源回復に努めており、平成16年には5トンまで落ち込んだ漁獲量は令和元年には32トンまで増加しています(下図)。また、同年以降は南湖でもまとまった産卵が見られるようになってきました。
ホンモロコは、淡泊な味をした白身の魚で、「コイ科の魚類では最もおいしい」と言われる大変おいしい魚です。肉質がよく骨も柔らかいため、素焼きのほか、つくだ煮、天ぷら、南蛮漬けなどさまざまな調理法で丸ごとおいしく食べられます。
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ホンモロコの資源管理について、詳しくは「滋賀の水産(令和4年度)」P.22もご参照ください。
出典:
S29~H21 滋賀農林水産統計年報(近畿農政局 滋賀農政事務所)
H22~R3 漁業・養殖業生産統計(農林水産省)
ホンモロコの推定資源量は、平成27年以降、順調な回復傾向にあります。これは産卵場整備や外来魚駆除、水田を活用した1,000万尾規模の種苗放流、過剰繁茂した水草の除去、産卵期の親魚保護など、様々な取組が集中的に実施された効果と考えられます。
資源回復とともに漁獲量も回復傾向にあるが、コロナ禍で顕在化した需要の低下等により、その伸びは緩やかになっています。