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アユ

コアユ
コアユ佃煮

アユは、琵琶湖漁業全体の漁獲量の4~5割を占め、最も漁獲量の多い漁獲物です。

琵琶湖のアユは、春になって川に上り上流で大きくなるものと、川に上らず、琵琶湖の中で生活してあまり大きくならないものとがいます。

琵琶湖で生活していたアユは、夏の終わりから秋にかけて川に上って産卵を始め、これに少し遅れて川の上流で生活していたアユが下流に下って産卵を始めます。産卵は夜に行われ、一尾のメスに数尾のオスが寄り添い、川底の砂礫(れき)や小石に卵を産み付けます。産卵を終えた親アユは死んでしまいます。産み付けられた卵は、10日から2週間ほどでふ化しますが、ふ化もまたほとんど夜に行われ、生まれたばかりのアユは、そのまま琵琶湖へ下っていきます。

琵琶湖のアユは、コアユと呼ばれているとおり琵琶湖ではあまり大きくなりません。しかし、大正2年に東京大学の石川教授によって多摩川に放流され、河川で大きくなることが初めて確認されて以後、大正13年からは「アユ苗」として、全国の河川に放流されるようになりました。

アユは、河口近くに設置されたヤナやエリを中心に漁獲されており、追いさで漁や刺網漁も行われています。コアユは河川に放流されると「なわばり」を持つ性質が強く、友釣りなどでよく釣れることから人気があります。

県では、アユ資源を維持するために、8月21日から11月20日を採捕禁止期間に定めているほか、産卵にとって重要な河川(8河川)を保護水面として指定し、アユの産卵を保護しています。また、琵琶湖の水位の低下等に対応し、アユの産卵場を確保するために設置した2ヶ所の人工河川において、産卵量の確保に努めています。

琵琶湖の冬の味覚とも言うべきヒウオ(氷魚)は、12月~3月頃にかけて主にえり漁で獲れるアユの仔魚で、釜揚げ等で大変おいしくいただけます。アユ苗としての需要が減少している中、ヒウオの食用としての需要を高める取組も進めています。

滋賀のおいしいコレクション(外部サイト)ではおすすめレシピなどをご覧いただけます。

コアユ

氷魚

ヒウオ
ヒウオ釜揚げ

アユの放流

アユ漁獲量の推移

アユの漁獲量の推移(S29~R3)

出典:

S29~H21 滋賀県農林水産統計年報(近畿農政局 滋賀農政事務所)

H22~R3 漁業・養殖業生産統計(農林水産省)

R1コアユ資源量 漁獲量グラフ

アユの推定資源量は、平成4年以降、全体的には減少傾向にあり、平成17年以降には2,000トンを下回る年が度々生じています。

資源が低水準に陥る原因の一つは餌不足と考えられます。例えば、平成25年、30年の資源量の減少は前年の産卵量の減少によるが、この原因は 1.栄養状態が悪化して親魚が減耗、2.親魚の成長が遅れ成熟せず、3.小型親魚のため抱卵数が少ない、等と推定されます。

これらの年には、産卵用人工河川への親魚放流量を増加して増殖対策を強化しました。

お問い合わせ
滋賀県農政水産部水産課 
電話番号:077-528-3870
FAX番号:077-528-4885
メールアドレス:[email protected]