平成21年度の県税決算は、前年度に比べて約454億円、率にして24.9%と大幅な減収となった。
その主な要因は、法人二税が前年度に比べて約420億円、率にして59.7%の減となったことである。法人二税は、前年度の経済状況の影響を受ける税目であり、一昨年の秋口以降の世界同時不況により、平成20年度中の企業業績が大幅に悪化したことと、地方法人特別税の導入により法人事業税の一部が国税化された影響も加わり、法人二税の税収は大幅な減収となった。
また、前年度の所得を基準に課税される個人県民税についても、景気低迷の影響を受け減収となるなど、その他の税目でも、ほとんどの税目で減収となった。
なお、収入未済額の状況については、下記のとおりである。
平成20年度 | 平成21年度 | 増減 | |
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収入未済額 | 50億6,494万円 | 52億3,358万円 | +1億6,864万円 |
不動産取得税と軽油引取税の法的に認められた徴収猶予を除く | 41億1,941万円 | 44億6,658万円 | +3億4,717万円 |
うち個人県民税の収入未済額 | 25億1,592万円 | 29億8,818万円 | +4億7,226万円 |
平成20年度 | 平成21年度 | 増減 |
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97.10% | 96.10% | △1.0% |
景気低迷や円高・原材料高・株安等の影響により、特に製造業において法人の所得が減少したことや、地方法人特別税導入の影響から、前年度決算額に比べて59.7%の大幅な減収となった。
※地方法人特別税の影響
・平成21年度中に国に払い込んだ地方法人特別税…………68億5,860万円
・平成21年度中に国から受け入れた地方法人特別譲与税…67億8,298万円
→本県の影響額…………………………………………………△7,562万円
<業種別の状況>
◎製造業
すべての業種で減少し、全体では対前年比71.4%の減となった。特に、情報通信機械製造業、窯業・土石製品製造業で大幅な減となった。
◎非製造業
製造業と同様にすべての業種で減少し、製造業と比べ減少幅は小さいものの、全体では対前年比40.8%の減となった。中でも、銀行業で減少幅が大きかった。
維持コストの少ない小排気量の乗用車や軽自動車への買換が進んだことや景気の低迷に伴いバス・トラックの課税台数が減少したことから減収となった。
景気低迷が続き、トラックによる貨物輸送も低迷したことに伴い、軽油需要が減少したことから、前年度を下回った。
景気低迷に伴う個人消費の停滞を受け、消費税の納付額が減少したことにより、地方消費税も減少した。
なお、清算後の実質収支については、前年度の納期限が休日にあたる影響により、前年度に払い込まれるべき清算金が平成21年度の収入となったため、対前年度比102.5%と増加した。
<参考>清算後の地方消費税229億5,033万円……+5億6,523万円 (+2.5%)
家屋・土地の所有権移転を伴う取引は大幅に減少したものの、大口の新築が増加したことから、前年度をやや上回った。
健康志向から喫煙率が低下傾向にあり、売渡本数が減少したことから、前年度を下回った。
エコカー減税や環境対応車への購入補助金の効果により、乗用車の新規登録台数は前年に比べ増加したものの、エコカー減税により非課税車および軽減税率適用車が増加したため、大幅な減少となった。
景気低迷に伴う個人消費の停滞を受け、物品販売業や請負業などで課税人員および所得額が減少したことから、減収となった。
利用料金の引き下げにより、利用者は伸びたものの、一人当たりの税額の低下し、前年度並となった。
主に郵便貯金において、定額貯金(10年満期)の預け入れ時の利率が前年度より低い影響を受け、支払利子が前年度を下回ったことなどにより、前年度より減少した。
県外中間処理業者からの産業廃棄物の搬入量は減少したものの、県内製造業による搬入量が増加したことから、前年度に比べて微増となった。
平成20年度 | 平成21年度 | |
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課税標準量 | 71,816トン | 74,769トン |
鉱区税、狩猟税ほか。
6億8,306万円……+273万円(+0.4%)平成18年度に導入された琵琶湖森林づくり県民税(法人県民税および個人県民税均等割に上乗せして課税)は、納税義務者の増により前年度をやや上回った。
【資料】