平成19年度の我が国経済は、海外需要の拡大を背景に輸出を中心として企業部門が堅調に推移したことから、緩やかな景気の回復が続いたが、下期後半には原油高やアメリカ経済におけるサブプライムローン問題などの影響が顕著となり、景気は足踏み状態に入った。
このような中、本県では、主力の法人二税が製造業を中心として企業業績が好調であったことから、増収となり、また、法人二税以外の税目でも、新車販売台数の減少等により自動車取得税が減収となるなど数税目で減収となったものの、国からの税源移譲により個人県民税が大幅に増えたことなどにより、大きく増収となった。
こうしたことから、県税全体では前年度決算額に比べて21.5%の増となり、5年連続で前年度決算額を上回り過去最高となった。
(平成18年度決算額 1,575億3,026万円)
(平成19年度現計予算額 1,895億6,000万円)
全体で6億5,650万円の増加となったが、不動産取得税と軽油引取税における法的に認められた徴収猶予のために未収となった額を除く実質的な増額は、5億1,594万円となった。
これは税源移譲により個人県民税の課税がほぼ倍増したことに伴い収入未済額が約6億9千万円増加したことよる。
なお、個人県民税を除く他の税目では1億7,302万円減少している。
税務の職場を挙げた滞納処分強化の取り組みにより引き続き収入歩合は改善した。
平成14年度(387億6,668万円)以降、5年連続の増収となり、過去最高額である平成2年度(773億978万円)に次ぐ水準となった。
薄型テレビ用ガラス製品や家電製品などの海外需要の高まりを背景に窯業・土石製品製造業、電気機械器具製造業、情報通信機械器具製造業をはじめ、一般機械器具製造業や輸送用機械器具製造業などで増収となり、製造業全体の現年課税分は対前年度比約22%の増となった。
価格競争の激化している情報通信業・運輸業と金融業で減収となったことなどが影響し、非製造業全体の現年課税分は対前年度比約1.4%の増にとどまった。
平成18年度 | 平成19年度 | 前年度比 | |
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納税義務者数 | 65万9,851人 | 67万3,136人 | 2.00% |
1人当たり税額 | 39,382円 | 78,247円 | 98.70% |
原油価格の高騰に伴い普通乗用車から軽自動車への買い換えが進み、課税台数は減少したものの、グリーン化税制の改正で軽減額が減少し重課額が増加したことから全体として微増となった。
平成18年度途中に販売業者が新規開業したことに伴い特約店からの申告納入数量が大幅に増えたことや、18年度末の法的に認められた徴収猶予分にかかる納期限が土日であったため18年度から繰越され、19年度に収入されたことから増収となり前年度を上回った。
個人消費の停滞や県内大手企業の輸出増にともなう還付額の増加により、譲渡割が減収したことから、全体として微減となった。
なお、清算後の実質収支についても、対前年度比99.0%とわずかに減少となった。
工場、病院等の大規模な非木造家屋の新増築が増加したことから、前年度を上回った。
原油価格の高騰に伴う自動車販売台数の減少や買い替えサイクルの長期化などの影響から減収となった。
健康志向から喫煙率が低下傾向にあるものの、18年度7月に引き上げられたたばこ税率が19年度から通年で適用されたことから、全体として前年度をわずかに上回った。
物品販売業で減収となったが、貸屋需要の拡大を背景に不動産貸付業や請負業で課税人員および一人当たりの調定額が増加したことから、全体として増収となった。
郵便貯金において、10年もの定額貯金の預け入れ当時の利率が前年度より低下していたことから、19年度に発生した支払利子が減少したものの、銀行預金利子が大幅に増加したため全体として前年度を大きく上回った。
利用料金の引き下げにより一人当たりの税額が低下傾向にあることに加えて、降雪によるクローズのため冬季の利用人員が落ち込んだことから、前年度を下回った。
県外中間処理業者からの産業廃棄物の搬入が大幅に減少したことから、前年度に比べ大きく減収となった。
平成18年度 | 平成19年度 | |
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課税標準量 | 110,589トン | 72,620トン |
鉱区税、狩猟税ほか。
平成18年度に導入された琵琶湖森林づくり県民税(法人県民税および個人県民税均等割に上乗せして課税)は、個人県民税均等割分で経過措置にかかる税率が引き上げられた(200円→500円)ことや法人県民税均等割分で19年度から全法人に適用されたことなどにより増収となった。