食品添加物は、保存料や甘味料など、食品の加工・保存等を目的に広く使用されており、多様で豊かな食生活を送るためには必要不可欠なものとなっています。
その一方で、一般消費者の皆様を対象に毎年実施している県政モニターアンケートでは、食品添加物に不安を感じているという回答が多く挙げられています。
そこで、将来食に携わる職業に就く可能性がある学生の皆様にご参加いただき、食品添加物に対して相互理解を深めることを目的とした意見交換会を開催しました。
令和5年12月20日(水曜日)13時00分から15時30分まで
立命館大学びわこ・くさつキャンパス
滋賀県
立命館大学食マネジメント学部
41名
13:00~13:05 開会あいさつ・オリエンテーション
13:05~14:05 話題提供
「食品添加物の役割とその安全性」
講師:一般社団法人日本食品添加物協会 常務理事 川岸昇一氏
14:05~14:15 休憩
14:15~15:15 グループワーク (意見交換・発表)
15:15~15:25 講評・質疑応答
15:25~15:30 閉会・アンケート
【質問1】
食品添加物に対して、今までどのような印象を持っていましたか?
【主な発表内容】
・極力摂取しない方が良い。摂取し過ぎると身体に悪い。
・授業等で習っていたので、そんなに危険なイメージはない。必要なものである。
・元々気にしていない。
【質問2】
今日の講義を聞いて、食品添加物に対する印象は変わりましたか? 印象が変わった場合は、どのように変わりましたか?
【主な発表内容】
・ネガティブな印象が先行していたが、大量摂取しない限り身体への影響はないことが分かった。
・印象に変わりはないが、国による管理が重要であると感じた。
・メディアによって印象操作が行われていると感じた。
※参加者をアイスクリームの製造会社の従業員であると仮定し、消費者から「食品添加物に不安を感じる」という旨の相談があった場合にどのように回答するか意見交換し、発表を行って頂きました。
【消費者からの質問1】
アイスクリームにはどんな食品添加物が入っていますか? それぞれの添加物にはどんな役割がありますか?
【主な発表内容】
・安定剤、乳化剤、香料が含まれています。
・安定剤にはアイスクリームの形を保ち、舌触りを良くする働きがあります。
乳化剤にはアイスクリームに含まれる乳脂肪などを均一に混ぜる働きがあります。
香料にはアイスクリームに特有の香りを付け、魅力を増す働きがあります。
【消費者からの質問2】
食品添加物の入ったアイスクリームを子どもに食べさせても大丈夫ですか?
【主な発表内容】
・科学的な試験により人間が毎日食べ続けても問題ない量が定められており、それに則って更に少ない量が定められています。子どもにも毒性のない量で食品添加物を使用しているため安全です。
・当社のアイスクリームに含まれている食品添加物は安全性が確かめられており、製造にあたっては必要なものを必要な量だけ使用しています。余計なものは入れていません。
・食品添加物に含まれる物質により、子どもがアレルギー反応を示す可能性もあるので、最初に少量だけ食べさせるか、医師に相談する等してください。
※その他にも、消費者に安心して食べてもらうため、「食品添加物の歴史を説明する」「健康被害の事例がないことを説明する」「食品添加物が何からできているか説明する」等の意見が出ました。