ふぐには有毒部位があり、これを喫食すると、呼吸困難や運動麻痺等の症状を呈し、最悪の場合死亡に至ることがあります。
全国では、自分で釣ったふぐを調理(自家調理)して喫食することによる重症事例や死亡事例が例年発生しており、令和4年は、ふぐの毒による食中毒が全国で10件発生し、患者は11名(うち死者は1名)です。滋賀県内では、近年、ふぐの毒による食中毒は発生していません。
滋賀県では、ふぐの毒による食中毒の発生を防止するため、「滋賀県ふぐの取扱いの規制に関する条例」を定め、ふぐの適正な取扱いの確保を図っています。
令和5年3月22日付けで「滋賀県ふぐの取扱いの規制に関する条例」および同条例施行規則の一部を改正し、令和5年6月1日からふぐの取扱いに関する制度が変わりました。詳細は下記をご覧ください。
厚生労働省により、食べることができるふぐの種類、部位等が定められています。
この表で「○」がついているフグの種類の部位は食べることができますが、それ以外の部位および表に記載されていない種類のフグの全ての部位(筋肉、皮、精巣を含む)は有毒部位に該当するため、絶対に食べてはいけません。
令和5年3月22日付けで「滋賀県ふぐの取扱いの規制に関する条例」および同条例施行規則の一部を改正し、令和5年6月1日からふぐの取扱いに関する制度が変わりました。
変更内容は以下のとおりです。
・ふぐ調理師免許をお持ちの方は、今回の制度の変更に係る手続きは不要で、引き続き、ふぐの処理を行うことができます。
・氏名や住所の変更があった場合は、これまでと同様に届出が必要です。(免許証の書換えや再交付を行う場合は「ふぐ処理者免許証」を交付します)
・ふぐ処理者の免許申請には調理師免許は要しません。
令和5年5月31日まで | 令和5年6月1日から | |
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ふぐの処理※ | ふぐ調理師免許が必要 | ふぐ処理者免許(ふぐ調理師免許)が必要 |
ふぐの調理、加工※ | ふぐ調理師免許が必要 | 資格は不要 |
※「ふぐの処理」は有毒部分を完全に除去すること、「ふぐの調理、加工」は有毒部分が除去された後のふぐを調理、加工することを指します。
・いわゆる身欠きふぐについては、今回の改正により規制の範囲ではなくなり、ふぐ処理者(ふぐ調理師)の免許をお持ちでない方も調理、加工することができるようになりました。
・ふぐ処理者(ふぐ調理師)以外の方が身欠きふぐの調理、加工を行う場合は、有資格者によって処理され、有毒部位が確実に除去された身欠きふぐを仕入れなければいけません。
・既に届出済みのふぐ取扱施設は、今回の制度の変更に係る手続きは不要で、引き続き、ふぐの処理を行うことができます。
・施設の名称など届出済証の記載事項に変更があった場合は、これまでと同様に届出済証の書換え申請が必要です。(届出済証の書換えや再交付を行う場合は「ふぐ処理施設届出済証」を交付します)
・令和5年度から「ふぐ処理者試験」を行います。
・受験資格(調理師免許を取得していること)は設けません。
・国の認定基準に併せて、学科試験の科目「食品衛生学」を「水産食品の衛生に関する知識」に変更し、実技試験から調理に関する内容を除く等の変更を予定しており、詳細は令和5年10月頃に滋賀県ホームページ等で改めてお知らせします。
※ふぐの処理に関する内容はこれまでの試験と同水準の内容としますので、食品としてのふぐの安全性はこれまでと変わらず確保されます。
・飲食店営業許可をもつふぐ処理施設では、調理師をおくよう努めなければならないこととしました。
・ふぐの毒による食中毒の発生防止のため、未処理のふぐを一般消費者に販売することはできません。
滋賀県で免許を受けたふぐ処理者(ふぐ調理師)以外は、業としてふぐの処理に従事してはいけません。
ただし、ふぐ処理者(ふぐ調理師)の立会いの下に指示を受けて従事することは可能です。
他の自治体でふぐの処理に関する免許等を有する者であっても、滋賀県内で業としてふぐの処理に従事する場合は、滋賀県のふぐ処理者免許(ふぐ調理師免許)が必要です。
ふぐの処理をしようとする者は、あらかじめ、ふぐ処理施設ごとに、知事に届け出なければいけません。
また、ふぐ処理施設の営業者は、滋賀県が交付する「ふぐ処理施設届出済証」(ふぐ取扱施設届出済証)をふぐ処理施設内の見やすい場所に掲示しておかなければいけません。(条例第15条)
ふぐ処理者は、業としてふぐの処理に従事するに当たり、次の事項を遵守しなければいけません。
ふぐは、処理したものでなければ、食品として販売してはいけません。
ただし、ふぐ処理者、ふぐ処理施設の営業者、魚介類販売業者・魚介類競り売り営業者への販売は認められています。