ノロウイルスはヒトの小腸粘膜で増殖するウイルスです。
「ノロウイルス」は2002年8月、国際ウイルス学会で命名されましたが、元は「SRSV(小型球形ウイルス)」と呼ばれていました。
ノロウイルスは、冬季を中心に、年間を通して胃腸炎を起こします。また、60℃・10分程度の加熱では病原性を失わず、逆性石鹸や一般的な消毒用アルコールに対しても抵抗性があります。
ノロウイルスは直径約30~40ナノメートルの球形で、表面をカップ状の窪みをもつ構造蛋白で覆われ、内部にプラス1本鎖RNAを遺伝子として持っています。
ヒトに感染する主要なノロウイルスは、現在2つの遺伝子群(GIとGII)、さらにGIは9種類(GI.1~GI.9)、GIIは22種類(GII.1~GII.22)の遺伝子型に分類されています。
過去には生カキによる事例が最も多く報告されていますが、近年では、ノロウイルスに感染した調理人の手指を介して二次汚染した、広範囲な食品による食中毒事例が見られます。中には、湧き水や井戸水によると推定された事例もいくつか報告されています。人から人への感染によると推定される事例もみられますが、このようなケースでは家庭や施設内などで吐物や糞便などが飛び散ったような場合が考えられます。
患者便や吐物中には大量のノロウイルスが排出され、2~3 週間程度の期間排出が続き、不顕性感染者にあっても同様にウイルス排出が認められることから、二次汚染が起こり易い性質を有しています。
ノロウイルスの電子顕微鏡写真
(国立感染症研究所ホームページより転載)
人の最小発症ウイルス量は10~100個程度と推定されます。
失活させるには、中心部が85℃~90℃で90秒以上の加熱が必要です。
【ふん便、吐ぶつ等】次亜塩素酸ナトリウム約0.1%の消毒液
【器具、設備等】次亜塩素酸ナトリウム約0.02%の消毒液
24~48時間
吐き気、腹痛、下痢、嘔吐、発熱(38℃以下)。成人では下痢の発生率が高い傾向がみられます。
下痢は水様便で、通常血便はみられません。
初期症状として最も多く発現するのは吐き気で、次いで腹痛、下痢、嘔吐の順との報告が多くなっています。
腹痛、軽度の発熱がみられることもありますが、通常、呼吸器症状はみられません。通常、3日以内で回復します。