日 時
平成30年10月31日(水曜日) 14時30分 ~ 16時50分
場 所
滋賀県危機管理センター1階 プレスセンター
参 加 者
県内の大型食品販売店の複数店舗統括者、店長等 17名
実施概要
(1)講演(14時40分~14時55分)「腸管出血性大腸菌の基本知識と対策」
講師:龍谷大学農学部食品栄養学科 准教授 田邊公一 氏
(2)模擬訓練(14時55分~16時50分)
架空の大型食品販売店を想定し、調理し販売した惣菜を購入した消費者から、下痢、腹痛等の食中毒様症状を呈した旨の情報を探知した時の初動対応、施設が講じるべき被害拡大防止措置および再発防止対策について3~4名のグループで与えられた課題を討議しました。
実施結果
(1)講演
「腸管出血性大腸菌の基本知識と対策」について、腸管出血性大腸菌食中毒の特徴(症状、感染経路、事例紹介等)、腸管出血性大腸菌食中毒対策(調理器具の洗浄および手袋着用時の留意事項等)について講演を行いました。
【講演の様子】
(2)模擬訓練
<フェーズ1>初動対応
参加者を大型食品販売店の店長と仮定し、販売した惣菜を購入した消費者およびその家族から複数の有症者が発生したという想定に対し、その日の食品の販売についてどのように対応するかグループ討議しました。
さらに、同系列食品販売店が販売した惣菜を購入した消費者からも同様の症状を呈する者が発生したという情報を受け、販売した惣菜による食中毒の可能性を検討するために、何を確認する必要があるのか、また、自店舗で販売した食品による食中毒が疑われる場合は、被害の拡大を防止するためにどのように対応するかグループ討議しました。
【フェーズ1の状況】
<フェーズ2>再発防止対策
フェーズ1の後、保健所による患者および施設調査が実施され、大型食品販売店で販売された食品が原因の食中毒と断定された後、判明した調査結果をもとに食中毒の原因と大型食品販売店を再開するにあたっての再発防止対策についてグループ内で討議しました。
【フェーズ2の状況】
【フェーズ1、2の討議および発表の様子】
【訓練全体を通して】
フェーズ1では、消費者から複数の有症者が発生している状況を受け、どのように対応するかを討議した結果、有症者が食べている食品の共通食材を使用している食品の販売を中止、上司や行政への報告や多店舗の状況確認などの対応方法が挙げられていました。
また、販売した食品による食中毒の可能性を検討するためには、本部との情報共有や従業員の健康チェック・製造記録の確認、残品の検査等が挙げられました。
さらに、被害拡大を防ぐための措置としては、共通食材を使用した食品の販売中止や該当食品の回収などリスク低減を図られていました。
フェーズ2では、どの班も、前提条件から的確に状況を捉え、食中毒の原因究明、再発防止対策について提言をされていました。特に、調理マニュアルや手洗いの徹底を挙げる班が多くみられました。
訓練全体を通して、すべての課題について各班で活発な討議が行われていました。今回の実践的な訓練が、自施設の危機管理体制等について再考する一つの機会となることが期待されます。
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