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キノコによる食中毒に注意しましょう!

夏の終わりから秋にかけて、野山を散策してキノコ狩りを楽しむ機会が多くなります。

国内では毎年、毒キノコを誤って食べてしまったことによる食中毒が発生しており、注意が必要です。

令和5年も、全国的にツキヨタケ、テングタケ、 ドクツルタケ等の毒キノコの誤食による食中毒事例が報告されています。

滋賀県では過去に、ツキヨタケ、クサウラベニタケ、イッポンシメジ、カキシメジ、ヒカゲシビレダケによる食中毒が発生しています。

食用キノコの鑑別は専門家でも難しいことがありますので、素人判断で安易に野生のキノコを食べたり、人にあげたりするのはとても危険です。

下記のポイントに注意して、キノコによる食中毒を予防しましょう!

キノコによる食中毒予防のポイント

食用のキノコと確実に判断できないキノコは

  • 絶対に採らない!
  • 絶対に食べない!
  • 絶対に売らない!
  • 絶対に人にあげない!

参考

過去の事例1

平成26年9月20日、県内の特産品販売所で販売されたキノコを調理した食事を食べた14名のうち13名と、キノコを食べた出荷者の知人2名の計15人が、約1~4時間後に嘔吐、腹痛等の症状を呈するという食中毒が発生しました。

ツキヨタケは激しい腹痛と下痢・嘔吐を起こします。

ツキヨタケは主として山地のブナ帯の倒木に生え、傘の色はシイタケに似ていますが、柄を割ると基部に青黒色のしみがあるので区別できます。(まれにしみがないものもあります。)

また短い柄が傘の側方につき、ひだは発光します。シイタケとは臭いが異なり、胞子の形も異なります。(シイタケは楕円形,ツキヨタケは球形。)

ツキヨタケ 学名:Omphalotus guepiniformis

[特 徴]

  • 食用のシイタケ、ヒラタケやムキタケに似ている。
  • ブナやカエデ類の枯れ木に生える。
  • 短い茎が傘の横につき、茎を裂くと根元の肉に青黒いしみがある。 (まれにしみがないものもあります。)
  • ひだは、新鮮なものであると黄白色に発光する。
[症 状]
  • 食後30分~3時間で嘔吐が高率に見られ、他に腹痛、下痢が見られる。
  • 物が青く見える色彩幻覚を伴うこともあると言われている。

ツキヨタケ

学名:Omphalotus guepiniformis

ツキヨタケ1
【写真提供:滋賀大学】
ツキヨタケ2
【写真提供:滋賀大学】

過去の事例2

平成22年10月15日、甲賀市内の男性が山でキノコを採取し、16日の朝に自宅で味噌汁にして食べたところ、男性を含めた家族3人が約1時間半後に、むかつき、嘔吐、下痢等の症状を呈するという食中毒が発生しました。

また、10月19日には、東近江市内の男性が山でキノコを採取し、近所におすそ分けしたところ、男性の家族を含めた3家族5人が、約1時間半後に、吐き気、嘔吐等の症状を呈するという食中毒が発生しました。

専門家に鑑定を依頼したところ、どちらの事例も、食べたキノコは「クサウラベニタケ」であることが判明しました。

クサウラベニタケ 学名:Entoloma rhodopolium

食べられないキノコの写真

[特 徴]

  • 傘は径3~10 cm程度で比較的小型~中型。 やや鐘形から平らに開き、表面は平滑、ねずみ色で、 乾くと絹のような光沢をあらわす。
  • ひだは初め白色のち肉色となり、やや密。
  • 柄は5~10 cm、ほぼ白色で中空。
  • 肉は薄くてもろい。
  • 粉臭さとガス臭さがあるが,苦みはない。
  • 夏~秋に、広葉樹林やマツの混じった林内地上に発生する。
  • 間違えやすい食用キノコ:ウラベニホテイシメジ、ホンシメジ、ハタケシメジ
[症 状]
  • 嘔吐、下痢、腹痛などの胃腸などの消化器系中毒を起こします。

よく似ている食用きのこ:ウラベニホテイシメジ

柄はクサウラベニタケとは対照的に太くしっかりしている。
食べられるキノコの写真
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