次のとおり
事務局から資料の確認をした。
会長:本日は予め御案内したとおり、前回検討いただいたものが委員会として必ずしも結論には至らなかったので、ある程度御議論いただいた部分をもう一度事務局でまとめていただいた上で、この委員会で内容を詰めていきたい。そこで今日は、前回の委員会での御意見を踏まえて、それに基づいて事務局案を作っていただいたものが既にお手元に届いているかと思う。前回の議論のまとめの資料A、それから手順を整理していただいたのが資料Bということで用意していただいたので、まずは資料の説明をお願いしたい。その後、委員の皆さんと議論を進めて、事務の流れ・選考方法についての当委員会の結論を出していきたい。それでは、事務局から説明をお願いする。
ア.事務の流れ
イ.審査・選定方法
事務局:(資料Aを適宜読み上げる形で説明)
会長:前回のまとめということであった。これは今日御議論いただく際の資料として見ていただきたい。この内容云々というよりは、事務局に整理してもらったものに集中して議論したいので、そちらの方について事務局から御説明願いたい。
事務局:では、資料Bについて説明したい。事務の流れ・選考方法についてである。左半分は前回ワークシートを示したので、その横にいただいた意見等を含めて事務局の案としてまとめた。
基本的に応募型と創造型は同じスケジュールでいきたい。実際の年度で表示している。時期的には21年1月~2月ぐらいにテーマの庁内公募・決定をしたい。※印があるが、前年度の説明会とか意見交換会のようなものはしないようにさせていただきたい。新年度になって、4月中旬~5月下旬までの間に提案募集・受付をし、4月中下旬に説明会を2回程度考えている。その後、担当課との相談会を行う。6月上旬には資格審査をさせていただく。これは、例えば宗教活動とか政治活動をやっていないかどうか、そういう部分を事務局がチェックする。6月中下旬には担当課への意見照会をし、回答をもらう。7月上旬には第1次審査(書類審査)をし、通過提案者と担当課との協議を行い、第2次審査に向けて修正等をしていただく。7月中下旬には書類審査の終わったものの結果概要を公表する。8月下旬には第2次審査としてプレゼンテーションと最終選考を行う。プレゼンテーションは公開、最終選考は非公開で、同日にさせていただきたい。9月上旬には採択提案の決定をする。同じく上旬には、第2次審査の結果概要を公表する。この時点で第2次審査を通過したものは、9月中旬から10月上旬、予算編成の前に担当課と詳細の協議をしていただく。提案団体との協議については吹き出しをつけたが、原則として団体提案は実施も同一団体とし、個人提案には翌4月に実施団体を募集するという流れになる。11月中旬にそれぞれ原課で予算要求をする。年明けて最初に戻るが、庁内公募でテーマを募集・決定する。これは毎年同じような流れになる。1月中旬に予算内示があり、それを受けて予算が公表され、団体等と再度調整をしたり、個人提案の実施団体募集の準備をこの時点から行う。3月中下旬に県議会で予算が通過した段階で、それ以降4月はじめから団体提案の事業を実施する。併せて、個人提案については実施団体を募集し、団体を6月中旬には決定する。個人提案の事業実施は団体提案より少し遅れるが、7月ぐらいにはそれぞれで実施してもらえるかと思う。それぞれ事業が始まっているので、10月上旬・下旬には中間評価を双方で行い、中間報告会も開催する。3月末には事業が終わっているので、そこで実施後評価をし、4月中下旬に成果報告会を行う。そのときに、23年度の募集説明会もさせていただく。全体はこういう流れになるかと思う。
関連するので、引き続いて審査・選考方法についても事務局案を説明する。審査機関について委員構成をどうするかであるが、できるだけ内外の委員で構成する審査委員会を設けるということで、例えば構成員として、協働について学識経験がある大学教授、淡海ネットワークセンター職員、経済団体代表、一般公募、そして私どもの所管する担当部局の職員が入って審査することになるかと思う。また、個々の部会等の要否については、第1次審査、第2次審査を行う機関は上の審査委員会のみでよいのかなと思う。ただし、事務局による資格審査を経た提案に対する担当課としての意見は、第1次審査の参考として調整していただくことはあるかと思う。また、第1次審査を通過した提案者は、担当課との協議の結果必要に応じて提案内容を修正していただき、当初案よりもその時点で検討していただいたものが公開プレゼンテーションで優れていれば、最終選考でこれを加味する。審査の種類については、事務局による資格審査、第1次審査の書類審査、第2次審査のプレゼンテーションと最終選考を考えている。
審査基準・評価項目についてであるが、資格審査は提案者について個人、団体を問わないが、社会的に問題のある組織等を除外する規定は設けなければならないだろうと思う。その他応募資格要件は、合理的な理由に基づく規定を除き、できるだけ対象者を絞らない方向で検討する。第1次審査の書類審査で見る項目であるが、〔1〕は「法令等の制約」ということで、事業実施にあたり、法令等に違反するなど実施上の制約はないか。〔2〕の「公益性」については、受益者が特定の地域や人に限定されず、広く波及効果を持つ事業であるか。場合によって、仮に地域的な事業であっても、後々県域に拡がる可能性を持っているか。モデル的な事業になっているかということだと思う。〔3〕の「協働の必要性」は、県と他の主体が協働で取り組むことによって、より大きな成果が期待できる事業であるか。〔4〕の「課題認識と事業の有効性」は、課題を的確に把握し、事業の内容・方法がその解決に有効なものと認められるかどうか。これらが第1次審査で見ていただく内容であると考えている。第2次審査では、〔1〕の「実施の可否」についてであるが、個人提案については県と協働して取り組もうとする団体が県内に見込めるかどうか。個人から提案していただいても、実施する段階でやれる団体がないと困るので、そういう判断が必要であると思う。団体提案の場合は、事業遂行能力があり、協働の相手方として信頼の置ける団体であるか。〔2〕として「実現可能性」は、役割分担が明確で、事業の実施体制・スケジュールが適当に組まれているかどうか。〔3〕の「経済性」は、経費の積算が適当か。また、県が単独で実施するよりも費用対効果が大きいと期待できるかどうか。〔4〕の「協働企画力」は、第1次審査後の担当課との協議を踏まえ、その後内容を修正し、より優れた内容に更新して提案したかどうか。このあたりが、審査していただく内容であると思う。審査については、審査項目ごとに配点を定めて総得点で採択を決めることになるかと思う。
併せて情報公開についても説明する。提案段階では、特に公表はしない。審査段階に入り、第1次審査後、通過提案者(団体)名、事業名、総提案数を公表する。選に漏れた提案者が希望する場合は、順位・点数、審査委員会での主な意見を個々に知らせる。第2次審査のうち、プレゼンテーションは公開とする。最終選考については、採択提案の提案者(団体)名、事業名を公表する。選に漏れた提案者が希望する場合は、順位・点数、審査委員会での主な意見を個々に知らせる。
評価については、中間評価と実施後評価を行い、どちらも県・実施団体双方による自己評価とする。評価の時期に合わせて中間報告会、成果報告会を公開で行う。自己評価と報告会の内容に基づき、審査委員会の委員が事業評価をする。この後、評価については検討していただくことになる。全体の流れとしてはこのようになるかと思う。
会長:前回御意見をいろいろといただき、提案をいただく手順について、お手元のような形にまとめていただいた。ポイントのひとつは、審査委員会を設けて審査をやること。もうひとつは、年度初めに提案の募集を始めて、夏あたりに提案の審査をやり、秋には予算要求時点で具体化の協議をすること。それを繰り返すことになる。3つめに、当委員会で問題になっていたが、応募型・創造型については、基本的には同じ流れで考えていっていいのではないかということ。なお、個人提案については、実施していただく方が具体的に想定ができそうなものについては、同じ流れの中で扱い、新年度に事業決定をした段階で、団体の募集をするという流れで作られた。募集ができるだけ早いほうがいいということはあるかもしれないが、おおよそこういう流れである。ちょっと忙しいところもあるし、原課で十分対応できるかということはあるが、こういう流れで前回の議論を事務局として整理していただいた。
こういう事務の流れと審査体制について御意見をいただきたい。どこからでも良いので、気になるところから御意見をいただきたい。
協働コーディネーター:資格審査という言い方が気にかかる。内部的には良いが、対外的にはあまりどうかと思う。個人は別として該当する団体かどうかということであり、要件を示すので、実際審査といっても、団体概要を書いてもらった時点で良いか悪いかということは判断できる。できれば事業計画を出すまでに、だめな団体を最初に排除してしまう流れの方がよい。これだと、例えば書類が出てきた後であなたの団体はだめだということになる。実務的にはそういうこともあり得るのかもしれないが。
会長:むしろ、資格審査は入れなくてもいいのではないか。要するに、条件に適った書類が出てくれば適切な団体ということになるはずだから、もとももとそういう団体を排除するような応募条件になっているので、敢えて資格審査という言葉を入れなくても、そういう書類がそもそも受け付けられるかという段階で判断できるわけだから。
協働コーディネーター:まずそういう団体は受け付けられない。
会長:そうである。別に言葉にはしなくても良いと思う。ただ、もちろん政治団体とか暴力団とかを排除する要件は明記しておく必要はあると思う。
委員:2点ある。まずひとつは、「公開プレゼンテーションは結構手間がかかる」と書いてあるが、プレゼンテーションの方法が今ひとつ具体に書いていない。もうひとつ、私としては、協働の継続性を審査項目に入れる方がいいと思う。一発性なのは意味がない。継続できてなおかつ推進、どんどん良くなるという、そういうポイントも欲しい。
会長:プレゼンテーションは特にどういう形式というのは議論しなかったが、事務局はどうか。
事務局:通常プレゼンテーションというのは、その団体がどれだけうまくパワーポイントなどを使ってアピールできるかということで、それで表現できるという部分もあろうかと思う。特にこちらから何でしろということはない。
会長:大事なのは、審査する側と応募した側が直接顔を合わせる機会がこういう場しかないので、一度はこういう機会は要ると思う。公開プレゼンテーションは、現実には手間もかかるし、双方にとって負担なので、どういうふうに合理的にやるか工夫の余地はある。協働コーディネーターは、なかなか難しいとおっしゃっていたがどうか。あるいは、公開プレゼンテーションをそもそもやる価値というか、いろいろ議論のあるところだが。
協働コーディネーター:今の流れとしては、やることになると思う。ただ、ボリュームがどれだけになるかという問題があるし、そのときに書類にどれだけ比重を置くかという話である。応募があまりないのなら、書類審査を飛ばしてプレゼンテーションに力を入れたら良いが。実際どういう動きがあるか実務的に見ないと分からない。結構手間ではある。審査する側になったら、書類だけではなかなか判断できない。ただ、公開プレゼンテーションまでいけば、通ると思う人が多い。
会長:今回、応募型はプレゼンテーションで通っても、その後最後の議会の議決までいろいろ山があるので分かっていただくしかない。
協働コーディネーター:その間に、予算の段階で金額が落ちることもあり得る。審査会としては、これは難しいのだが、ふつうの助成金ならボリュームというか枠が決まっているのだが、これをどこまでやるのか。基準を決めて該当していたら全て良しとすると、金額的には膨れ上がる。これは本当は内部の話かもしれない。1億までとか。そんなにあるかどうか分からないが。
会長:それはむしろ、協働提案の枠組みをどういうふうにするかということでもある。基本的には青天井で良いかと思う。むちゃくちゃな値段は付けられないと思う。
協働コーディネーター:それから、審査員の構成の中に「淡海ネットワークセンター」と書いてあるが、「中間支援組織」という言い方の方が良いと思う。
会長:固有名詞は出ない方が良いかもしれない。
協働コーディネーター:公開の報告会は、おうみNPO活動基金では中間報告会をやっているが、これに中間報告まで要るのかどうか。
会長:中間報告を例えば文書ベースでするのは必要としても、報告会まで開くかどうかは検討の余地がある。
協働コーディネーター:協働の相手方である県庁内の各部局がしっかりやっていれば、事業の進捗自体は分かるのだが。外に開くという意味で、書類で何かをやってHPで公開すればいい。報告会そのものをやるのは重いと思う。
委員:ただ、報告会を開くことによって、別の部署がその提案報告を聞いて別の事業に活かすということはある。
協働コーディネーター:最終報告会は要ると思うが、中間報告はどうかということである。
会長:2回やるのはどうかということである。
委員:その分、仕事に力を入れた方が現実的である。
会長:応募される側もそのような感じかと思う。
委員:各団体に入って現地調査をすればいい。
会長:審査する側、あるいは担当部署が現地に入ってお話を聞くということがあっても良い。そういうことも含めて、中間報告を求めるとかチェックをするのは審査としては良いかもしれない。
事務局:担当部局は、当然中間以外にも協働なのだから実施中は関わると思う。千葉県のように、評価委員が現地に行って確認するとなると大変である。
会長:協働しすぎて大変である。活動しておられる側も何だということになるかもしれない。委員がもうひとつおっしゃった継続性という視点はやはり大事なので、もちろん事業の性質にもよるし、その年度だけで確立する事業もあるが、今後もそういうスキームで進めた方が良いというものについては、そういう継続性が確保できるかという視点も評価として大事であると思う。もちろん、継続性のある提案をしてその団体がやるかどうかは別の視点であるが、それは致し方ない。
委員:いつも、NPOのいろんな団体の顔を頭に浮かべて来ているが、ひとつ思ったのは、NPOが提案して個人提案のように他のNPOが受けるということもあるかと思う。というのは、理念型のNPOもあるので、実際事業はしないけれども提案をしたいというところもあると思う。
もうひとつ、説明会に来られるNPOの方は経験的にだいたい代表の方である。そうすると、実務を何も考えなくて提案を出してしまう。だから、ずっと丁寧にする必要はないが、最初は実務者の説明会と敢えて分けるなどした方がいいのではないか。例えば、積算方法とかいろいろ細かくやった方がいい。結局やってみて、協働が始まったときに行政ともめることがある。その辺を丁寧にやる必要がある。もしかすると契約の段階でまたもめることもあるので、契約の議論も必要である。また、積算には人件費をいくらにするかなどの議論もある。愛知がやっているのだが、ああいうことも一緒に進めていくことは必要だと思う。実際予算も言い値は通らないと思うので、協議しながら削っていくことになる。そういう意味で、協議しながら納得してやっていく必要がある。お互いが同じ土壌の話が出来ればよい。
会長:一応、私の審査経験の流れでは、提案した団体が事業をやる。もちろん、公募・プレゼンテーション・審査の上ということではあるし、これが基本の流れである。だから、あまり個人提案以外で他の団体が受けるということは考えていないのだが、その辺はどういう格好になるだろうか。同じような提案が2つから出てくれば、それは選ぶということになるだろうが、今のところ、どこかが提案して同じ年度に競争して別の団体がやるというのは我々のスキームでは考えていない。2年目以降の継続的なものについては、別の団体が競争で出てくることはあるかと思うが。
委員:個人で出すという手もある。
会長:確かに、もしどこかでやってほしいのなら、むしろ個人提案で出せばどうか。それはそれであっても良い。また、説明会については、2回となっているのでぜひ実務者向けというのもあってもよいかもしれない。
事務局:説明会を前半と後半に分ける方法もあるだろう。
委員:プレゼンテーションは事務局案で公開になっているが、それぞれの持っておられるノウハウがあるので、NPOなりが公開することに対して抵抗があれば公開出来ないと思う。実際のところどうか。
会長:そこは、市民側でも議論が分かれるところである。やはり、公開をしないと公正ではないという人もいるし、御指摘のとおりノウハウが出てしまうので、そんなところでは提案ができないという人もいる。ただしやはり、今のところ最低限度何がしかの審査の公平性をどこかで確保しないといけないので、プレゼンテーションのところだけは公開してもいいのではないか。それ以上の詳細については、御本人にもお知らせするという格好になるだろう。その辺はどうか。
委員:基本は公開だと思う。よく公開するとアイデアが流れるという話もあるが、NPOはフィールドを持っているので、ある程度専門性もある。公開したからといってよそができるわけではない。その辺は気軽に思っている。そうじゃないところもあるかとは思うが。
協働コーディネーター:採択される方が落ちるよりも多いというイメージがある。どっちにしても通れば公開である。
委員:我々の立場としては、いろんな形で同じ事業が展開される方が良いと思うので、例えば翌年度に広がるということを考えている。もしノウハウに固執されるなら申し訳ないが、できればオープンにして、良いものが伝播していく方が県としてメリットがあるし、行政としては良いと思う。
会長:協定の作り方、積算マニュアルなど、どこまでやるかということはある。でも、何かガイドラインは作る必要があるのではないか。
事務局:どうしても人件費は難しい。例えば県でもいろんなコンサルタント会社に委託するとき、主任研究員と研究員を分けたりする。確かにある程度どのぐらい見積もったらいいのかということはなかなか難しいから、何か必要かもしれない。
会長:何かひとつ、拠り所があった方が逆に提案する方もしやすいかもしれない。ある種の雛型がある方が良い。また、最終的に事業実施の際に協定のあり方については、早め早めにどんな協定の中身が良いのか、がっちりリスクマネジメントまで含めて書き込むような厚手のものがいいのか、それとも協働型で協議をしながら詰めていくというやり方がいいのか、我々としても一定方向を考えなくてはならない。
協働コーディネーター:手法を限定しないということだったので、そういう意味では、金が伴わないケースはある。ただ、全体的・統一的な協定の雛型はあった方がいいと思う。ある程度雛型がないと、とんでもないことになる場合もある。
委員:予算要求のときに、財政課に突っ込まれないようにした方がいい。
協働コーディネーター:一応当然金額を書いてくるのだが、審査会で概ねの額は決まる。それがベースになって、後は予算査定の段階で若干変わるという流れでよいか。
会長:むしろそこで、実際には個々の積み上げそのものについて広い意味での審査がされるということだろう。
事務局:あまり堅く考えない方がいいと思う。どういうテーマになるのか、中身も分からないのだから。例えば、中身が分かっていれば、先ほどの話のように人件費はどうするかとか、協働の相手方としてこういう責任感を持ってやり、その中の経費で飯代は出ないがそれ以外のこれこれは出るというようなことはあるが、今回の提案制度の中では、出てきたテーマがあって年度を越すわけだから、具体的にどういう経費が見られるのかというのは少し時間をかけてやればいいのかなと思う。あまり最初からマニュアルを作って、これこれの経費をかけてやるということなら、それはもう既に事業を想定していることになる。どういうテーマでやるかによって、中身は当然変わってくる。一定の時間や枠組みの中で、弾力的に県でも対応できると思う。
ただ、契約の関係は、責任の主体をどうするかということで後々問題になると困るので、そういうことは決めなくてはならない。そういった意味で、継続性の話は、例えばAという地区でものすごく良かったということで、それがB、C、Dでも広まっていけば、そのテーマを出した部局が後はフォローをしていくことになる。単年度で一本限りの事業というのは、失敗すればそれまでである。お互いに作り上げていくものだから、あまり心配しなくて良いと思う。
会長:最初からきちんと積算できるような事業であれば、こんなに頭を悩まされないと思う。むしろこのあたりは、一緒に作っていくという姿勢で考えていく。しかし事業としてはきちんとやっていかなくてはならない。基本的な枠組みというか、大枠での協定については具体のものを作っておいた方がいいかもしれない。そのほかはどうか。
委員:基本的に、協働は自律した組織と組織の関係を貫かないといけない。議論する中で、どちらかが分かっていれば良いが、双方が分かっていないととんでもないことになりそうな気がする。今までのような形で、結局全て行政が事務局を持つような結果になることもあり得るのかと思う。懐疑的で申し訳ないのだが。基本をちゃんとしておけばよい。
会長:協定を結ぶときに、基本的な協働の精神とか考え方をお互いに尊重して作っていきましょうということを、言葉にしておいた方がいいかもしれない。それを両方で突きつけ合って、最低限度の歯止めをかけるということでよいと思う。なかなかそれ以上は実際にやってもらうしかない。
委員:よくやるのは、役割分担表をとりあえず作っておく。そういうことで客観的になる。マニュアルとしてそういうのもあるという感じかと思う。
事務局:事務局を持つ場合でも、しっかり話し合った上で役割分担をしてほしいと思っている。
会長:この事業の性質からすると、予め役割分担表ができるかというとなかなかできないので、協働事業を進めながら作っていくという精神であろうと思う。
委員:唐突な話でこんなことがあっては困るが、途中で挫折する場合もある。協定で明確にして双方が了解すれば事業を終わるわけだが、トラブルになった場合、その辺の調整が場合によってはどこかで必要になるかと思う。そういう意味では、審査委員会のようなところが判断をする部分が出てくるのだろうか。
会長:その辺は、事業の性質ごとに考えていかなくてはならない。どうしても委託型事業なら、一般の請負契約の事業者にやっていただくような保証の仕組みのようなものも考えないといけないかもしれない。ただ、どういう事業が出てくるかによって対応を考えていくことになる。基本的には、協定書の段階で協議の上で、その事業の継続についてどういう処理の仕方をするかを明確に定めておく。
併せて、審査会として基本的に問われているのは、実際にその事業をやることができるのか目利きするということであろう。それは審査会の役割かもしれない。
委員:もう一点、審査委員会で公募委員があがっているが、審査委員として一般公募が適するのかどうか。
会長:そこは議論の余地があっていい。
委員:一人の県民として意見を言う立場で、その後選択の余地があるならよい。例えば審議会でいただいた意見は尊重するが、必ずしも取り上げるというわけではない。今回、この審査会であれば、一人の委員として何分の1でも権限があるわけだから、そこをどうするかということはある。
協働コーディネーター:おうみNPO活動基金にも、最初は公募を入れた。出ていた人はよく分かっていたので結果的には良かったが、確かにおっしゃるように、その辺は難しい。
会長:しかし、県の外部から入っていただく委員会には、だいたい公募は入ってもらうことになっている。
協働コーディネーター:指定管理者選定委員会では、公募は入っていないのか。
事務局:入っていない。指定管理者選定委員会では、それぞれの専門的な判断基準を持って採点していただき、採点は最終公表する。
会長:そこは、公募委員にこだわらなくてよい。
委員:県の推進担当部局というのは、県に任せてもらっていいか。
会長:それで構わない。あとは県がどういう形で入ればいいのかよく分からないので。
委員:募集のところなのだが、それについても協働の部局の方でまとめて提案募集をするのか、それともそれぞれの部局が個々に協働事業という捉え方で募集するのか。
事務局:協働提案制度の場合は一斉だと思う。それ以外でも、各部局は協働事業を実施しているのであるが、今回、それとは別に募集することになるだろう。推進本部をまもなく立ち上げるので、その中でまたいろんなことを検討していきたい。窓口はここ(県民文化生活部)になると思う。
委員:協働事業という捉え方も個々に違うのが現実なので。
会長:とにかく、提案事業だけはここに持ってきてやろうということでよいと思う。もちろん、各部局で事業をやってもらうことになるのだが。
協働コーディネーター:説明会が2回では難しいかもしれない。例えばNPOを対象とするならある程度できるが、何でもありなので公募がやりにくい。最初の年だから、2カ所と言わず、振興局とか地域ごとにやるとか時間を変えてやるとか、1年目はそういう工夫があってもよい。2年目以降はそうやらなくてもよいが。最初はしっかり掘り起こすことが必要だと思う。
会長:確かに、初年度だけは力を入れてPR予算も余計に必要かもしれない。
委員:場合によれば、提案制度自体は4月からとしても、制度が固まれば、早い段階で、今年度中でも「こういうことをやります」ということをアピールすることは良いと思う。事前に広報しておくのもひとつの手法だと思う。
会長:「来年度からこういうことをやります」と言っていただくと、随分印象が違うと思う。
委員:3月中頃にある来年度予算の知事記者会見で説明することによって、マスコミにも取り上げてもらえるので、そういう広報のやり方もある。
事務局:2月はじめに記者に来年度予算を公表するので、そのときにまず前面に出していけばよい。
協働コーディネーター:こんな時期だから、なかなか目玉がないので。だから、ひとつの目玉になると思う。
会長:そのほか、お気づきになった点はないか。
(全委員:特になし)
会長:それでは、事務局案に沿って今日いただいた御意見を踏まえ、基本的には事務局にとりまとめていただいたものをもとにするが、いくつか修正のポイントがあった。21年度に提案募集を始めるが、できれば今年度内にも広く新しい提案事業を募集する意味で、前倒しで可能な限り早い段階で新しい仕組みについて周知する。もちろん、庁内的にも周知をお願いしたい。それから、実際に外に現れる提案募集は4月以降だが、事務局案の資格審査はことさら表立って言う必要はなかろうということで、この手順はむしろ提案の受付のところで行う。実際の事業の性格が決まり、またそれが見える段階になれば、そこで契約・協定ということになるので、契約・協定のあり方、事業の継続性も含めていろいろと議論し、配慮をしなければならない。協働の原則に基づいた仕事の進め方が出来るよう、しかしまた、一緒にこれから作っていく事業であるので、予めがちがちに内容を固めることも出来ない。そういうところに着目しながら、協働をやっていけるような手順を考えていきたい。そういうところがポイントかと思う。なお、個人提案の扱いについては、出来るだけ早く実施団体を決めたいというのが私の願いである。
それから、審査・選考方法のところで若干御意見があった。審査機関については、恐らく有識者を中心とする審査委員会になるだろうが、一般公募や県職員にどれだけ入っていただくのか、あるいは役割については、少し事務局で検討していただく。審査については、いわゆる資格審査はそもそもないということで、第1次審査における書類審査と第2次審査が一応審査にあたる。後はむしろ、庁内プロセスということで、事業予算の査定や議会などで事実上詰めていくということで、それが実質的な審査にもあたるという考え方になろう。なお、審査委員会としてのプレゼンテーションについては公開とし、できるだけ多くの人に良いノウハウは学んでいただく。良いものはたくさんの人に知っていただきたいという趣旨である。
それから、選考の視点としては、事業の実施、継続をすることができるかということへの留意を少しはしなければならないという指摘をいただいた。事業の性質にもよるが、継続的にやれる事業、広がりそうな事業であるかというのは重要なポイントであると思う。
およそ、そのようなポイントが付け加えられたと思う。全体の選考とか募集の事務の流れ、それから審査・選考方法について、最終どういう文言にするかはまた事務局と相談しなければならないが、おおよそ今のような内容でまとめさせていただいてよろしいか。
委員:さっきの協定書の話についてであるが、次回のスケジュールに積み残しがあるので、いつもいろんな先進事例の資料を用意していただいて感動しているのだが、協定書のイメージ的な資料を把握されているだろうか。積算の方はたぶん愛知県にあると思うが。
事務局:千葉県の調査の復命書に協定書をつけていなかっただろうか。
委員:委員として少し共有しておきたい。
会長:千葉県で協定書を作っておられる。中身はかなり粗々だが、基本的な考え方は出てくる。どういう役割があるかなど。
委員:次回、もし時間があれば。また、積算の話とかも見ておきたい。
会長:細かい積算までは出てこないだろう。
事務局:分厚い千葉県のマニュアルをここで供覧させていただく。聞いた話によると、千葉県では初めは協定書を丁寧に合議してもらっていたが、年を経るに従って、協定書までは交わしていないことが多いらしい。トラブルがあればその都度協議をするということを踏まえてやっているということだった。特にトラブルはないようだが、確かに協定書はあった方がいいかもしれない。
委員:委託なら契約書があるが、そういう契約を伴わない共催や事業協力などは細かい協定書が要るかもしれない。
委員:例えば協働契約というのもある。
会長:協働契約本体は詳しいわけではなく、2、3行で済むことである。そんなにそこで固めてしまわなくても、事業をやりながら議論をして固めていく方が本来かもしれない。ただ、何もなしでは事業に入れないので、次回の議論にもかかるかもしれないが、どんなものが良さそうか、千葉の資料も踏まえて皆さんでイメージを共有しておきたい。
事務局:それから、事務局で資格審査のような形でする段階で、宗教的・政治的活動などは特に問題ないが、暴力団関係についてはNPO法では書かれているし、指定管理などでもかなりチェックをさせてもらっているので、この部分については厳しいチェックが必要であると思う。
会長:そこは今、警察照会をされるようになっていると思うので、その辺の手順はむしろ応募があった段階で、あるいは相談があった段階で、内部的な手続きはやはり踏んでおいていただいた方がいいと思う。
事務局:特に応募者から、なぜそこまでメンバーの住所、名前まで必要なのかということも指定管理で言われるのだが、むしろこの辺はルールを決めてしっかりしないといけない。
会長:そのあたりは重要である。それに従った応募をいただけるような仕組みにしていただいたらよい。
会長:では、審査・選考方法については以上とし、もうひとつの評価の部分について進めてまいりたい。先ほどの事務の流れでも、審査段階での評価や終了後の評価について話が出たが、これについて御議論願いたい。資料Dがあるので事務局から御説明をお願いしたい。
事務局:資料Dに基づいて、評価について説明をしたい。お手元の資料では、実際に行われている千葉県、奈良県、大阪府のシートなどを参考につけた。基本的には内容はあまり変わらないと思う。千葉県の資料については、基本的に、先ほども話があったように本県が来年度実施する場合、各担当課が個別に協働事業をする場合と協働提案制度でやる場合という話があったが、千葉県でも一般な事業と市場事業というものに分かれていて、若干評価を変えている。一般事業はプロセスが協働らしくできているかどうかを判断するものであり、提案制度に基づく事業は、事業内容に力を入れた評価になっている。シートも若干変わっている。基本的には項目も同じような内容だが、簡単に○×で書くような格好である。市場事業については、成果や内容をもう少し詳しく見ていくような形である。
奈良県は、基本的にひとつの様式になっている。資料では20ページである。協働の体制と協働の実施状況だけになっている。大阪府については、21ページ以降であるが、評価シートが28、29ページに付いている。それぞれ、NPOの特性の評価、プロセスの評価である。基本的に、協働の原則に基づいて事業が実施されているかということで評価がされている。
できれば、単純な方がよいと今の段階では思う。ただ、協働の原則は、今まで私どもはNPOとの協働の原則ということでずっとやってきたが、多様な主体で県民や企業という場合に、全く同じものがあてはまるのか、それ以外の原則的なものが必要なのかどうかの議論はあると思う。
会長:いろんなところで先行的にやっておられる団体の紹介をしていただいた。私どもとしても、この協働事業をただ単にやりっぱなしではなく、その次の良い事業につなげていくためにも評価を積み上げていかなくてはならない。どういう評価にしていくのか、御意見をいただきたい。
資料を読んでくればよかったのだが、千葉県や奈良県、大阪府の場合は、評価のチェックシートをそれぞれが書いた後どうなるのか。
事務局:基本的には自己評価をし、双方にそれを渡して、場合によっては合同で会議を持つのか、単に共有するだけか、自己評価で終わるのか、そのあたりの違いはあるかもしれない。先ほどの資料では、それぞれで自己評価というのが基本だろうと思う。
会長:最初のうちだけは、関わった双方が顔を突き合わせて、お互いの評価を交換するとか、審査委員会も関わってもらって検討をする機会はあった方がいいかもしれない。
協働コーディネーター:大阪府は委託事業と共催事業に限っている。やった事業はHPで公開されるが、事業が終わって1年遅れの公開であるのであまり役に立たない。実際はそういう気がする。ただ、評価シート自体は結構良いと思う。2種類あって、公開する部分としない部分を分けている。その辺は良いが、ただ、これをこのまま使えるのかというと、これはNPOに限定しているのでNPOに限っては使えるが、コミュニティや企業には使えないので、それから言うと、奈良県のような単純化したスタイルが良いのではないか。そこに、振り返り会議のようなものを加えて、そこのコメントをどこかに委員の第三者意見として加えるような、そういう形が当面は良いのではないか。1年はそういう形でやって、評価表も含めて検討し直すという方が現実的ではないか。昔、NPO活動促進室と「しが協働推進ボード」でモデル的にやって、評価シートをもらったとき「何だこれは!」とNPOとして思ったので、実際に先にやるということが分かれば良いが、千葉県のように記入項目がこれだけ記述式でたくさんあると、見ただけでいやになると思う。そういうのがかえって応募が出てこないという逆ハードルになっては困る。
事務局:県庁の中でも本部を立ち上げると言ったが、ものすごくレベルの差がある。ここにあるような担当課が自己評価をして、提案の多様な主体と突き合わせることが矛盾に満ちたものに動く恐れがある。我々も研修などもやっていて全員がレベルを上げるようにやっているが、全員が協働の原則を知っているわけではないので、分からない人間が自己評価をしてもそんなにできるわけがない。最初の1、2年は地域への説明も必要だし、そういった意味での丁寧な部分、いわゆる立ち上げまでの間を如何にするかということが大事で、出来上がってきたら千葉のような形になるかもしれないが、中の職員の意識がそういったものに向かっていかなくてはならない。いくら県民活動課だけがメリハリつけてやってもだめである。また、県民活動課は従前からNPO活動支援だけをやっているから、多様な主体についてはそうはいかない。そういう点で若干のいわゆる緩衝を作る必要がある。
会長:最初の1、2年はやはり、事後評価も評価表自体はできるだけシンプルに、しかし手順は丁寧にしっかりしておくということで、如何に評価をやりっぱなしではないようにするか考えておく必要がある。できるだけ抵抗感の少ない評価表で評価をして、それを踏まえてお互いに評価を交換し合う。そして議論する。そこでレベルの違いでぎくしゃくしないよう、審査委員なり学識の方に間に入ってもらって、当面は非公開になると思うが、評価内容についてディスカッションをする。摺り合わせる必要はないと思うが、意見交換をする。そういうことが2年ぐらいは必要ではないか。そういう中で、より良い評価のあり方について全庁的にコンセンサスをつくっていくという、そういう手順だろうか。面倒だけど仕方がない。
協働コーディネーター:なかなか県庁の中でも浸透していない。
委員:県民活動課がやっている協働推進セミナーの状況はどうか。
事務局:職場研修はもう既に全ての課でやってもらっているはず。加えて協働推進セミナーをやっていて、次回は管理職向けに、また一般にも入ってもらってやる予定である。おっしゃったように、職員のレベルを上げてこないとなかなか難しい。
会長:頑張り続けるしかない。それでは、評価の仕組みとしては、特にチェックシートは奈良県程度の比較的シンプルなもので考えてはどうか。手順は少し丁寧に、単なる内部評価と公開ということではなく、少し内部評価後にフォローをするような仕組みで定着を図っていくということでやっていきましょうか。そんなところでよろしいか。
(全委員:異議なし)
会長:では、また何かあれば戻っていただければよいが、「その他の検討を要する事項」が出ているので、これについては事務局から説明があるか。
事務局:資料Dの9を見ていただきたい。次回にもともとの検討項目3の「求める提案内容」、5の「県からの情報開示」の中で考えていただいたらいいのだが、提案が出てきた段階で、内容自体は優れているものの、県以外の主体、例えば市町にやってもらうのが適当であるような事業の場合、取り扱いをどうすればよいかということがある。募集段階で「そういうものは対象としない」と書いておけば良いのだが。
委員:担当課と打合せをするときに、「県以外の主体との協働が適切である」と言えばいいのではないか。
事務局:県はこういう提案制度を持つが、市町がそういう制度を持っていない可能性がある。いきなり持ってこられたらどうかということもある。
会長:市町村の側が困る。
事務局:相手は26ある。
協働コーディネーター:基本的に応募型は問題ない。創造型が出てきたときにどうするか。基本は県にはお金もないので、余裕もない。「要綱上だめです」としか言いようがない。ただ、書いてきて良いアイデアだったら、何かつないであげる仕組みがあればよい。今、NPOや協働の市町の窓口は一応ある。温度差はあるが、そこにつなげてもらうというぐらいか。
事務局:その後のフォローがなかなかできない。モデル的に実施できる事業なら良いが。
会長:確かに県がモデルとして最初だけやってみようという手はある。それを県内全域に広めていただければ。なかなかそう都合良くはいかないが。
委員:他の県では、県と市町とNPO三者が持ち寄ってやる事業がある。何が出てくるか分からないが、そういうことも可能である。
会長:創造型の提案にはむしろそういうものが出てくる。それはむしろ、関係者が集まり協定を結ぶしかない。
委員:市町も今協働をやっているので、拒否ということはないだろうと希望している。
会長:そういうふうに希望したいが、なかなか難しいかもしれない。
委員:一緒にやる方が効率が良いものもあるだろう。
委員:PRしておいた方がいいんじゃないか。
協働コーディネーター:高島のように、まちづくり委員会のお金が使えることもある。ないところもあるが。もう一点、創造型について、協働部活プロジェクトでやったような、部局をまたがるものが出てきたときにどうするか。これはちょっと悩む。それをどうするか。
事務局:その方が面白い。
協働コーディネーター:もちろん面白い。
事務局:そのときにはもう本部が開設している。
会長:全庁的に横串で協働をやるため、協働推進担当としてまず一義的に考えるのはよいことである。
事務局:どちらかというと、県事務所など小さいところは連携しやすいが、本庁のような大きなところは難しい。
会長:協働を進める側の実力が問われる。それは良い事業になるということである。
委員:先ほど事務局がおっしゃった協働推進本部の設置は、庁内での機能を担うのか。
事務局:県庁そのものが協働型県政だと知事も言っている。現にお配りした資料でも、これぐらいの事業はあるのだが、実際には潜行していて、現実には表に現れていない金額がそれぞれの団体なり主体で使われている。今やろうとしている事業の全体が100であれば、そこの20担ってもらうのか、10担ってもらうのか、残りの80をどういう形でお互いに多様な主体が担っていくのかという話になる。一から立ち上げ、それぞれの部局でいわゆる協働型になってくれば良い。相手がなければだめである。だから、この提案制度を活かしながら、具体的にひとつずつ考えていく。そのためにも本部を作らないと、すぐに予算に目がいってしまう。
委員:今ある県予算の範囲内で協働化に持っていこうということだろうか。例えば、新たな施策を作っていくということではなくて、最初に「行革ではない」とおっしゃっていたが、今ある事業を全て公が担っていくのではなくて協働でやっていこうということか。
事務局:知事には「最初はお金が要りますよ」と言っている。それぞれが関わらない部分も、あるいは新しい公の領域の中で呼び水は要る。ところが、それが平準化してくると、当然担っていただく部分は金が要らなくなってくる。そういう思いがある。協働型でやれば、10のものが例えば5とか6で出来るかもしれない。
会長:本当は、事務局がおっしゃりたいのは、従来の県の事業の進め方自体を、もちろん大枠として財政の全体の枠組みとか県の権限があってどうしようもないが、そういうなかで、事業の組み立てを基本的に協働型にすることで、従来よりも質の高いものを、そしてこれだけの財政の制約のある中で十分に県民満足度の高いものを作っていくかということである。既存の事業のやり方一つひとつにこだわるのではない。そこの予算の云々というのは、少し柔軟に考えていけばよい。なかなか各部局は頭が固いので簡単にはいかないが、我々が風穴を開けていかなくてはいけない。
委員:1次、2次の審査の結果を公開するというルールがあるが、場合によっては、公開できるものをそれぞれ市町に情報を共有化することによって、市町が「我々がこれをもらおう」という話があれば、つなぎは必要だが、アプローチするチャンスはあるのではないか。そういう意味で、情報共有化によって、公募型で「うちのところでもできる」ということであればのってもらえるかもしれない。例えば、県道と市町村道という話なら、同じ話である。当然、情報を使うことには相手の了解を取らないといけないと思うが、直接お知らせすることによって、新たに協働に取り組めると思う。1次、2次に出す資料を使ってもらえると思う。
会長:そのあたり、最初から体系だった手順を準備しておいていただき、各提案団体に予め了解を得ておいて、関係の市町や団体に情報共有できる仕組み・体制を考えておけばいい。市町が担うべき提案が出てきた場合に、そういう手順がしっかりしていれば問題が解決できるかもしれない。仕組みとして、我々の今回の提案の中に「市町への連絡や協議の場づくりに努めます」という手順を入れておけば、逆に市町としても受け入れていただきやすいのではないかと思う。
その他、何か御意見はあるか。今日の審議全般でもよい。
委員:参加する立場から言うと、今のところ漠然としているのが、協働とは何かを知ることはできるが、県として協働を通して何をめざしたいのかという意思表示が伝わってこない。その部分が明確になって、基準となるスローガンを提案していただけると分かりやすいし、誰にでも県が考える協働とはこういうものだと伝わりやすいと思う。
会長:確かに、呼びかけるときにはどういう協働をつくりたいのか、それをやって一体どういう良いことがあるのか、どんな将来に向けての展望が共有できるのかということは整理しておいた方がいいかもしれない。できれば具体的に事例をひきながら。協働型でやっていくときには、「なかなか行政に提案しようとしても手が届かない、しかし市民同士で解決しようとしてもお金が足りない。情報を持っている強みを出し合えば、別の解決の仕方があるのではないか」という言い方をよくしている。どういう書き方が良いかあまり分からないが。
事務局:あまり書いてしまうと、押しつけになってしまう。
会長:確かに、これをやらないといけないのかとなっては困る。ちょっとイメージを膨らませる手がかりがあった方がよいという御意見であった。
事務局:県民の方にも、知事から言ってもらうと良いかもしれない。庁内には本部ができるし、協働を進めていくのに県職員でさえ理解が出来ていないので、具体的なものがある方が分かりやすいということで、今、協働事例集を作っている。庁内でも具体的に見えるような形で進めていきたい。
会長:特に今回の応募について、広くNPOや市民団体、地域団体等に関心を持って関わってもらうために、具体のイメージを持ってもらえるよう工夫をしてほしい。NPO協働は一部のNPOの方々がやっている。その辺の配慮をした募集をしてほしい。
そのほかはどうか。
全委員:特になし)
会長:では、以上にしたい。その他、事務局から何かあるか?事務局:特にない。
事前調整の結果、第5回は11月14日、第6回は12月16日と決定した。
情報掲載日 2008年12月03日