【事務局】
【中村委員】
やっぱり最初に目的とかその辺をきっちり計画段階に時間をかけてやっておくことの重要性と、コーディネーターの必要性に集約されるのかなと思う。課題としてはそこではないか。
【新川委員】
最初に何回かしっかりと議論をしても、実際に作業を始めてみると考えたとおりにはいかないので、大事なのは手戻りが多くても、途中段階でもう一回最初に戻って議論しましょうということができるかどうか。そこでもうこうやってきた、すんでいることだとなると、ついていけない人も出てくるのでその辺をどう考えるのか。
前からこういう協働事業をやるときには、途中段階でもとにかくしっかり議論しようとか、協議を繰り返しやっていかないとなかなか参加者がついてこられないと言っていたのだが、そういう手順がちょっと見えないなというのがある。
コーディネーターが不在ということだったが、本当はコーディネーターが節目、節目でそれまでの作業を振り返りながら、これからどうしましょうかというようにもっていってくれるとよかった。 この辺、協働事業のマネジメントの仕方の問題も大きかったかなというのはあります。特にこれまでにないパターンで進めようとすると、なかなか先行事例もないし難しかったのかもしれない。
【事務局】
やっている間に、研究色が強くなってしまった感はある。大学関係は残ったが、結局NPOは1つしか残らなかった。
【新川委員】
そちらに引っ張られちゃうと、その人たちが走ってしまう。それは誰かがどこかで上手にすりあわせをしてあげないといけないのだが、それがうまくいっていなかったと思う。
【中村委員】
分かっている者だけで走ると、あとの人がついていけなくなる。
【新川委員】
言い方は悪いが、われわれ研究職の人間は、自分の研究目的に合っているところはどんどん走ってもらって何も問題ないので、つい環境に関する負荷削減がどれぐらいいけるのかなど数字のところにずいぶん関心がいって、それを具体的に商品にするなどはすぐ飛びつけるが、逆にそれを広めようとか、そういう生産をどう考えようかというような立場の人たちからすると、ずいぶんズレが感じられたのではないか。
その点では丁寧さが足りなかったかなというのは印象としてはあるが、もともと難しいプロジェクトであるということは分かっているので、今回の結果はこれとして、まあそうだったのかということで考えないといけないかなという気はする。
【中村委員】
やはり来なくなった人の意見を聞いてもらってよかったと思う。これをプロジェクトのメンバーに返していくことが重要である。
【新川委員】
そうです。そして、ここからようやく始まるというようにもっていけると一番いいのだが、もう終わりの時期にきてしまった。
【中村委員】
これからもこういうことをやっていく上で、特に行政の人間にはここが一番勉強になるところかなという気がする。NPOの人たちは思いは変わらないと思うが、協働でやっていこうとするときに、どうしてもその部分ができていなかったという反省を、参加者に戻してあげてほしい。一回で懲りたという人もあるかもしれないけれども、やっていかなければならないというところもあるので、そこを今度は気をつけてとか、もうちょっとそこを丁寧にやろうとか、その点を柔軟に対応していかなければならないということが分かったので、ぜひこの結果を戻してあげてほしいと思う。
【事務局】
この結果は報告書の内容にもなってくるので、その中でまとめさせていただく予定である。
協働成果に関する不満のところで「組織に属する者の参加というより個人的な集まりだと感じる」という意見があるが、組織だけれど最終的には「人」だというところもあるので、この不満を解消するのはなかなか難しいと思う。
また、参加される方のモチベーションというのがあったが、参加者のやる気でかなり違ってくるのではないかなと思う。環境学習の部活には手を上げてやろうという行政職員が4~5人いるので、そういう意味では意欲もあって自分たちがやるという意識が強く続いていると感じている。そういう部分は大事だと思っている。ただし、事業の成果とはまた別である。
【新川委員】
全体的にフード・ウッドマイレージは、結局この問題に関心のある人が集まって勉強会をしたという印象が強い。参加するのは個人でかまわないが、いろんな立場の個人が集まって、このマイレージの事業をなんとか形にしようとか、実際にどの場面がどう使えるかわからないが実用できるようにしようとか、そういうところではそれぞれが組織だった動きをしてくれないと困るのだが、そこのところは結びつかないままに、関心のあるところだけやって、あとはよそ様にお任せというところはあったかもしれない。
そういう意味では、興味関心がそっちの方に走りそうになったときに「いやいや、そもそもこれは」という話を繰り返して確認しながら進まなければならなかったと思う。ただ、どんどん参加者少なくなってさびしくなってくると、興味関心だけでしかやれないと思うが。
【事務局】「H20年度に向けた協働推進のための方策検討について」の説明
【中村委員】
現在、事業仕分けの中で、県と市町の役割分担を予算も限られている中で、きっちりしていこうということが出てきている。一方、地域コミュニティの力を高めていきたいという思いが知事は非常に強くて、だからそういう意味で協働のあり方のようなものは、それを見越した形でいいと思っている。
ただ、知事としては、本当は直接自治会までぐらい手を突っ込んででもできるところからやっていきたい、そういう事例を作っていきたいというところがあるが、やはり市町を一緒に巻き込みながらやっていく方がいいだろうと思う。
【新川委員】
これはボードの議論かどうか分からないが、兵庫県方式もあるので、地域組織の応援の仕方、それはそれとして方針としてはあり得るとは思う。
【中村委員】
お金については、県は市町に対していろんなメニューをそろえた上で、総合補助金化をすでにしており、そういうことをするのであればこういうものもありますというものはあるので、その中で、今後はやはり人とか仕組みみたいなところで、これがそういう形で出していくのかなという気がする。一緒になって初めてそういうことができていくと思う。
【新川委員】
メニューとして市町と連携をした事業としながら、しかし真水部分では県が直接に実施団体、地域団体の発意に基づいて支援をするという仕組みは考えられる。だから、そこは県・市・地域団体のパートナーシップにそんなにこだわらなければ、施策として手はうちやすいと思う。
むしろこの協働推進ボードで考えたいのは、一つは400近くになっているNPO法人というのを一応念頭に置きながら、あるいは法人格をとっていなくてもかまわないし、地縁団体でも結構なのだが、やはり県、市町、各団体というのが、言ってみればそれぞれの共通の課題を一緒に解決していけるようなそういう仕組みとして考えていただけると、滋賀らしいということになると思う。
【中村委員】
後で話があると思うが、来年度にコミュニティビジネスへの橋架け事業というのを淡海ネットワークセンターにお願いしようとしているが、これもそういう仕掛けの一つだと思っている。
【石井委員】
市町との連携という部分では、市町でまちづくり協議会とか自治会組織にまちづくりを推進していこうという動きが一方で動いているので、県としてなぜそういった事業をこれから興していくのかという目的をもう少し明確にする必要があると思う。この目的意識をきっちり整理して明確にしておかないと市町自身も戸惑うと思う。
【中村委員】
市町のまちづくり協議会の場合は、市町村合併が契機で、旧町単位での住民の思いをどうするのかということもあって、旧町単位で作っておられるところもあったり、市町によって少しずつ状況が違うので名前も難しい。その辺の整理をきちっとしておく必要がある。
【新川委員】
たしかに市町では、かなり地縁団体に力を入れて考えており、もちろんそれを応援してあげるというのはいいのだが、そこへ県が入り込んでいってどうこうという話ではおそらくないだろうと思う。
逆にそこで十分に対応できていないところ、例えば先進的な新しい事業、モデル事業みたいなものを地縁組織やまちづくり協議会など地域の団体がやりたいというときに、そういう発意を県がくんであげられるというようなものの方がいいかもしれない。
【石井委員】
まずニーズというか、こういうことをやろうとしていることを市町に投げかけた上で、市町からの意見をもらう必要がある。こういう部分で県の方で役割として担っていただけたらというところに、まず最初に入っていくと成果を上げやすいのではないかと思う。
【新川委員】
その方がいいと思う。
【事務局】
その辺は、ラウンドテーブルなども活用できるのではないかと思う。
【石井委員】
市町によって温度差や方向性の違いもあると思う。その共通点を調整して、その中で集中的に目的を明確にした上で実行計画を立てるということを、順番にやっていく必要がある。
【事務局】
お配りしている資料の全国事例をピックアップしていて、県が地域団体に直接、補助金などを出している事例が割とあった。なぜそこまで県がということもおそらく出てくると思う。
【石井委員】
正直な話、市も手一杯のところがある。近江八幡市で関わっているが、今はまちづくり条例を作っていて協議会を広げていこうとしている最中で、手一杯の状況である。すでに方向性はそちらにずっと行っているときに、急きょ、県がという話が出てきたときに、県の役割を明確にして、県が関わることによって推進されていくというか、市自身も推進していくような形になっていけばと思う。
【新川委員】
市町に任せてもまずいし、市町の方針と合わないことをやってもだめだが、地域住民と市町のズレというのもあるので、そこを県が補うような、それがうまく進むような支援の仕方というのを考える。それがモデルとなって、あちこちに広がっていくというイメージがいいと思う。
【石井委員】
あとはテーマを明確にするということと、先ほどから出ているようにコーディネーターの力によってずいぶん差があるということが明確になってきたと思う。コーディネーターが総合的な視野で牽引役を担っていただくことによって、大変スムーズに事が運ぶと思う。そのあたりが、市町ではなかなかコーディネーターがいないというのが現状である。
【中村委員】
県でもなかなかいない。結局同じ人になってしまう。
【石井委員】
一生懸命やっているのだけれども、まとまらないというのが現状である。
【新川委員】
そこはやはり大事である。単に活動支援というよりは、活動支援の中に必ずコーディネーターを付けて引き受けてくださいという仕組みにしないと、うまくいかないかもしれない。予算的にどういう配分の仕方になるか分からないが、コーディネーター料も含めた支援の仕方があると思う。
【石井委員】
県でずっとやってきた取り組みの中でのノウハウや課題をうまく活用して、コーディネーター料は必要ということで、実践で飲み込んでいってサポートしていくような役割やニーズが多分出てくると思う。
【新川委員】
コーディネーターは、公務として県職員が担うことがあってもいい。
【石井委員】
そうすると3年間実践されてきたことが、市町も活かしていけると思う。
【新川委員】
場合によっては、淡海ネットワークセンターの職員に、もちろん有償で担っていただくことも考えられる。
【石井委員】
もう一つは、コーディネーターが人と人をつなげるとか、団体をつなげるという意識で、接着剤的な意識を持つことが大事だと思う。
【伊吹委員】
そのような目的で人材育成をしている事業が「おうみ未来塾」である。
【浅野委員】
現在、卒塾生は百数十人いる。
【伊吹委員】
その人たちがかなり育ってきていて、地域に戻られておられる方も結構多いと思うので、その方々のマッチングが必要ではないか。
【新川委員】
未来塾の卒塾生には、優秀な方がおられると思う。
【浅野委員】
未来塾に入られた方の中に、コーディネーター役ができる方がいらっしゃる。
【新川委員】
そういう人をもっと活かせる場所を作ってもいいと思う。
【浅野委員】
卒塾生全部がそうとはならないとは思うが、候補者としては期待できる。
【中村委員】
そういう意味で育成していただいていると思っている。
【伊吹委員】
一気にコーディネーターとならなくても、経験される中で育っていかれることもあると思う。
【浅野委員】
有償の部分が入ってきて生業にできると、コーディネーターを真剣にやる人がもう少し出てくると思う。
【伊吹委員】
コーディネーターの育成というのは、県としてやっていかなくてはならないと考えている。
【新川委員】
そうです。それも単に大学で勉強するより、現場に入って仕事しつつ振り返えりながら、自分で育っていただくような仕組みがいいと思う。
【浅野委員】
養成講座になると技術だけを教えることになってしまいがちで、効果という点では、課題がある。
【石井委員】
生業とおっしゃられたが、職能化して社会的に認知度が高まって必要性が認められてくると、生業として続けていけると思う。一方、現場でNPOに入りながらも、コーディネーターが生業として育ち、また若手やこれから退職される方も対象に育成していくとつながっていくと思う。
【事務局】
神奈川県が地域のコーディネーター養成講座をやりはじめている。助成金制度とあわせてやっているという絵を描いてる。
【伊吹委員】
自称ではあるが、県内にある13の中間支援センターについて、地域におけるコーディネーターとしての可能性が期待できそうだが。
【浅野委員】
センターにもいろいろあって、支援センター意見交換会では、私たちは中間支援といえるのかという振り返りをしている時期である。やりたいところを抽出しながら協働推進というかたちになった方がいいと思う。中間支援センターだからがんばりましょうとか、県から委託事業をするからというのはキャパシティ的にも無理だと思う。
【伊吹委員】
このあたりに県としてどう関わって、ストレートに支援するのか、あるいは任せるのか。
ただ、このままではいつまでたっても難しいかなとも感じている。
コーディネーターを育成するなかで、これらの中間支援センターとうまくリンクしていくというか、すでに一部には出て行っているところもあるが、情報が入ってくる中間支援センターとコーディネーターが連携するよって、業としても成り立っていけるような仕組みが必要ではないかと考えている。
【浅野委員】
中間支援センターの中の何人かがコーディネーターとして機能して、ハブとして中間支援センターがあるというかたちは成り立つと思う。そうすると、中間支援センターに地域のニーズが入ってくるのでいいと思う。
【新川委員】
淡海ネットワークセンターでやっている「おうみNPO活動基金」の中間支援助成の状況はどうか。
【浅野委員】
2007年分は4団体が応募し、継続も含め採択は3団体である。手厚い制度設計がされていて、募集説明会などもやってはいるのだが、なかなか手があがらない。制度の設計段階で予想したほどには来ない状況である。例えば福祉団体の大きいところが中間支援センター的な機能を持ちたいということでの申請も予想されたが、それも出てきていない。
単体のNPOが欲しいサービスと中間支援センターの熱い思いで提供しているサービスがマッチしていることが望ましいのだが。
【新川委員】
結局、なかなか事業モデルと現実の事業がうまく結びついておらず、難しい。
【浅野委員】
その意味で、個人的な協働コーディネーターのような人が求められていると思う。
【事務局】
NPO活動基金でいえば協働枠の方もあまり出てきていない状況である。市町レベルでたくさん取り組みが出てくると、基金にも出そうということになるのではないか。
【浅野委員】
ラウンドテーブルや協働部活で形になりそうな事業が生まれてくれば、基金に応募するということにもつながるとは思う。単にお金を注いだから大きくなるかというとそうではないので、その辺のスキームが必要だと思う。
協働の概念が分かりにくく、自主事業なのか協働事業なのかがよく分からないということもある。自主事業で応募し、外部支援体制をネットワーク化する方がまだ動きやすい。協働するにはかなり体力が必要。
【新川委員】
設計段階でも、そんなに手があがるとは思っていなかったのだが。
【浅野委員】
基金は最短であと2年だが、おうみNPO活動基金で学んだ成功事例、失敗事例を活かす形で、次はもう少し大きいファンドを検討したい。
【新川委員】
まだやるのか。ああいうタイプの基金はもういいと思う。むしろ、活動を継続的に支えられる交付金のような仕組みを考えないとだめだと思う。事業に補助するという考え方はもう通用しない。その場しのぎになって続けられずに、誰もいらないと言い始めている。
今まで興す人たちは興しているし、これからやろうとする人は自分でやりたいことをやるだけで、無理してお金を貰ってまでやるという話はないと思う。
【浅野委員】
今までとは違う資金の循環を、これからの10年で考えていきたいと思う。従来の基金は一定限界が見えてきている。逆に協働の種が出てくれば、基金への応募も出てくるという発想が必要だと思う。
【新川委員】
逆にこっちがうまくいけば、基金も使ってもらえる。
【中村委員】
この事業がうまくいったころに、基金が終わってしまうような気がする。
【浅野委員】
最大300万円の助成なので、協働プロジェクトとして大きな事業でやると入ってくるかもしれないが、まだその段階までいっていない。
【事務局】
来年度の新規事業として「(仮)NPOコミュニティビジネス化橋渡し事業」を、淡海ネットワークセンターへの補助事業という形で実施する予定である。もともと嘉田知事のマニュフェストから出てきた話で、NPOを地域ビジネスの担い手として支援するために実施する。
これは仮称でコミュニィビジネスとなっているが、社会的起業、事業というものを継続して自立展開していくために、例えばコミュニィビジネスであれば産業支援プラザに窓口を設置しているが、そこまで行かない想いを持った人たちを対象に、専門の職員が支援をしながら具体的な事業案をかたちにして、適切な機関や事業に橋渡しをしていこうとする事業である。
出口としては、少ないかもしれないがビジネス的にいく場合や、社会的価値創造に重点を置く場合などいろいろ考えられ、つなぎ先も様々なところへつないでいくことになると思う。
【浅野委員】
淡海ネットワークセンターはNPO、市民活動の支援機関なので、この事業でビジネス化をする人を応援するのではなくて、基金の次の段階で踊り場に溜まっている人がおられ、大半は行政との連携でやった方がいいサービスを持っている人たちなので、うまく協働推進などに結びつけられるような筋道をつけることが大きな目的である。
また、もう少し収益をモデルで考えられるのではないかということで、NPOと企業との橋渡しの筋道も作っていくために、中身は事業提案や可能性調査などがあるが、基金の中の基盤強化というところをもう少し整理したようなものにしていきたいと考えている。
いろいろなところで起業講座などをやっているが、そこからいきなりコミュニティビジネスには行けないし、市町とのつなぎや連携の部分などもどこかが一定情報を整理していく必要があるので、淡海ネットワークセンターでやっていきたい。
また、どういうニーズや種があるのかということもあるので、調査などを行い滋賀県内の事例分類のようなことをして、次の連携推進、協働推進に向け、新川委員の言われた交付金などが要るのかどうかなども含めてもんでいきたい。
ただ、予算がかなり削られたこともあり、制度設計はセンターの身の丈にあったものにしていかなければならない。ここに書いたようなことまでできるのか考える必要がある。
エッセンスは事業性といってもいろいろな類型があると思うので、それをモデル化し、NPOの自立を促せるようにしたい。今までのように、助成金を出して大きくしようというモデルは難しいと思うので、そこを整理していこうと考えている。
【中村委員】
知事のマニュフェストの実現化の一つである、しかし、そのわりには予算は厳しい。
現実に産業支援プラザまでたどり着けない方も多いようなので、そこまでの整理、支援をやっていただく。
【浅野委員】
身の丈レベルでできる生業ぐらいのイメージである。
新しいプロジェクトを通じ、産業支援プラザや商工会などに、ビジネスの社会性に目を向けていただく契機づけになればいいと思う。幅広のコミュニティの事業を考えていこうということ。これも初めてのことなので、試行錯誤で失敗に学ぶ部分は多いとは思う。
【新川委員】
相談、調査、助言で止まるのか。
【浅野委員】
事業可能性調査の中で、コンサル的に専門家が入ってもらうようなことも想定している。
【新川委員】
助言した後、うまく産業支援プラザや他の資金調達につながるとよいということだと思うが、現実にはなかなか社会起業的なものにお金は出ない状況がある。
【浅野委員】
そういう状況があるので、社会性、ソーシャルインパクトの部分を、県や市町との協働、次の幅広のファンドでどう考えるのかということにつなげたい。次の血液を作る、次の10年を作る最初の仕事かなと考えている。なかなかビジネスにならないものが多いが、社会的には必要なものなので、皆さん取り組んでおられるので、それを見えるような形にしていきたい。
新川委員のおっしゃった交付金や補助金などをどう考えるのかを視野に入れ、新しい公共の担い手としてのNPOを育成する必要がある。
【新川委員】
10年かけて作るのも大事だが、すでに事業に近い形で取り組んでおられる方や、今やりたいという方もいるので、そういう意欲が続いている間になんとか形にできればと思う。
【浅野委員】
行政サービスの事業仕分けなどで切った部分をうまくつなげられると、そこで血液が第1弾として流れる。
【新川委員】
単なるボランティアとかではなくて、引きこもりや子育て支援、高齢者向けの追加的な介護サービスなど、やれることはたくさんあると思う。
【浅野委員】
そこにうまくいく仕組みを考える、民に移す仕掛けをここで考えていきたい。
【新川委員】
民に移すなら公としての責任があるので、きちんとお金を出して、一方行政の手間は省ける、という考え方でいいと思う。
【中村委員】
この事業をやっていく中で整理していくと、行政、NPO両面への働きかけになると思う。
【新川委員】
今の淡海ネットセンターの組織体制ではしんどそうなので、かなり充実していく必要がある。ここでケチっていると進むものも進まないと思う。人件費を削るといい仕事ができない。
【中村委員】
こういうことをふまえて、淡海ネットワークセンターの次の10年を考えていただいている。
【浅野委員】
2007年問題ではなく、2007年チャレンジという気持ちで臨みたい。淡海ネットワークセンターは97年4月オープンなので10年になる。単に、淡海ネットワークセンターの10周年事業ということでなく、滋賀県の中で市民活動がどうとらえていたかという形でやっていきたい。
限られた予算の中で、まだ案段階だが「記念フォーラム」を6月末か7月初旬に開催したいと考えている。詳細はセンターの運営委員会などでも意見をいただいて検討していくが、いろんな方に来ていただいて、今までの10年を語りながら、これからの10年をどうするのか、NPOの事業性、運動性、社会性、さらに経営力をどう作るのかという論点になるのではないかと思う。
また「県内まちづくり・NPO視察合宿ツアー」は、今までは屋台村という形で市民活動団体が1箇所に集まって交流するということをやっていたが、出展に忙しくて十分交流ができていなかったことや、自分たちのフィールドを持って活動していると、他がどんなことをやっているのかが分からないということもあるので、このツアーで県内NPO同士の交流と、滋賀のマーケットになる京阪神の都市部のNPOと自然豊かな滋賀のNPOの交流を行っていきたい。フォーラムの夜語り版という形でやりたい。
また、おうみ未来塾の卒塾生発表会も実施したいと考えている。今までは何十人卒塾しましただけだったが、今何をされているのかということを発表していただき、次の10年の括りの中で取り入れていきたい。
さらに、既存の枠の中で実施している各種企画を織り交ぜながら、1年間かけて、前の10年これからの10年の「10周年記念報告書」を2月末ごろまでに出したい。10周年事業としては大きくはこれら3つになる。
さらに財団統合関連や各種事業の見直し、基金や未来塾等、事業棚卸しの期間と考えており、来年度はかなりてんこ盛りになるだろう。
愛着をもって市民活動をされている人が増えており、各種事業を通じて顔の見える関係ができつつあり、NPOが作り出す信頼、互恵、互酬のネットワークが、県内をぐるっと回る感じでできていると思う。
淡海ネットワークセンターがNPO活動の先鞭をつけた時代から、次の10年は多くのNPOが連携する淡海NPOネットワークができればと考えている。
2月24日に開催する基金の成果発表会には市町も含めて行政職員も来てもらって、施策として協働の種を拾って欲しい。収益事業としては成り立たなくても、協働でやればすごくいい種はあると思う。
NPOの組織基盤だけをみると脆弱に見えるが、行政との協働に持ち込めばかなり専門性が発揮される事業もあるので、成果発表会にぜひ来て欲しい。
【事務局】
来年度は市町も含めた協働の種を見つけていきたいと考えている。その方向や方策について、1回は今年中にラウンドテーブルを開催して、その後、協働ル~ムにつなげ、市町も入れて「(仮)協働推進研究会」という形で具体的に検討していきたい。この研究会は協働推進ボードの部会として位置づけて、ボード委員にも参画いただけないかと考えている。次回のボードはラウンドテーブルなどの状況もふまえて、具体的な検討に入っていきたい。
情報掲載日:2007年06月13日
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滋賀県県民活動課NPO・協働推進担当