県民活動課から「ラウンドテーブルしが」とテーマの趣旨および会議運営ルールの説明
今回は、「多文化共生の地域づくりについて」というテーマで、冒頭の県国際課からの外国籍住民に関する現況・データや多文化共生施策の経過などの話題提供に基づき、様々な視点から課題を抽出し、今後のあり方について意見を出し合った。
この中で、多くの意見を出していただいた結果、外国籍住民当事者としてのいわゆる「オールドカマー」と「ニューカマー」、またそれらの方々を支援する立場としての市民と行政、各々が抱えている課題が浮かび上がってきた。
まず一つには、外国籍住民の生活や雇用、就学に対する様々な支援に関する課題があり、また一方で、外国人が単に支援される側でなく、地域社会を支える担い手として日本人とともに地域づくりに携わっていけるような仕組みづくりや支援についての課題が挙げられた。
このような中、これらの課題を解決していくキーパーソン・関連団体として、ITの専門知識を持ち母国語と日本語を駆使しながら外国人の就労支援に大きな役割を果たされている外国籍住民の方、在日外国人の高齢者や障がい者の支援と多文化交流の促進を行っている方、外国から日本に来た子どもを対象とした母国語教室を開催しつつ生活サポートもしている方に代表されるように、支援される側でなく、地域社会を支える担い手として、日本人とともに他の外国人の支援に携わっている多くの外国籍の方々がおられることが、よく分かった。
また、支援に加えて多様な立場にある関係者の情報交換の場とともに、地域の現状を見極め、多文化共生を進める専門家・コーディネーターの存在の必要性も提起された。
これらを通じて、今回のラウンドテーブルのような、NPO、関係団体、企業、行政などの多様な主体が、地域における共通あるいは異なる課題について話し合い、ネットワークを築いていくための場が必要とされていることを実感した。
したがって、これからは、外国籍住民への必要な「支援」について考えることと並行して、様々な立場の人同士が「交流」していくことが大切であり、緊急で対応すべき事柄とともに、さらに中長期的な観点で、「外国人と日本人が共に暮らしやすい地域づくりについて、皆それぞれが持つ得意分野や強みを発揮して役割分担をしながら、地域において何が出来るのか?」 について、さらに議論を重ねていくことが必要ではないだろうか。
県国際課から、県内の状況・施策等の概要を説明。
NPOほか:当団体の地元の市は県内で比較しても外国人の比率が非常に高い。そこで就職支援の一つとして、外国人向けのパソコン教室を開催している。今パソコンは就職に必要な技術、要素となっている。また、再就職するためにはやはり日本語が必要。市の国際協会と協働事業をさせていただき、スペイン語、ポルトガル語が堪能な外国籍住民の方に、指導者・通訳者兼ITアドバイザーとして教室に関わっていただいている。一つの例として、パソコンを使った日本語の履歴書作成のサポートをしている。要請もあり、単にITのことだけでなく、そのようなサポートもしている。日本語教室は月に2回ほどで、日本語がすぐに上手にできるというのは難しいが、これがきっかけになればと思っている。この方のように外国人の方も我々の側に入ってサポートしてもらえればと思っている。
行政:今まで派遣会社を通じて働き、自分たちの限られたコミュニティで生活できていたという面もあったが、外国人の方々自身にも、これからは自分たちが地域の中で自立していかないといけないという意識があるようである。
NPOほか:今、子どもが通っている小学校の近所でも、親の仕事が無くなって外国人の子ども達が学校に通えなくなっている。一日中アパートで時間をつぶしている子どもがいる。親も深夜のアルバイトでも子どもを寝かせたまま行く。昼間、親が職探しでいない間は、子ども達がその辺で遊んでいるのを駐車場でチラホラ見かける。
外国人学校に行っている子ども達は、しっかり昼ご飯を食べている。一方で、どこにも所属せずに本当に困っている公立の小学校に通う外国人の子どもは昼食を食べているのかわからない。本当に困っている人に、トイレットペーパーなども含めて「フードバンク」のような形で提供したい。それを行政に働きかけようと思っているところである。というのも、まったく学校にも職場にも所属していない方には、どこからも物資が回って来なくなる。まだ役所には言えていないが、団体ではなく個人の方に役所から渡していただく登録制度のようなものを考えている。
NPOほか:現在の生活困難に陥っている外国人への支援のため、各地域のNPOが集まってネットワーク組織ができた。それが社会福祉協議会と連携して、各地域の社協が物資を集めて配るようなシステムができていると思う。
NPOほか:個別支援ではなく市町社協等の団体や学校を通して支援することが多く、本当に困っている外国籍住民個人には届かない場合がある。
行政:地域によって違う。物資を集めるのは比較的楽であるが、いかに分配するかというのが難しい。地元の国際協会が受け皿になるのなら進むのではないか。社協に一度話をされてみたら良い。そうでないと駄目というよりも、社協としてもとりあえずは学校への方が配りやすい。その仕組みを変えてもらったら良いと思う。
NPOほか:社協としては直接個人には渡しにくい。そこで、学校や特定の団体にしか渡さないことが多くなると思われる。
世話人:その分配する団体が国際協会ならば、そこにNPO法人が入れば良いのでは。
NPOほか:地元の市には、外国人が自主的に組織を作っていこう、という動きがある。派遣会社に雇用されている時は、派遣会社のアパートに集団で住んでいてコミュニティがそこだけでよかったが、派遣が切れてしまうと地域の一住民として住んでいかないといけなくなる。派遣会社からの支援が無くなって、自分達同士でどのようにして支え合っていかないといけないか、について考えている。核になっている日系外国人の方がいて、さらにそれをサポートする地域の日本人がいる。そういう意味で、自分達で何とかしていこうとされているのを支援していきたいと思っている。
その方々にとって一番必要なのは日本語を学んでいくことである。今が勉強するチャンスだと思っているのに、行政の窓口に行ったら、会場がない、お金がない、とできないと断られてしまったという状況である。その中で、それを支援する地域の団体があれば支援していきたい。
先進地域の県には外国人が立ち上げたNPOがあり、そこの方を招いて研修会を開いたりして、非常に前向きに動いている状況がある。これが他の地域にも拡がって行けばよいと思っている。
もう一つ、数年前に滋賀県で就学調査があった際、非常に低い就学率であった。それをなんとか無くしていこうとしている。特に定住者として滋賀県に住んでいこうとされている方も多い。それで公立の学校に通わせようという保護者がいるが、言葉の壁がすごく大きく、学校での対応が非常に厳しい。かといって外国人学校にも通えるわけでなく、家にいるという状況がある。
その中で私たちは週1回土曜日に2時間ほど子ども達の学習支援をしている。せめてここに来ることによって、学校に通えなかった子どもの勉強が少しでもできればと思う。また、市内に点在している子ども達の居場所づくりもしているが、ボランティアが非常に少なくて思うような活動ができていない。
高等学校に進んでいこうという子ども達には、入学試験の壁が非常に高い。おそらく外国籍の子どもの進学率は50%あるかないかである。やはり日本は学歴社会なので、子どもにはしっかりとした学力を身に付けてもらいたいと思っている。
NPOほか:保育園や幼稚園では、園長先生や担任の先生が辞書を持ってきて一所懸命説明してくれる。ところが小学校に上がった途端、まったく学校からの連絡事項が理解できなくなったとよく聞く。役所に尋ねると、サポートする方が時々学校に来られるということであるが・・・。
NPOほか:1か月ほど前、10歳から3年間外国にいた親類が帰ってきた。最初、言葉の壁があり現地の学校では大変いじめられたようである。ところが3年間経つと帰りたくないと言った。その理由は学校の先生が非常に良い先生で、英語の発音を基本から教えてくれた。それで随分英語がうまくなった。だからそれを聞いて、日本人も来日している外国人に対するそのような支援についても考える必要があると思った。
世話人:例えば一部の外国には、どう移民を受け入れて定住させるか、という移民政策がしっかりとした国家政策としてある。ここでは英語をいかにうまく舌を使って発音するのかを教える学問が定着している。日本はそれが無いからやれといってもできない。発音は本来赤ん坊から育ちながら憶える場合と、大人になってからとでは全然違うが、大人でも同じように学べるシステムがある。日本にそれが無いのは、必要と感じていないからではないか。
NPOほか:地元の町には多くの外国人がいて、町の中に外国人学校があるが、テレビ、ラジオ、新聞等で、「学校がピンチだ。保護者が派遣切りで子どもが通えない。」と報道されている。
授業料がとても払える状況になく、子どもが半減して大変である。顔は外国人だが、ほとんどの子ども達が日本人として生まれ育っている。しかし日本に住んで良かったと思えないようなひどい状況に陥っている。日本人も大変であるが、外国人は日本語ができないと本当に再就職できない。何とか日本語を教えてくれる方が欲しいとのことである。今「多文化共生」をテーマに活動をしている私達の組織の中で、外国人と日本人が共に暮らせる良いまちづくりのため、交流などができないかと考えている。
NPOほか:日本では従来、外国人を入国管理法で管理しているだけで、移民政策というものが無い。同じ人でありながら、言葉のハンデがあるのをなおざりにするのは問題があり、差別にもつながると思われる。住民にしてもそうであるし、町としてもそういう柱を設けて、住民として暮らしができるようにしていかないといけない。住民は、住民の目線で、少しでも外国語で挨拶するなどの意識を持ったり、外国人も住民としての自覚を持っていただくための話し合いを行っている。
行政:今まではあまりしっかりとした施策の柱が無かった状態である。そこで特に地元の外国人学校が、経済情勢の悪化の象徴のようにクローズアップされた。これをきっかけにして、行政でも推進プランなどを作っていくのだが、関係者の住民がバラバラの方向を向いているのではなく、本当に統合したものにしていかなければならない。
NPOほか:大人社会もそうであるが、身近な学校の中に外国籍の子どもがいるというのが、もう既に「多文化共生社会」である。そういう子がいた場合、先生にとって手間や負担だと思われるか、あるいは、40人のうち1人いることが他の39人の生徒にとってプラスになる、そこで世界に開かれた目を持つことができる、そして、「どうしたらその子達が学校で過ごしやすくなるか、みんなで考えようね。」と思う先生か、どちらに当たるかによってその子の運命が大きく変わってくる。是非学校の中に多文化共生を目指す芽を持たせるような教育を取り入れることを考えて欲しい。
NPOほか:以前、ある市の教育委員会が、教育の国際化をどうしていこうかということで、前向きな考え方で、初めて学校とPTAに「良かったことは何ですか?」と聞いたら、いっぱい出て来た。今までこの仕事に関わってきた中で、良かったことがまとめられたものは初めて見た。困っていることだけでなく、何か良いことはないか、それで何ができるか、という話をしていきたい。課題を出すだけでは、支援にしかならない。特に日本人の中で、外国人は支援されるものという意識が埋め込まれて、先に先入観が植えられたのはすごく残念である。せっかく派遣会社が無くなって地域と直接関わることができる機会ができたのだから、どんな良いことがあるかポジティブな話し合いをできればと思った。
世話人:今後、県のプランづくりなどに関する協議の場を持つ予定などは無いか?行政:特に定住外国人の方々を地域でどう受け入れるか、一緒にやっていくのかを、みんなで考える場が欲しい。母語支援、日本語学習を含めて、色々な場、色々な形で人が関われるようにしていきたい。
NPOほか:当団体も以前は行政やNPOの方など色々な方と一緒に話し合う場を設けていた。現在は当団体が直接そのような機会をあまり持っていないが、(行政や他の機関やNPOなど)様々なところでこのような場をもたれている。多文化共生は、大人と子ども、男女、外国人と日本人、関西人と関東人だったり(笑)、色々な形態がある。少しだけ(その形態への)ケアを入れて、本来の担当課で責任を持って話し合いをされるのが良いと思う。
NPOほか:現在色々な市民活動をされている方の情報発信をしているのだが、以前から外国人がその活動に参加するという視点があまり無いと思っていた。
少し前に外国人の女の子が1人小学校に入学して、母国がイスラム圏ということもあり、食事の問題や両親への学校生活の仕組みの説明等で通訳として1年間関わった。その中で感じたのは、校長先生の考え方一つで、そのことをすごくプラスに捉えて、クラスの子ども達がその子の文化を受入れ、外国語を学んだり、先生も外国人の女の子の母国について学ぶ時間を持たれたりしていた。
NPOほか:学校から出される健診の診断書や入学前の説明を英語に直すだけでもハードルが高い。行政も市民活動をしている方も、地域住民には外国人もいるということの意識を常に持っていただきたい。災害の際の逃げ方の講座などもされているが、その際も日本語だけであり、翻訳しないといけないというハードルに加えて、外国語で出すという意識が無い。自分たちが同じ住民に発信するためにどうすべきか、どこまでそういったことができるのかが難しい。視覚障害や聴覚障害などのある方に対しても同様である。そこで、そういった方々も地域にいるという意識を持ってもらうには、どういった仕掛けがいるだろうかと考えている。
NPOほか:私も県外から滋賀県に来ても異文化を感じた。地域では、どちらかというと「郷に入れば郷に従え。」コミュニティに参加したくないという人もいる。私たちの意識も狭い。大らかさが無い。その辺りの意識改革が必要である。
外国人だけに問題があるのではない。こちらも住民としてそういったことを考えていかないといけない。それが大事なことかなと実感している。
NPOほか:日本に来て10年経ち、最近は暮らしやすくなったと実感している。日本に来たばかりの時は日本の社会は想像できないくらい厳しかった。多文化共生社会づくりは最近のことである。
日本の中で多文化共生社会づくりに対する認識がどれほどされているか分からないが、例えば、雇用の問題に関しては、今は外国人が本当に仕事を失っており、社会の一員として地域を支える前に、生きるために支援してもらうことを考えている。仕事で雇用が打ち切られるのは、まず外国人からである。仕事のチャンスは平等ではない。(言葉の問題で)日本人が優先的に採用されるのは当たり前で、私たち(外国人)にとってはチャンスが少ない。
NPOほか:今、皆さんは缶詰や服を集めて配るなどの温かい支援をしている。但し一時的な支援だと思う。日本に長く住んでいても、言葉ができなければ日本人とは交流ができない。日本の社会に生きながら、文化が理解できない、言葉が分からない、というのが外国人の今の状況である。個人の差もあるが言葉から支援するのが大切である。例えば、立場を替えて、私が日本人だったらやはり(言葉の点で)日本人を採用するかもしれない。本当に多文化共生社会づくりの認識をどれだけアップできるかが大事である。今の雇用は平等ではない。
NPOほか:外国から日本に来た子ども向けの母国語教室を作った。外国人でも子どもは日本にいれば日本の文化にすぐ慣れる。今、日本のマスコミ報道が母国のマイナス面を多く取り上げる。それで子どもは母国語を話していると何らかのコンプレックスを感じてしまう。外国もそれぞれの国に悪いところはあり良いところもある。日本もそうである。
NPOほか:私たちも少しでも日本人と協力して、少しでも地域に貢献したい。ところで、以前、地域振興券は私たちの子どもには配られなかった。一方で、今は定額給付金を外国人にも配っている。施策の善し悪しは別として、社会の雰囲気はそうなっている。振興券と給付金の取扱いの違いに象徴されるように、日本の多文化共生社会はステップアップしている。日本の社会が国際化されるのは、少しでもありがたく思う。今は昔より大人も子どもも何か困ったら色々なところで助けてもらえる。私も色々な経験があり、すごく孤独を感じたこともある。日本人と外国人との間でトラブルがあったら、必ず外国人が不利な立場に置かれた。10年前と比較したら変化はすごく大きい。仕事のチャンスなどの色々な課題はたくさんあるが、今考えると本当に暮らしやすくなった。
世話人:ここにいる団体の皆さんがさらに元気になり活動していくために、支援に関する県の制度や仕組みで、例えば人や資金の問題で何か提供できる情報はないか。提案公募などは外国語で情報として届いているのか?行政:できるだけ県の施策として広く届くようにはしているが、外国語では情報提供していない。どこの課もそうであるが、そういうところを考えると少し不十分であったかとも思うし、県の施策については未だにどうしても日本語中心である。
世話人:県が予算を持って外国語に翻訳する提案を募集するというのは以前もあったが。
行政:前回の緊急雇用対策では、外国人向けの医療ボランティアが外国人の乳幼児検診の情報を外国語に変えて作るという提案をされ、県がそれを採択したことはある。
NPOほか:今日冒頭で国際課から説明をいただいたが、在日韓国・朝鮮人の数が減っている大きな理由としては、帰化する人が増えているからである。現在日本人との結婚も非常に多いうえ、外国籍のままであると就職などで不利なこともあり、子どもは日本国籍を持っている人が多い。ここに「ニューカマー」にも共通する問題が隠されている。従来の日本の社会では、私は外国人だと言って生きてこられなかった経緯がある。
これに関して、当団体には「ニューカマー」の外国人支援に関わっている方もいて、その人から聞いたのだが、一番に親が付けてくれた外国語の名前を使いたくない、字面だけ見たら日本人と同じような名前を使いたい人が多くいるそうである。これを聞いて、本当に自分のナショナリティを出していける社会なのか、という疑問も持つ。例えば、そういう人達が定住化して日本国籍を取っていくと、やはりその外国籍の人の割合も減ってくる。そうすると「共生」という言葉がお互い認め合ってやっていこう、と理解しているのだが、問題が実は巧妙に隠されてしまう。しかし、自分の持っている文化や民族性は帰化しても消えるものではない。やはりそういうことを見ていかないと、現実が見えてこない。
NPOほか:ボランティア団体の集いで、外国人支援に関わっている「ニューカマー」の人達に「話をしに来てください。」というと、「仕事に行けなくなるので人件費を補償して欲しい。」と言われる。そこで思ったのは、私たちの両親も日本に来て苦しい思いをしてきたが、日本人と何かするときは仕事を置いてでも出かけていく。それは地域の住民として(日本人と)一緒にやっていくという気持ちがあったからである。母国と日本との間には色々なことがあったが、やはり東アジア圏で考え方が似ている面があると思った。一方で「ニューカマー」の外国人の方は、日系人といっても全然文化が違うので、そこが違うのかなと思った。
NPOほか:やはり背景にある文化や宗教、育ち方が違うので、オールドカマーの人達とニューカマーの人達が相容れない、色々な問題も出てくる。多文化共生の意識を非常に持っている人でさえも壁がある。これでは、全ての外国人が満足できる社会は絵に描いた餅になる可能性があるような気がする。
NPOほか:私たちは直接外国人を支援するというよりは、地域で外国人支援の活動をしている団体を応援している立場である。地元では10年近く多文化共生や国際協力が行政で進められているのだが、そこで課題として感じられるのは、既に活動としてはあっても、なかなか政策横断的になっていかない。やはり市町の中でも多文化共生が政策横断的になっていかないと難しいのでは、ということである。そういった意味でも、これからは、支援だけでなく、情報交換が必要なのかなと思う。
NPOほか:これから地域づくりの主体になっていく団体にもすごく期待している。ただし、現実はそんなに簡単ではなく、組織や事務局体制が固まっていない、また、その団体を情報交換の場とするのか、実際の具体的な活動を行うものにするのか、といった方向性などが見えてこないなど、団体内でも色々と難しい問題がある。やはりそこで多文化共生の専門家が地域にできてこないといけないと思う。これから我々が応援に入ってその基盤をつくっていきたい。その基盤はお金の問題かもしれないし、人の問題もあるかもしれない。そして、大きなものがネットワーク。活動されている方々が違う分野同士でネットワークを持っていただきたい。その辺りに支援していけることがあると思う。
NPOほか:また、広域での取り組みが必要である。外国籍住民の方が住んでいる市町と働いている市町が別のケースも多くある。そういうことで、もう少し広域での情報交換などの場が必要であり、県内でも設けていけたらと思う。
NPOほか:地元の外国人学校も、他市町から多くの児童が来ている。だから単独の市町独自の支援は難しいと思う。そういう意味で今言っていただいた広域的な部分で、支援や補助が緊急措置的な形で必要ではないか。まだ企業が学校に関わってくれている所などは良いのだが・・・。
世話人:今日までを振り返ると、多文化共生に関して滋賀県は若干弱かったのかなという気がしている。これは行政の動きもそうであるし、市民側もそうである。また、この経済危機を一つのきっかけとして、古くからおられるオールドカマーの話も改めて皆で考える必要があると認識した。
そこで、行政は、もっと制度的に受け入れる仕組みを整えるといった、自治体ができることもあり、また、法体系や国の制度をどう変えるかを考えるために、行政間相互で動く必要があるし、それに対して我々も声を上げていかないといけない。
一方、市民サイドのボランティアにはやはり限界がある。ボランティアで動ける人だけでなく、職となる仕組みが無いと市民活動自体にも更なる厚みが出ない。
このような話題がこの場で出せたことは、遅きに失したところはあるが、また話し合いをしたいと思っている。
情報掲載日 2009年07月01日
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滋賀県県民活動課NPO・協働推進担当
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