県民文化課から「ラウンドテーブルしが」趣旨説明、ルール説明
NPOが行政と事業を協働で実施しようとしたとき、行政側はどうしてもNPOの実績というものを求めてしまう。行政からすると、実績がある方が安心できるからというのは分かるが、しかし反面NPOからすれば、行政側にNPOを育てる視点というのが大切ではないのか、という思いがある。また、県が提供する事業はなかなか敷居が高く、活用しづらい。「ラウンドテーブルしが」という場で話し合いをして、それを次につなげるように出来ればいいのではないかという協議であった。
県民文化課NPO活動促進室:平成16年度にNPOと滋賀県のよりよい協働を推進するため、協働の仕組みやルールについて、NPO関係者、県職員、有識者等で構成する「しが協働モデル研究会」を設置して議論して、「しが協働推進ボード」、「協働部活プロジェクト」、「ラウンドテーブルしが」、「しが協働ル~ム」の4事業を開始した。また、今年度は、NPO活動推進自治体全国フォーラム滋賀大会を開催し、ファーストステップセミナーについても開催する。
おうみNPO政策ネットワーク:草津市で中間支援NPO活動を行っている。立命館大学、(財)コミュニティ事業団で講座等も開催している。協働ということで言えば草津市環境課と協働を実施して6年目だ。
滋賀の園芸福祉研究会:園芸福祉というジャンルで、いろんな人がネットワークを作って、福祉に取り組んでいる。園芸福祉活動ということで、子どもから高齢者、障害の有無に関わりなく参加してもらっている。凶悪犯罪が低年齢化しているが、大自然の厳しさ、優しさに触れることで凶悪犯罪も防げるのではないかと考えている。
滋賀県難病連絡協議会:1984年に協議会は発足し、2001年NPO法人となった。2002年から難病患者のための作業所ということで、滋賀難連共同作業所を始めた。H18年10月から滋賀県難病相談支援センターが設置され、運営委託を受けた。
ライフステージ支援ネットワーク:3月にNPO法人を立ち上げたばかり。いろいろと挑戦しているが、壁を感じているところだ。
NPO:県が業務発注をする際、NPOの実績を求められる。地元でしか出来ないことがあると思うが、企画書勝負ということになると大きなところには勝てない。NPOを育てていくという視点が必要では。
NPO:行政は協働、協働という割に腹を割って話していない。公募案を出しても、駄目かと思ってしまう。
世話人:行政にも温度差がある。進めようというところとそうではないところがある。また、NPOと企業を競争させる必要はない。またNPOはNPOで何が出来るかということをアピールしていく必要があると思う。
行政:NPO活動促進室で発注しているファーストステップセミナーは公募提案型事業で、県内のNPOから募集している。いろんな視点で選考している。いつも採択される団体が固定化しないようにと思っていて、いろんなところを巻き込んだ形の企画を評価する、とか普及効果を意識して選定するとかしているが、全庁的にはそうなっていない。こういう視点も必要だということをNPO活動促進室は広げていく必要があると思う。
世話人:NPOが行政から、協働の業務を受けたときには、「協働」の契約書を交わすべき。
NPO:過去から進めてきた事業等があっても、行政は4月になると人事異動があって、話し合いを重ねてきたことが生きてこないことがある。会議をしても過去からの会議が続いているのだが、また一から仕切り直しになってしまいかねない。行政は行政で大変かもしれないが、我々も大変だ。
NPO:NPOから行政に相談するときに、「しが協働ル~ム」という仕組みがあると言われても、非常に複雑に感じる。もっと簡単にできないのか。資料を見ると難しそうだ。
行政:「しが協働ル~ム」は、行政に話しにくいという方のために、という意味合いが強い。また、部局横断的なものについての提案等。しかし、わかりにくい点があるかもしれない。
NPO:行政機関に、事務所を貸与してほしいというNPOは多数あると思う。一つを認めると、他にも、という話になってしまうようで、なかなか許可されることがない。
世話人:NPOが公的機関の事務所に入ってしまうと、癒着ではないかと疑いをもたれてしまうことがあるので、あいまいなところをなくして、明確にしなければいけない。
NPO:行政に対して、何かしてほしいというのではない。いろんなアイデアを相談したりしたいだけだ。
NPO:教育問題がクローズアップされているが、学校教育の前に家庭教育がある。ここが変わってきていることが問題の原因の一つではないかと思っている。世代を超えた人間関係を築くことで、地域づくり、まちづくりにつなげたい。
世話人:広島県福山市では「バラのまち 福山」ということで、バラを植えている。各家庭の玄関先にもバラを植えている。「バラのまち 福山」だから植えているという。何らかのきっかけでそういうことをしているが、これが結果的に協働事業になっていると思う。もともと協働という意識はなかったと思うが、何かしたいという市民の思いがあって、行政も何かをしなければと思っていて、NPOはNPOでやっていたことがマッチした。最初から協働していたら出来なかったかもしれない。何かをするときにも、具体的に誰がどうするかということが見えれば、協働もいい方向に向かうのではないか。
NPO:行政と協働事業を行っているが、長期になると中だるみしてしまい、「なぁなぁ」関係になってしまっている。1年毎に評価する仕組みを持たないといけない。どんな組織にも新陳代謝は必要だと思う。
行政:事業に対する評価についてはシステム化するのはなかなか難しい。行政でも足踏み状態だ。
世話人:「しが協働モデル研究会」でも指定管理者はNPOにとっての突破口だと思っていて、NPO向けのことも書かれていたが、現実には企業向けだったりしている。NPO向けのメニューがあってもいいのでは。
NPO:会員のモチベーションを保つのも大切だ。協働事業が進めば、会員の気持ちも保てるが、何も出来ないということではやる気がなえてしまう。
世話人:「ラウンドテーブルしが」から「しが協働ル~ム」につながる成功例が必要だと思う。形としては正式な手続きを踏む必要があるかもしれないけれど、成功例がないから動かないままだ。
閉会 [12時00分終了]
情報掲載日 2009年01月26日
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滋賀県県民活動課NPO・協働推進担当
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