第10回活動
日時:平成18年5月23日 19時00分~21時00分
場所:滋賀県庁別館4F「しが協働ル~ム」
出席者:京都府林務課普及指導支援室・白石氏
(特活)エコ村ネットワーキング・高階氏
滋賀県立大学環境科学部・松岡氏、与語氏、戸野氏
水政課・山口主任技師
環境こだわり農業課・豊岡主幹
農業経営課・笠井副主幹
林務緑政課・川崎副主幹
森林センター・西村主査
県民文化課NPO活動促進室・大橋、上出
〈協議概要〉京都府林務課・白石氏から「京都府におけるウッドマイレージCO2認証制度」についてお話いただいた。
■京都府におけるウッドマイレージCO2認証制度について参考資料「京都府におけるウッドマイレージCO2認証制度」を参照。
〈補足説明〉
・流通業者が主導的な京都府の木材業界では、地域材認証制度をつくろうという機運が少なかったため、京都府がウッドマイレージCO2認証制度を創設したが、本府の制度は基本的に自主的に参加した関係者により運営される制度である。
・第三者機関が認証制度を管理することで、業界による業界のための制度ではなく、市民に対して透明性が高い制度を目指している。
・間伐材製品を対象とした1年間の試験的運用を経て、トレーサビリティに協力が得られると判断し、平成17年末の制度改正で一般材も対象とすることにした。
・また、三重県の県産材認証制度を参考にして、地域木材を使う「緑の工務店」等の登録制度をつくった。「緑の工務店」「緑の設計事務所」「緑の建築ネットワーク」と名称に「緑」を使用するのは、環境にやさしい事業体ということが表せるようにするため。
・指定認証機関によって京都府産木材と証明されるのは、荷渡票などで流通過程が遡れるもので、流通過程に認定された取扱事業体以外の業者が一つでも入っていると証明されない仕組み。
・シンボルマークは、顔の見える関係で木を手渡していることを表している。
・違法伐採問題への対応として、平成18年4月から政府が調達する木材(製品)は合法性の証明が必要になった。
林野庁のガイドラインが示す三つの証明方法
(1)森林認証制度及びCoC認証制度を活用した証明
(2)森林・林業・木材産業関係団体の認定を得て事業者が行う証明
(3)個別企業等の独自の取組による証明
京都府の取り組みは(3)に当たるが、京都の制度ではまだ対応できていない。京都府ではこれから1年間ぐらい準備をして、森林所有者や素材業者の伐採届とウッドマイレージCO2認証制度を組み合わせる形で取り組みをしようと検討している。
・京都府の認証制度は木材製品の品質を問わない制度である。木材製品の品質については、公的なところが品質を規定することは加工業者等の努力をそぐことになるだろうと考える。木材製品の品質は業界自身の自主的な制度としたい。認定を受けた製材業者でグループを作ってもらって木材製品の品質基準を作成してもらいたいと考えている。京都府としては、業界の自主的で自覚のある取り組みを後押しする。
・ウッドマイレージCO2認証制度を活用して、地域にある木材資源を循環利用する、すなわち再生可能な地域森林資源を循環利用するためのネットワークをつくっていきたい。
■質疑応答ほか・国内で地産地消を推進することも大切なことだが、国産材だけでは足りないという状況の中で、ウッドマイレージCO2認証制度の対象はむしろ輸入材にすべきではないか。
・長期のビジョンを目指しての業界支援や従事者支援が必要だと思うが、京都府ではどれぐらいの人工林を手入れして供給を図るのか、自給率の目標は、などの計画はあるのか。
・東ドイツやオーストリアなどヨーロッパの施業に学び、自然条件と資源に合致した新しい素材生産システムを地域につくっていかなければならないと考えている。
・認証制度の導入により期待していたことと、それに対してもっとも効果があったことは何か。
協議風景3
・認証制度では品質を問わないということだが、京都府が調達したものの中で、これまでにひどい品質のものはなかったか。
→認証制度自体は品質を問わないが、どんなものでも使う側が買うというわけではない。京都府が公共工事で木材を買うときは品質を当然指定する。
・大津の森の木で家を建てようプロジェクトでは認証制度導入の検討にあたって、制度の経費を誰がどのような形で負担するのかで議論が止まっている。
→取扱事業体は認定を受けるのに協力金として費用がかかる。指定認証機関の収入は、取扱事業体からの運営協力金と、京都府産木材証明及びウッドマイレージCO2計算書発行で得る手数料である。
・地域の木材を使うとCO2排出量が少なく環境にやさしいということをアピールできるとよいと思う。マイレージCO2の算出は京都府産の木材だけだが、比較する対象はあるのか。
・取扱事業体は1年間に全く府産材を使用しなければ、認定を抹消されるが、再度認定を受けることはできる。
・一般材の使用は住宅が中心だと思うが、住宅以外の製品についての認証も考えているか。
→地域材の家具などでも使おうと思っている。シンボルマークを焼印するなどして普及を図りたい。
■その他
・この協働部活プロジェクトの取り組みを「びわ湖環境ビジネスメッセ」(平成18年10月25日~27日、県立長浜ドーム)に出展してPRする。