滋賀県内に住む、また訪れる外国人が不自由なく生活・滞在するにあたって、彼らを支える翻訳者・通訳者が、これまでどのような困難・失敗に直面してきたのか、経験談に基づく共感によって、言語対応のあり方を模索しあう「多言語・翻訳アワー in 滋賀」。
第3回は「機械翻訳・手動翻訳、外国語以外の表記方法」をテーマに、翻訳業務をあたっている方々の経験談・失敗談をもとに、意見交換を行いました。
ここ最近、様々な形で機械翻訳のサービスがニュースで取り上げられています。ニュースをみていると近未来な印象を受けますが、一方で誤訳によるトラブルなども耳にします。前半はそんな「機械翻訳」について、その仕組みを学ぶとともに、その向き合い方について意見交換をしました。
そもそも機械翻訳はどのような仕組みで行われているのでしょうか?今回はゲストに株式会社エニドアの山田尚貴さんをお招きし、下記の動画を見ながら機械翻訳に関する基礎的なことを伺いました。山田さんは機械翻訳サービスに使える大量の翻訳データ構築を行っています。
https://www.youtube.com/watch?v=X4BmV2t83SM(外部サイトへリンク)
この意見交換会を開く前に色々な方に話を伺っていたところ、機械翻訳は外国語のわからない人だけでなく、翻訳者さんも仕事などでよく使っていることがわかりました。どういう時に機械翻訳を使っているのでしょうか?
機械翻訳サービスはただ利用するだけではなく、私たちがサービスの精度向上に貢献することもできます。山田さんから次のようなアドバイスをいただきました。
後半では、外国語を使わずにコミュニケーションをとった時の経験談を共有しました。
ピクトグラムは日本語で「案内用図記号」といいます。日本では1964年の東京オリンピックで日本人と外国人とのコミュニケーションを媒介する手段として開発されたことを契機に広く普及されたと言われており、特にサイン表記の場面で世界でも積極的に活用されています。
ピクトグラムのように絵を使う場合と異なり、体を使ったコミュニケーションは不思議と気持ちが伝わるものです。当初予定していなかった話題だったのですが、いくつかの体験談が出てきました。
日本語を学んでいる外国人でも、身近でない言葉の意味はなかなかわからないものです。「やさしい日本語」は、できるだけ簡単な表現を用いることで、日本語をおぼえたての方でも必要な情報を理解してもらえるような配慮の試みです。滋賀県内の市町などでも様々な「やさしい日本語」の活用啓発が行われています。
ここで参加者どうしで「やさしい日本語」づくりにチャレンジしてみました。皆さんならこの文章、どうやさしく表現しますか?「明日は降雪のため、交通機関が乱れる可能性がありますのでご注意ください。」
ちなみにこの文を紹介した方のブログには、次のように記されていました。
https://news.yahoo.co.jp/byline/tanakaiki/20161124-00064777/(外部サイトへリンク)
翻訳と同様、一意に表現が定まるものではありませんが、極力熟語を減らしたり、文章を短く、文の構成をシンプルにする姿勢が重要なのでしょう。そんな「やさしい日本語」について、よく似た経験も含めて伺いました。