壁紙の張替えなどの内装リフォームによるシックハウスやにおい、化学物質に関する事故情報が寄せられていることを踏まえ、平成26年11月28日に消費者庁から
が公表されました。
建築基準法では、平成15年7月から、全ての建築物の居室におけるシックハウス対策として、内装仕上げに使用する建築材料の面積制限や換気設備設置の義務付け等が実施されています。
壁紙やフローリングの張り替え、壁の塗装、水周りの更新などの内装リフォームを行う場合は、ホルムアルデヒド発散量が少ない建築材料を使用する等、建築基準法に基づくシックハウス対策を適切に講じるよう、事業者に求めましょう。
なお、建築基準法のシックハウス規制が施行された平成15 年7月より前に着工された既存不適格建築物については、壁紙の張り替えなど内装リフォームを行う場合、上記規制の適用を受けませんが、建築基準法に定められたものと同様のシックハウス対策を行うことが望まれますので、事業者にそのように求めましょう。
建築材料から発散されるホルムアルデヒド量は、原則として「F☆☆☆☆」、「F☆☆☆」、「F☆☆」で表され、「☆」の数が多いほど発散量が少ないものになります。
御自身で壁紙等の建築材料を購入して内装リフォームを行う際は、表示されたホルムアルデヒドの等級を確認し、F☆☆☆☆など発散量が少ないものを選択するよう心がけましょう。表示がない場合は販売業者(通販業者を含む。)に確認するなどしましょう。
ただし、化学物質が人に与える影響には個人差があるとされ、ホルムアルデヒド発散量が少ない建築材料を使用していれば、決してシックハウス症候群にならないというわけではありません。
内装リフォーム後は、十分な換気と通風を行いましょう。特に夏場は高温多湿になるため、建築材料からの化学物質発散量がより多くなりますので、工事中から換気を行う等の対策が必要です。
現代の住宅は気密性が高く、室内の空気環境が悪化してしまいがちですので、入居後も定期的な換気、通風を心がけましょう。
また、家具や衣類の防虫剤、殺虫剤から発散される化学物質やカビ、ダニなどもシックハウス症候群の原因になるといわれていますので、これらの日用品などにも気を配りましょう。
引越しやリフォームを行った後、新しい家具等を購入した後等に、目がチカチカする、頭痛、めまい、喉が痛い、咳が出る、息苦しいなど、シックハウス症候群のような症状が出た場合は、早めに医療機関に相談しましょう。