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狂犬病について〜県民の皆様へ 正しい理解のために〜

平成18年に、海外からの帰国者で、狂犬病の輸入感染症例が相次いで2例確認されました。

わが国においては、昭和33年以降、動物における狂犬病の発生はなく、いずれも、海外の狂犬病流行地域で、犬に咬まれたために感染したと考えられています。

ヒトが狂犬病に感染し発症した場合、有効な治療法がないため、ほぼ100%の者が死亡します。しかし、流行地域への旅行前や咬まれた後に狂犬病ワクチンを接種することで、発症を予防し救命することができます。

県民の皆様の狂犬病に対する理解を深め、適切な予防対策をとっていただくために、この資料をお役立てください。

狂犬病とは

狂犬病は、狂犬病ウイルスを原因とする動物由来感染症です。

「狂犬病」という病名から犬だけがウイルスを持っていると思われがちですが、ネコ、キツネ、スカンク、コウモリなどほとんどすべてのほ乳類が感染し、地域により感染源となる動物が異なります。

ヒトへの感染は、狂犬病に感染したこれらの動物に咬まれることにより、唾液中に含まれるウイルスが傷口から侵入して起こります。

発症するまで、検査では発見することはできません。

発症するとほぼ100%の者が死亡しますが、狂犬病の犬等に咬まれた後、ワクチン接種により発病を予防できます。通常、ヒトからヒトへ感染することはなく、感染した患者から感染が拡大することはありません。

症状、潜伏期間

症状は、初めに発熱、食欲不振、咬まれた場所の痛みやかゆみが出現します。その後、不安感、恐水症状及び恐風症状、興奮性、幻覚、精神錯乱などの神経症状がおき、呼吸障害により昏睡状態となり、ほぼ100%の者が死亡します。

ヒトの場合の潜伏期間は、通常は1〜3ヶ月程度ですが、中には数年の場合もあります。

予防対策について

1.狂犬病が発生している地域へ旅行する前に、狂犬病ワクチンを接種しましょう。

狂犬病は世界のほとんどの大陸で見られ、毎年5万5千人を超える死亡者が出ています。

世界における狂犬病の発生状況は、次のホームページから情報を入手できます。

厚生労働省検疫所 海外で健康にお過ごしいただくための情報サイト

長期滞在者、研究者など動物と直接接触し感染の機会が多い場合や、奥地・秘境などへの渡航する場合等、すぐに十分な医療機関にかかれない人は、事前に狂犬病ワクチンを接種しましょう。

なお、現在国内で流通する狂犬病ワクチンは2種類(組織培養不活化狂犬病ワクチンおよびラビピュール筋注用)あり、接種間隔はワクチンの種類によって異なります。

●組織培養不活化狂犬病ワクチン:4週間の間隔で2回接種し、6ヶ月後にさらに1回追加接種

●ラビピュール筋注用:2回目を7日後、3回目を21日後または28日後に接種

予防接種医療機関の情報については、下記をご参照ください。

厚生労働省検疫所ホームページ(予防接種機関)

滋賀県医療機能情報システム

なお、医療機関によっては、取り扱いが変わっている場合もありますので、事前に必ず確認して、接種可能かどうかを問い合わせてから受診してください。

2.狂犬病が発生している地域へ渡航したら

日本人旅行者は、犬やネコを見ると無防備に手を出し、なでたり、手から直接エサをあげたりしますが、むやみに野犬や野良猫、野生動物に手を出さないようにしましょう。

3.狂犬病が発生している地域で動物に咬まれたら

  • まず、傷口を石けんと水でよく洗い流し、できるだけ早く地域の医療機関を受診してください。
  • 咬傷事故後のワクチン接種は、初回接種日を0として、0,3,7,14,30,90日の間隔で、6回接種を行います。 (ワクチンの種類によっては異なることがあります。)
  • 帰国時にすべてのワクチン接種が終了していない場合には、国内ワクチンを用いて、引き続き接種を続けます。
  • 狂犬病はいったん発症すれば効果的な治療法はありません。このため、できるだけ早期に、狂犬病ワクチン接種を受ける必要があります。

予防接種医療機関の情報については、下記をご参照ください。

厚生労働省検疫所ホームページ(予防接種機関)

滋賀県医療機能情報システム

なお、医療機関によっては、取り扱いが変わっている場合もありますので、事前に必ず確認して、接種可能かどうかを問い合わせてから受診してください。

国内での狂犬病予防対策について

狂犬病は、すべての哺乳動物が感染しますが、人に狂犬病を感染させるおそれのある動物としては犬が一番危険性が高いとされています。

なぜなら、犬は狂犬病ウイルスに対する感受性が高い上、人間に一番身近な動物だからです。世界の流行地を見ても、犬による狂犬病が一番多いのはこのためです。

そこで、狂犬病予防法に基づいて、飼い主は必ず飼い犬の登録をして所在を明らかにすることと、飼い犬に狂犬病予防ワクチンを毎年1回接種しなければなりません。

国内に狂犬病が発生していないからといって油断は禁物です。物や人が簡単に海外から国内に流通する現代では、いつ狂犬病ウイルスを持った動物が侵入しないとも限りません。

「うちの犬は家庭犬だから大丈夫」というのも間違いです。

新しく犬を飼ったら登録し、毎年1回狂犬病予防ワクチンを接種するのは飼い主の重要な義務であることを忘れないで下さい。

問い合わせ先

ヒトの狂犬病予防に関するお問い合わせは・・・

健康医療福祉部医療政策課感染症対策室 感染情報企画係(電話077-528-3632)

犬の狂犬病予防に関するお問い合わせは・・・

健康医療福祉部生活衛生課 管理・営業係(電話077-528-3641)

ヒトおよび犬の狂犬病予防に関するお問い合わせは・・・

各保健所、動物愛護センターまで
各 保 健 所 電 話 番 号
草津保健所 077-562-3534
甲賀保健所 0748-63-6147
東近江保健所 0748-22-1300
彦根保健所 0749-21-0283
長浜保健所 0749-65-6662
高島保健所 0740-22-2526
大津市保健所 保健予防課 077-522-7228
大津市動物愛護センター 077-574-4601

狂犬病に関する情報・・・

厚生労働省

厚生労働省検疫所

お問い合わせ
滋賀県健康医療福祉部医療政策課感染症対策室
電話番号:077-528-3632
FAX番号:077-528-4866
メールアドレス:[email protected]