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エムポックスについて

1.エムポックスとは

 エムポックスウイルスによる急性発疹性疾患です。感染症法上の類型では、4類感染症に指定されています。これまで主にアフリカ大陸で発生が報告されていましたが、2022年5月以降、欧米を中心に感染事例が報告されており、日本においても継続的に感染者が確認されています。2022年7月23日にWHOは、『国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態』を宣言しましたが、その後各国で患者の早期発見と疫学調査、治療薬やワクチンの導入、啓発活動といった対策が実施されたこと、世界的な報告数の減少がみられたこと、また、重症度や臨床症状の傾向に変化が見られれないことから、2023年5月11日に国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態に該当しないことを宣言しました。

 その後、2024年8月14日にアフリカ中部で新系統のウイルスが急拡大していることをうけ、約1年3か月ぶりに『国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態』を再度宣言しました。

2.症状

 潜伏期間は通常7~14日とされています。水ぶくれを伴う発疹に加え、多くの場合、発熱、寒気、倦怠感、リンパ節の腫れ、頭痛、筋肉痛などの全身の症状が現れます。多くの場合2~4週間ほど症状が続いた後自然に回復します。

3.感染経路

 アフリカに生息するリスなどのげっ歯類をはじめ、サルやウサギなどウイルスを保有する動物との接触により人に感染します。感染した人や動物の皮膚病変、体液、血液との接触(性的接触を含む)、患者との接近した対面での飛沫への長時間の曝露、患者が使用した寝具との接触等により感染します。

4.国内の流行状況

日本では、2022年7月に国内1例目の患者が確認されて以降、2024年8月16日時点で248例が報告されています。(出典(1))

国内の症例おいても、性的接触による感染の可能性が示唆されており、2024年2月25日時点で確認されている症例240例のすべてが男性であり、そのうち175例(72.9%)において発症前21日間に性的接触があったことが報告されています。(出典(2))

5. 予防

 現在の世界的な流行は、性的接触による感染経路が多く報告されていることから、パートナーを限定する、お互いに発疹など症状がないか確認する、コンドームを使用するなど、感染のリスクを減らすことが大切です。(出典(3))

6.疑う症状がある場合

 エムポックスを疑う症状が認められた場合、最寄りの医療機関に相談して下さい。なお、受診の際は、公共交通機関を避け、自家用車等他人との接触をなるべく避けられる交通手段を用いてください。やむを得ず公共交通機関を利用する場合は、マスクを着用し、皮膚の病変がある場合は、発疹部分を衣類やガーゼ等で病変を覆うなどの対策をしてください。

7.海外渡航者される方へ

現在、外務省はコンゴ民主共和国、ブルンジ、ケニア、ルワンダ、ウガンダ、コンゴ共和国、中央アフリカ共和国の7か国の渡航者に向けて、感染症危険情報レベル1(十分注意してください)を発出しています。(出典(4))

8. 出典

お問い合わせ
健康医療福祉部 健康危機管理課 感染症係
電話番号:077-528-3632
FAX番号:077-528-4866
メールアドレス: [email protected]