冬場などに、元気だったのにお風呂場やトイレで亡くなっていたという方の話を聞いたことがありませんか?それは「ヒートショック」によるものだったかもしれません。暖かい場所から寒い場所へといった急激な温度の変化が体に影響を及ぼすのです。ヒートショックは予防できます。予防対策を取り入れて健康で安全な生活を送ってください。
高齢者 | 元気な方でも、生理機能の低下により、体温維持や血圧の変動を起こしやすい状態です。 |
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高血圧の方 | 血圧の急激な上下変動(乱高下)による低血圧が起きやすく、意識障害を起こす危険性があります。 |
糖尿病、脂質異常症の方 | 動脈硬化による血管の機能低下と余分なコレステロールなどが血管壁にたまっているため、高血圧や脳卒中、心筋梗塞を起こす危険性があります。 |
東京都健康長寿医療センター「冬場の住居内の温度管理と健康について」*1
(消費者庁HP News Releaseより*3)
表1 東京都23区における入浴中の死亡者の平均件数と1日あたりの平均件数*2
(東京都福祉保健局東京都監察医務院ホームページに公開されている平成24年~28年度5年間データより)
1 | 入浴前に脱衣所や浴室を暖めましょう。 | 温度の急激な変化を避けるため、入浴前に脱衣所や浴室を暖房器具で暖めることが効果的。窓まわりは熱が逃げやすいので内窓を設置するなども効果があります。 /浴槽のお湯を入れる際、高い位置からシャワーで給湯すると、蒸気で浴室全体が暖まります。自動給湯の場合は、最後の5分をシャワーで給湯するだけでも効果があります。 |
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2 | お湯の温度は、41度以下で浸かる時間は10分をめやすにしましょう。 | 10分間の入浴で体温は38度になり、熱いお湯ほど体温は早く上昇します。体温が高くなると、意識障害を起こし、浴槽から出られなくなるなど溺水やショックによる心停止の危険性があるとの報告があります。*2/半身浴でも長時間入浴すれば、体温が上昇するので気をつけましょう。 |
3 | 食事直後・飲酒時の入浴を控える | 食事直後や飲酒時、薬物(睡眠薬など)の服用後は、血圧が下がり、意識障害が起こる可能性があります。溺水やショックによる心停止の危険性があるので注意しましょう。 |
4 | 夕食・日没前の入浴(午後2~4時ころがおすすめ) | 日没後に比べて外気温が高いため、脱衣所や浴室がそれほど冷え込まないことに加え、人の生理機能として、2時~4時が温度差への適応がしやすい時間帯とされています。 |
5 | 一人での入浴を控える | 異変の発見の遅れが死亡事故につながることがあります。可能な場合は、家族の見守りのある時間や公衆浴場などを活用し、一人での入浴を控えましょう。また、家族に一言声をかけてから入浴したり、家族等が定期的に声をかけるようにしましょう。 |
一般社団法人日本気象協会と東京ガス株式会社で共同開発された「ヒートショック予報」が2017年10月から日本気象協会で開始されました。「ヒートショックの危険の目安」を知らせる情報です。標準的な戸建て住宅を想定して、冬季の気温の予報から屋内で生じる冷え込みや温度差の程度を推定して3ランク(警戒・注意・油断禁物)と5種類のマーク(冷え込み警戒・気温差警戒・警戒・注意・油断禁物)で表示しています。
滋賀県のヒートショック予報(日本気象協会リンク)(外部サイトへリンク)
(参考資料)
*1東京都健康長寿医療センター「冬場の住居内の温度管理と健康について」「わが国における入浴中心肺停止状態(CPA)発生の実態-47都道府県の救急搬送事例9360件の分析-」
*2厚生労働科学研究「入浴関連事故の実態把握及び予防対策に関する研究」 平成25年度総括・分担研究報告書研究代表者 堀進悟
*3消費者庁News Release「冬場に多発する高齢者の入浴中の事故にご注意ください!」