滋賀県では、県民一人ひとりが輝ける健やかな滋賀の実現を基本理念とし、平成30年3月に滋賀県保健医療計画を改定し、慢性腎臓病対策について、「全ての県民が、慢性腎臓病(CKD)について知り、発症・重症化を予防でき、病気になっても安心・安全な暮らしが継続できる」ことを目指しています。
慢性腎臓病(CKD)(以下、「CKD」という。)は、原因疾患を問わず慢性に経過する腎臓病を包括するもので、腎機能(糸球体ろ過量GFR)等により、ステージ1~5期に分類されます。CKDは、脳卒中や心筋梗塞等の心血管疾患のリスクを高めるため、予防、早期発見、適切な治療や保健指導により重症化を予防することが重要です。
CKD患者(20歳以上のステージ3以上と尿蛋白(+)以上)は、全国で約1,330万人、成人人口の12.9%と推計されており、本県の患者数は約14万人と推計されます。(平成23年度厚生労働省研究班)
腎不全が原因の死亡者数は247人、死亡者数全体の約2.0%(全国約1.9%)を占めます。また、腎不全死亡率(人口10万人対)は、滋賀県17.7人(全国19.6)と全国より低い状況です。(平成27年人口動態調査)
「CKDという病気を知っている」県民は21.2%、「聞いたことがあるがどんな病気か知らない」は31.8%、「聞いたことがない」は47.1%でした。(平成27年8月県政モニターアンケート)
県内の慢性透析患者数は年々増加しており、平成27年(2015年)12月末現在で維持透析患者は3,122人となっています。新規透析導入原疾患の占める割合では、糖尿病性腎症が44.1%と最も高く、次いで慢性糸球体腎炎18.0%、腎硬化症12.4%となっています。(日本透析医学会、滋賀腎・透析研究会)
CKDのステージに応じ、予防・早期発見、早期治療、重症化予防まで切れ目なく必要な支援が行えるよう、関係機関および多職種連携による支援体制を構築します。
災害発生時に、人工透析患者自身の対応方法を平常時から周知しています。
大規模災害が当県で発生した場合(震度6弱以上)および発生の恐れがある場合に、透析患者や透析医療機関が被災し、また施設の被害がなくともライフラインの寸断により透析が不可能となり、生命の危険がさらされる患者が出ることが予測されることから、災害発生時および発生の恐れがある場合における透析患者等の安全の確保・円滑な医療の確保をするため、「滋賀県災害時人工透析対応マニュアル(平成31年3月1日改正)」を作成しています。