ガニ川は高島市マキノ町山中に位置し、保全対象として人家38戸および県道310mを含む流域面積0.85km2の土石流危険渓流です。流域内には、斜面崩壊や不安定土砂が堆積しており、土石流が発生すると甚大な被害が予想されることから、土砂災害を防止することを目的として、これまで砂防施設の整備を進めて参りました。
整備した主な施設は、砂防堰堤1基(H=10.5m、L=105.3m)、渓流保全工(L=200m)および管理道路(L=220m)です。砂防堰堤の形式としては、透過型と不透過型に大別されますが、ガニ川においては、流域の特性等を踏まえ、透過型を採用いたしました。透過型砂防堰堤とは、平常時は水と土砂をそのまま下流に流し、土石流が発生した際に土砂や流木を堰き止める機能を持つ砂防堰堤のことで、平常時は自然な河川環境を維持しつつ、有事の際には土砂災害を防ぐ役割を果たします。
ガニ川においては、令和2年度から令和6年度の5年間にわたり工事を実施しました。令和2年度に渓流保全工事を開始し、令和4年度の堰堤工事の着工を経て、令和6年度の堰堤工事および舗装工事の完工をもって施設整備が完了しました。これらの施設整備により、今後は、土砂災害のリスクが軽減され、地域の安全・安心に資することが期待されるとともに、各施設の機能が将来にわたって発揮されるよう、適切に施設管理を行って参ります。