A. 琵琶湖の水面の高さのことです。B.S.L.(Biwako Surface Level)0mの高さから水面がどれだけ上がった(下がった)かによって表されています。(B.S.L.については「琵琶湖水位の「0」ってどうやって決まっているの?」の欄参照)
琵琶湖の水位の1cm分は、約680万立方m!(リットルで表すとなんと約68億L!)5か所の水位観測所(片山・彦根・大溝・堅田・三保ヶ崎 )の水位の平均した数値が琵琶湖の水位になっています。(観測所の場所は右図参照)
平成4年(1992年)4月までは、鳥居川水位観測所の水位が琵琶湖の水位とされていました。
A.琵琶湖に降った雨や、川を通って流れ込む水の量と、琵琶湖から瀬田川などを
通って流れ出る水の量の差によって上下します。つまり雨の量や流れ出す水量によって水位は変わります。
(最大水位+3.76m、最低水位-1.23mという記録が残っています。)
なお、流れ出す水量は瀬田川洗堰でコントロールされています。
A.洪水時は琵琶湖沿岸で浸水が起こり、家屋や作物に被害が出ることがあります。
近年では、平成30年(2018年)の西日本豪雨(平成30年7月豪雨)でB.S.L.+0.77mを記録し、琵琶湖沿岸の家屋や田畑で浸水の被害がありました。
また、渇水時(水が少ないとき)は、水の利用がしづらくなり、生態系や作物等へ影響が出ます。
平成6年(1994年)には観測史上最低水位のB.S.L.-1.23mを記録し、下流府県や県内で水道の利用を制限する、取水制限が実施されました。
A. B.S.L.(Biwako Surface Level)0mは鳥居川水位観測所の基準面の高さのことです。大阪城の天守閣の高さとほぼ同じ高さです。(大阪湾の平均干潮位(O.P.B)から+85.614m、東京湾平均中等潮位(T.P.)から+84.371mの高さ)色々な説がありますが、明治7年に鳥居川水位観測所を設置した際、当時の瀬田川の状況などにより、これ以上下がることがないと判断した水位ではないかとも言われています。
A. 琵琶湖に降った雨や、川を通って流れ込んだりした水が琵琶湖の水になります。琵琶湖に流れ込む一級河川は117本あるのに対して、流れ出る河川は瀬田川だけです。なお河川以外では、琵琶湖第一疎水、琵琶湖第二疎水、瀬田川にあるSMBC宇治グリーン発電所(宇治発電所)取水口からも流れ出ています。
A.琵琶湖の水位管理基準は瀬田川洗堰操作規則(平成4年3月制定)によって定められています。非洪水期には基準水位+0.3mを上限に、洪水期には琵琶湖の水位をあらかじめ基準水位-0.2mまたは-0.3m以下に下げておくことで洪水期の最高水位を下げるようにしています。また、渇水期にはB.S.L.-1.5mまでを利用可能として、下流淀川で必要とされる水道用水、工業用水、農業用水、河川維持流量を補給しています。
A.瀬田川洗堰の操作による急激な水位低下によって、コイ科魚類の卵が干上がってしまうという問題がありました。そのため、平成15年度から平成25年度の試行期間を経て、治水・利水に影響を与えない範囲で、卵が干上がりにくくなるような水位操作が行われています。
A.水位の変化は雨の量や流れ出す水量等によって変わります。
【水位の上昇】
雨の量で大きく変わりますが、平成25年9月の台風18号による大雨の際には、1日(24時間)で約90cm上昇しました。
【水位の低下】
季節や天気などによりますが、通常1日に約0.5~2cm程度低下します。
なお、大雨の後など速やかに水位を下げる必要があるときは、瀬田川洗堰を全開にすることがあります。そのときには、水位は1日(24時間)で約10cm低下します。
※平成4年4月1日以降の記録。
A琵琶湖から水が流れ出ているところは3か所あります。瀬田川からの流量を調節する瀬田川洗堰は国(国土交通省)が、琵琶湖疎水にある水門(大津制水門等)は京都市が、そしてSMBC宇治グリーン発電所(宇治発電所)取水口の水門(石山制水門)は関西電力が管理をしています。水を止めたいと思っても、管理者ではない県が止めることはできません。
A.もしも流れ出る3か所全てを閉鎖して、琵琶湖からの水の流出を止めると、以下のようなことが起こる可能性があります。
○洪水の発生…長期間止めると、琵琶湖の沿岸部から浸水し始めます。
○水道水等の不足…京阪神で水道水等が不足する可能性があります。
○その他 ・関西電力(SMBC宇治グリーン発電所)による発電量減少 ・琵琶湖沿岸部での湖沼環境の変化 ・水生生物への影響等