滋賀県は、琵琶湖にある大津港、彦根港、長浜港および竹生島港の4つの地方港湾を管理しています。
これら4つの‟みなと”について次のとおりご紹介します。
大津港は琵琶湖の南部、県庁所在地である大津市に位置しています。古代天智天皇の時代より、大津宮の港として人や物の湖上輸送の一大拠点であったほか、戦国の世には軍事上の要港となるなど、大いに栄えました。明治以降の鉄道など陸上輸送の興隆により、現在では物流や交通の拠点としてはほとんど使用されていませんが、大型遊覧船による湖上めぐりなどの観光拠点となっています。
平成8年度(1996年)に現在の大津港が完成し、港湾緑地の整備や、長さ440メートルを誇り琵琶湖の名所となっている”びわこ花噴水”の整備により、憩いの場として利用されているほか、多様化するレクリエーション需要に応え、大津港マリーナを整備しており、湖上スポーツの拠点として活用されています。
大津港では平成18年(2006年)4月から指定管理者制度を導入し、令和2年(2020年)4月1日現在、マリーナを除く施設を琵琶湖汽船(株)が、大津港マリーナをセイレイ興産(株)が管理しています。
彦根港は琵琶湖東部の彦根市に位置しており、このあたりは古くから千々松原と称されて数々の歌にもその名をとどめています。古くは彦根港が天然の良港であったことから琵琶湖舟運が盛んでした。
旧港湾は彦根城のお堀に連なる松原運河を利用した掘込みの港です。昭和37年(1962年)から昭和43年(1968年)にかけて付近の埋め立てとあわせて新港湾部が建設され、数度の工事を経て昭和63年(1988年)に現在の港湾になりました。現在では湖上めぐりなどの観光拠点として使用されています。
長浜港は琵琶湖北部の長浜市に位置しています。豊臣秀吉が長浜城を築城して以降発展した港湾で、湖北地方の米の輸送拠点、または軍事上の要港として栄え、また、鉄道の登場後もしばらくは大津長浜間の交通手段として舟運が栄えました。
昭和34年(1959年)より内湖を埋め立てて昭和40年(1965年)に新港湾部が完成し、数度の工事を経て昭和55年(1980年)に現在の港湾になりました。現在では湖上観光や竹生島港への航路の拠点として使用されています。
港湾にはプレジャーボートや水上バイクを琵琶湖に揚げ降ろしするスロープ(斜面)があり、週末を中心に利用客でにぎわっています。
琵琶湖上に浮かぶ竹生島は古くから観音菩薩の霊場であり、西国三十三ヶ所巡礼の第30番札所です。また、「宮島(大願寺・厳島神社)」「江の島(江島神社)」とならぶ日本三弁財天の一つでもあり、「宝厳寺」と「都久夫須磨神社」があります。竹生島港はこの島唯一の玄関であり、定期観光船の発着場として多くの観光客、参拝客に利用されています。