建設産業は、社会資本の整備や維持のみならず、近年多発するゲリラ豪雨や豪雪の対応など、災害に強い県土づくりや、地域経済の活性化や雇用の確保など、地域づくりの担い手といった社会的役割を担う重要な産業です。
現在、本県建設産業は、建設投資の減少に伴う競争の激化や、就労環境の悪化などによる若年就業者の減少・高齢化の進行など大変厳しい経営環境に直面していますが、この様な中で本県建設産業が、今後も重要な社会的役割を果たしていくためには、本県建設産業を将来的にも地域を支え得る足腰の強い産業にしていく必要があります。
こうしたことから、土木交通部では、県内の建設企業のほとんどが中小企業であるという現実を踏まえ、「滋賀県中小企業の活性化の推進に関する条例」が施行されたのを契機として、学識経験者や建設産業関係者、関係行政機関職員、消費者団体の代表などで構成する「滋賀県建設産業活性化推進検討会」を立ち上げました。
検討会では、若手技術者や女性技術者との座談会、アンケートやヒヤリングによる実態調査などを通じて県内建設産業の実態把握につとめ、建設産業が抱える様々な課題について検討を行いました。平成25年10月に中間まとめを行い、平成27年3月にとりまとめを行いました。
【第1回】平成25年5月30日開催/【第2回】平成25年7月11日開催/【第3回】平成25年10月4日開催/【第4回】平成26年2月13日開催
【第1回】平成26年6月27日開催/【第2回】平成26年9月17日開催/【第3回】平成27年2月5日開催/【第4回】平成27年3月26日開催
【第1回】平成25年7月18日開催/【第2回】平成25年8月20日開催/【第3回】平成25年9月 2日開催/【第4回】平成25年9月18日開催
【若手技術者座談会】平成25年7月31日開催
【女性技術者座談会】平成25年8月2日開催
平成25年8月1日実施
【土木工事現場】大山川支流補助通常砂防(総流防)工事/【建築工事現場】水口東中学校・高校耐震改修その他工事
【アンケート調査】平成25年8月1日~31日実施(県内に主たる営業所を有する建設業者対象)【ヒアリング調査】平成25年8月7日~22日実施(県内専門工事業団体7団体対象)
検討会では、本県の建設産業の活性化に向けて、目指すべき将来像を「地域を支える人と技魅力あふれる建設産業」とし、その将来像に向かって、4つの具体的な姿を以下のようにイメージしました。
1地域の発展と安全・安心の担い手の魅力ある活躍~県土の守り手の振興~
2優れた能力が発揮できる環境整備~制度の改善~
3将来にわたって地域を支える人と技の継承~担い手の育成確保~
4未来を拓く子どもたちへ~魅力発信~
この目指すべき将来像の実現に向けて、予算化や制度の改正など、速やかに取り組みを行う必要のある「短期的取り組み」の方向性に加え、取り組みを行う必要がある「中長期的取り組み」の方向性を検討会でとりまとめました。
取り組みの推進にあたっては、行政と建設業界との適切な役割分担をもとに情報交換や連携を密にした取り組みが必要です。このため、今後、行政等が実施する施策の状況について、引きつづき行政外部の方々を加え、定期的に検証を行い、行政施策に反映していくことが必要です。
滋賀県土木交通部監理課技術管理室企画振興係